South Is. Alps
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Coromandel
Coromandel, NZ
Square Kauri
Square Kauri, NZ
Lake Griffin
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ヒラメのムニエル、せりの胡麻和え、焼き茄子、アオサの味噌汁

ヒラメのムニエル
せりの胡麻和え
焼き茄子
アオサの味噌汁

2021-06-20 20:56:30 | 夕食・自宅 | コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )


『闇の左手 (ハヤカワ文庫 SF (252))』

 
ハイニッシュ・ユニバース・シリーズの一冊。もはや古典ともいえるだろう。人類が宇宙に拡散した遠い未来、エクーメン連合から<冬>惑星ゲセンに派遣されたゲンリー・アイの物語。ゲセン人は両性具有かつソメルとケメルという性周期をもつ。ゲセン人は子どもを産むこともできるし産ませることもできる。近親相姦は禁じられておらず、産んだ親との密接なつながりもない。

ゲンリー・アイは、カルハイド王国に着陸し、エストラーベンという宰相と知己をえるが、エクーメン連合への加入の受け入れが進まない。頼りにしていたエストラーベンも失脚してしまった。そこで、エストラーベンも逃亡した国境を隔てて接するオルゴレイン共生国に脱出する。オルゴレインではエクーメン受け入れがうまくいくと思えたものの、内部抗争に巻き込まれて牢獄に送られる。エストラーベンは、ゲンリー・アイを救出し、北に向かい二人で厳冬の氷原をこえて、カルハイドに向かう。この苦難の70日あまりの脱出行における、二人の対話と「心話」(テレパシー)が作品の重要な部分となる。ようやく、カルハイドの人里に入るが、罪人であるエストラーベンは、1人でオルゴレインに向かうが、カルハイドの国境警備隊に狙撃され死んでしまう。その後、ゲンリー・アイは惑星軌道で待機する母船をよびよせ、エクーメン受け入れに成功させる。物語は、エストラーベンの父と息子を訪ねたゲンリー・アイの旅で終わりを告げる。

両性具有の世界には光と闇、右手と左手、男と女、などなど二項対立は存在せず、あたかも、太陰のように二つで一つのものとなっている。とはいえ、王と臣下、領主と領民、カルハイドとオルゴレインという統治組織の対立、さらには、内部抗争は存在していて、<冬>の惑星の世界は大変興味深く思える。

しばらくは、ハイニッシュ・ユニバースに浸ってみようと思う。

2021-06-20 11:29:12 | 読書 | コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )