義父の葬儀が終わってすぐの日の新聞に日本の平均寿命が
さらに伸びたという記事が出ていました。日本の厚生労働省
が7月26日に発表したデータによると、日本の平均寿命
は男性が79.59歳、女性が86.44歳ということでした。
義父は71歳で亡くなったので、平均寿命に比べるとまだ
かなり若く、葬儀を終えたばかりの家庭にとってはちょっと
悲しみに追い打ちをかけるような酷な情報でした。
この後間もなく、高齢者の所在不明の問題が出てきて、海外
メディアからも日本の長寿国というのは虚構ではないかとの
指摘が出たりもしました。不明高齢者を除外していくと、平均
寿命は少し低下するのかなと思ってしまうのですが、厚生労働
省のデータは調査員が各家庭を実際に訪問する国勢調査を元に
作られているので、高齢者の所在不明によりこのデータが影響
されることはないということなんですね。でも本当にそうなの
かは何とも言えません。
しかし日本にいた時も自分は国勢調査の調査員というのに会っ
たことはなかったし、果たしてこの調査もどこまで信用できる
かというとちょっと疑問です。まあだいたいは正確なのだとは
思いますが。
さて、その時の記事は、日本の長寿記録がさらに伸びて、女性
は世界の一位を25年間連続でキープ、男女とも4年連続で記録
更新という内容でした。しかし私が注目したのは、香港が
意外と長寿国であるという事実でした。
香港は男性で79.8歳で二位(日本は五位)、女性は86.1歳で
こちらも二位です。これはちょっとすごいランキングです。
香港といえば、気候は決して快的というわけではなく、高温
多湿で、空気も綺麗というわけでもなく、住環境も狭苦しく、
街に緑が溢れているわけでもなく、人口密度が高くごみごみ
した街はストレスでいっぱいです。食生活もヘルシーな食事
をみんながしているわけでもありません。チャーシュー飯や
麺のお店を見ても、食生活はバランスが取れているともいえ
ません。みんなが太極拳とかをやって体を鍛えているという
感じでもないし、一見長寿というのが不思議な感じがします。
いろいろ香港長寿の理由を探ってみようと思ったのですが、
なかなかこれという文献が見当たりません。そこで香港の
ウェブで断片的に述べられていることとか、自分の仮説とか
を思いつくままにご紹介してみたいと思います。
香港長寿の理由その1
医食同源の考え方
香港の街では、漢方関係のお店や、健康食品のお店がやたら
目につきます。苦そうな中国茶のお店もあちこににあり、
亀ゼリーのお店もチェーン店がいくつもあります。ちょっと
体の具合が悪いときでも薬ではなく、スープとか飲み物で
直すという伝統があります。西洋医学の薬に頼らないこういう
健康管理の仕方が長寿に結びついているのではないかという
ことが考えられます。
香港長寿の理由その2
漢方医の存在と医者に行く事の気軽さ
香港には通常の西洋医学の医者の他に、漢方医というのが
かなりあります。西洋医学の限界というものもあるのかな
という気がします。ひょっとして漢方は長寿に関係している
のかもしれません。中国本土は、漢方はあっても、農薬の
問題やらいろんな問題があるので、漢方のよさが活かされて
いない可能性はあります。
香港長寿の理由その3
お茶を飲むこと
飲茶では基本はお茶です。ポーレイ(プーアル)のような
かなり苦めのお茶を飲みながら、食事をします。こういう
お茶が油の吸収を防ぎ、健康に貢献しているのかもしれま
せん。
香港長寿の理由その4
タバコを吸わないこと
どこかに香港の喫煙率は、日本に比べるとかなり低い数値
です。中国本土の人はタバコをスパスパ吸っている雰囲気
がありますが、香港は禁煙も厳しくなっているし、喫煙率
は低いものと思われます。このへんも長寿の理由かもしれ
ません。
香港長寿の理由その5
適度なストレス
香港の人のサイトに出ていたのですが、香港はちょっと外
に出ると刺激がいっぱいあり、そういうのが老人にとっては
よいとありました。静かすぎて環境が良すぎると、ボケて
しまったりするのですが、ちょっと緊張感があると逆にいつ
までも若々しくいられるのかもしれません。
香港長寿の理由その6
運動になる坂道と狭い歩道
香港は坂道が多く、歩道も狭く、老人にとっては(というか
若い人にとっても)快適とは言いがたい環境です。でもこう
いうのはかなり運動にはなります。また細い歩道で、人をよけ
ながら歩くことは、かなりの反射神経の鍛錬になります。
こういうのも老化を防止してくれているのかもしれません。
香港長寿の理由その7
親戚家族が年寄りを助けるという伝統
香港は地域が狭いので、老人をひとりぼっちにさせておかない
伝統があります。家族と同居していたり、同居してないにして
も週末にはみんなで食事をしたりという光景はよく見ます。
日本のように孤独な老人は少ないのかもしれません。
香港長寿の理由その8
介護の充実
香港にはフィリピンやインドネシアのメイドがいっぱいいます。
車椅子の老人の世話をしているメイドもよく見かけます。
メイドをうまく使うという文化があるため(また料金も安いと
思われる)、メイドを使うほうも、使われるほうも、割り切って
対応できているようです。メイドも結構、一生懸命世話をして
いて、日本人だったらちょっとここまでできないかもとも思え
ました。フィリピン人やインドネシア人は天性のヘルパーですね。
香港長寿の理由その9
競馬や麻雀の充実
香港には至るところに場外馬券売り場があります。毎日人が
たむろしています。麻雀も娯楽としてはおなじみです。こういう
ところで頭を使っていると、ひょっとしてそれがボケ防止だとか
老化防止だとかの役に立っているのかなという気もします。
これは何とも言えませんが。
香港長寿の理由その10
街にやたら活気がある
街市とか見るとやたら活気があります。人の歩くスピードも、
エスカレーターの速さも速いです。生活のリズムが香港映画その
もので、やたら元気です。ひょっとしてこういう部分が香港の
老人を元気づけていたりするのかもしれません。
以上10個の理由は、自分で適当に考えたものも多いので、真実
かどうかは責任が持てません。しかしながら結果としては、香港
は日本と同じく長寿国となっているので、何かの秘密があるのだ
と思います。何でも食べるという雑食性がよいのかもしれません
し、内蔵系とか、フカヒレとかそういうものがよいのかもしれ
ません。気功とかも関係あるのかもしれませんし、あるいは
秘密の長寿の薬があったり、超能力的な部分があったりするの
かもしれません。謎です。みなさんも何か思い当たる理由が
あったら教えてください。
ちょっと男性の一位がカタールというのもひっかかるのですが、
これままた別の機会に究明することといたしましょう。
よろしければ、こちらもついでによろしくお願いします。
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