South Is. Alps
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Coromandel
Coromandel, NZ
Square Kauri
Square Kauri, NZ
Lake Griffin
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スモークサーモンとジェネベーゼパスタ、トマトとぬか漬けのサラダ

スモークサーモンとジェネベーゼパスタ:スモークサーモン+茹でた小松菜、予め用意したジェネベーゼソース(江南の畑から来たバジル+パルメジャーノチーズ+松の実+塩コショウ+フレッシュオリーブオイルを粉砕)を絡めたパスタ
トマトとぬか漬けのサラダ

2021-09-06 20:43:30 | 夕食・自宅 | コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )


『動物に権利はあるか』

 
2014年、インドネシアのクロザルの「自撮り」写真を巡って動物に著作権があるかどうかについて論争が起きた。写真家のスレイターがインドネシアの森に動物が「自撮り」できるような仕掛けをつくっておいて、うまく撮れた写真を自らの著作物としてネットにアップしたが、訴訟がおこり、写真家のスレイターの著作物ではなく、動物には著作権はないとの過去の判例により、パブリックドメインの著作物であるとの判決が出た。一方、アメリカの動物の権利(アニマル・ライツ)を擁護する団体PETAが動物にも著作権・肖像権が認められるとして訴訟を起こし、最終的には写真家と写真(著作物)をアップロードできるサイトが収益の25%を自然保護団体に寄付を行うということで、和解に至ったという。

本書が出版されたのは、1995年(原著、1989年)で、上記の事件より前のことなので、もちろん、動物の著作権については触れられてはいないが、少なくともこの時点での、動物の権利についての背景や考え方について、その歴史からレビューされている。これは、私自身がこれまであまり関心を持ってながめてこなかったことが、その原因だが、本書で触れられている問題意識がどの程度、日本で認識されているか、疑問に思う。昨今のコロナ禍による引きこもりによるペットブーム、結果として飼育放棄などが取り上げられていることも、影響が少ないといえる。

たとえば、日本で動物に関する法律や指針等について、「動物福祉協会」の13種をリストアップしている。動物愛護に関わる法律のほか、様々な条件における動物飼育に関する、基準・指針等が挙げられていることがわかる。1973年に施行された「動物の愛護及び管理に関する法律」(2019年まで繰り返し改正されて現在に至る)の目的は、以下のように述べている。

「この法律は、動物の虐待及び遺棄の防止、動物の適正な取扱いその他動物の健康及び安全の保持等の動物の愛護に関する事項を定めて国民の間に動物を愛護する気風を招来し、生命尊重、友愛及び平和の情操の涵かん養に資するとともに、動物の管理に関する事項を定めて動物による人の生命、身体及び財産に対する侵害並びに生活環境の保全上の支障を防止し、もつて人と動物の共生する社会の実現を図ることを目的とする。」

また、法だけではなく、倫理に関わる問題でもある。最近では、以下の『初めての動物倫理学』(2021年3月)が出版され、帯には「肉を食べるのはもうやめよう」の惹句も見られるように、食文化・食習慣に関わる問題提起も見られる。とはいえ、人間と動物の関係は、家畜やペットとの関係にとどまることはなく、野生動物との関係や人類の進化史を考えるとさらに、問題は深いとおもう。

 

2021-09-06 10:34:47 | 読書 | コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )