9月11日の香港のサウス・チャイナ・モーニング・ポストの一面は
香港のビクトリア公園に集結したイスラム教徒たちの集団の写真。
911から九年目の日にシンガポールから香港まで飛行機に乗ったの
ですが、機内でもらった新聞がこれでした。このイスラム教徒たち
は911とは何の関係もなく、今年は9月10日がラマダン明けの新年
ということで、香港にいるイスラム教徒たちが、ビクトリア公園に
集まったというニュースでした。
香港にイスラム教徒がいるというのは、ちょっと意外な感じがする
かもしれませんが、以前の記事でも書いたように、香港には、
インドネシアから来ているメイド(家政婦)が10万人以上います。
そのほとんどがイスラム教徒なので、イスラム教徒は10万人以上
はいるという計算になります。しかも大半が女性です。
イスラム教は月を基準に一年を計算しているのですが、今年は
9月10日の新月が新年の始まりとなります。シンガポールとかで
はアイドルフィトリとか呼ばれていましたが、この香港の新聞には
エイドゥルフィトル(Eid Ulfitr)と表記されています。それまで
約一ヶ月のラマダンと呼ばれる期間は、日中の断食をします。
太陽が沈んだ後は食事はできるのですが、日中は断食です。
それが終わるのがこの日なんですね。「断食明け」とも呼ばれ
ています。
イスラム教というと、中近東というイメージが強いのですが、
実は、世界最大のイスラム教徒の人口を抱えるのはインドネシア。
二億三千万の人口の大半がイスラム教なので、これは世界最大
です。ちなみに第二位はパキスタン。そして第三位はインド
なのです。
インドは人口の13%くらいがイスラムだと言われていますが、
13%と言っても日本の人口と同じくらいなんですね。イスラム
の大国が実はアジアにあるというのは結構意外な事実です。
ところで911関連のニュースで、最近はアメリカで育った
イスラム教徒の中からテロリストが生まれることが多くなった
というのをやっていました。このニュースを聞いて思い出した
のが昨年、インドで公開された映画『NEW YORK』でした。
この映画は香港のチョンキンマンションのインドDVDショップ
で買ったのですが、主演はカトリーナ・ カイフと、ジョン・
アブラハム、そしてニール・ニティン・ムケシュです。
左のピンクのシャツがジョン・アブラハム、中央がカトリーナ・
カイフ、そして右がニール・ニティン・ムケシュです。
学生時代をニューヨークで過ごした彼らは、大学在学中に
911に遭遇します。この二人の男性はイスラム教徒という
設定なのですが、ジョン・アブラハムのほうは、事件後、
無実の罪で、厳しい尋問を受けます。それがトラウマとなって、
彼は、テロリストになっていくのですが、まさにこのニュース
と全く同じ展開です。最後は自分の仕掛けた爆弾で、愛する
妻(カトリーナ・ カイフ)を失ってしまう(実際は彼も彼女
も警察の銃撃で命を失うのですが)という悲劇的なストーリー
です。
前半は、明るく楽しい雰囲気の青春映画かと思いきや、
911が彼らの人生を大きく変えていきます。
映画の最後に、「911事件後におよそ1200人の外国人
が不当に拘束された」というテロップが流れ、この映画が
全くのフィクションではないということを伝えています。
インド映画にはつきもののダンスシーンとかないシリアスな
映画ですが、結構ヘビーな名作です。日本ではまず見られない
と思いますが、香港でしたら、チョンキンマンションの中に
いくつかあるDVDショップで"New York"と言って買ってくだ
さい。20ドル前後(200円くらい)で買えると思います。
ストーリーを日本語でもっと詳しく知りたい方は、こちらの
サイトをどうぞ。
これでインディア2009年6月
このページの下のほう(6月26日)に詳しく紹介されています。
よろしければ、こちらもついでによろしくお願いします。
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