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Lake Griffin
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2007年の読書

このブログでは2007年の内に読書について74回書いていいる。年頭にあたり、前年にならって今回も「目からうろこ」と「おすすめ」の二つのカテゴリー、それぞれベストスリーを選ぶことにしよう。この二つ、重複もありそうで、ほかに適切なカテゴリーがありそうだけれど・・・、ま、いいか。とりあえず、踏襲することにする。
なお、書名には、ブログの各ページへのリンクをつけてある。また、ここで取り上げるのは、新刊にはかぎらない。書誌データの末尾は書評で取り上げた日付をあげている。

では、「目からうろこ」から。三点は、以下のものをあげる。

渡辺京二、2005、『逝きし世の面影』、平凡社(ライブラリー)(初版は、1998年葦書房より刊行、1999年度和辻哲郎文化賞)(2007-09-07)

安富歩、2006、『複雑さを生きる:やわらかな制御』、岩波書店(2007-12-24)
渡部信一、2005、『ロボット化する子どもたち:「学び」の認知科学 (認知科学のフロンティア)』、大修館書店(2007-10-28)

『逝きし世の面影』は、江戸末の日本を訪れ、当時の日本について記した欧米からの訪問者たちの記録を元に、すでに失われた日本の姿を復元する。日本近代は、西欧近代のあと追いで、江戸以前は封建遺制として追放し、多様な生活のあり方を否定してきわけだが、本書では、単なるノスタルジアでも、復古でもなく描こうとする。

『複雑さを生きる:やわらかな制御』は、複雑性をキーワードにして、文理を架橋して個人と社会のあり方について問題提起を行おうとする。詳しくは読んでいただくほかないのだが、20世紀のキラ星の知性たちの思考思索をめぐって考察がすすめられ、めくるめく思いの中、様々な事が腑に落ちてくるだろう。

『ロボット化する子どもたち:「学び」の認知科学 (認知科学のフロンティア)』は、現代の「学び」について、ロボット開発や自閉症教育における「学び」、職人の「学び」を踏まえて、21世紀の「学び」を構築しようという試みである。これまた、文理を超えたアプローチが「目うろこ」である。

では、つぎに「おすすめ」の3点は、以下のとおりである。
O・呂陵、2007、『放屁という覚醒』、世織書房(2007-07-04)
駒崎弘樹、2007、『「社会を変える」を仕事にする 社会起業家という生き方』、英治出版(2007-12-26)
佐藤洋一郎、2005、『里と森の危機(クライシス): 暮らし多様化への提言』、朝日選書(2007-02-19)

『放屁という覚醒』は、生物としての人間の生理として、上と下の「口」から風を吹かすこと、「ゲップ」「あくび」「屁」などの「自然現象」をとりあげ、そうした「自然現象」について、様々な規制を持ち込む人間の文化をえがく。軽妙な語り口に、読者は何度も笑うことになるのだが、そうした語り口の中に、人間文化の在りようについて、理解を深めることができよう。

『「社会を変える」を仕事にする 社会起業家という生き方』は、学生起業家としてITベンチャーを立ち上げた著者が自分自身の生き方に悩みのなかから、社会事業家として「社会を変える」仕事を見出し、病児保育のNPO法人「フローレンス」を立ち上げた過程をくわしく記録したものである。著者は、多くの人が重大な問題であると考え、悩みながらも解決方法を見出すことのできなかった病児保育を、複合的なファクターを組み合わせてビジネスモデルとして立ち上げてしまったのである。社会を変えることはそう簡単なことではないし、誰もができることでもないだろうが、少なくともそのアプローチには学ぶことが多いだろう。

『里と森の危機(クライシス): 暮らし多様化への提言』は、里を取り巻く自然の豊かさは人間の暮らしのあり方と密接に結びついており、「暮らしの多様性」が失われてきたことが、ひとの暮らしと結びつく自然が失われつつあることにつながるので、「暮らしの多様性」を回復することが大切であると説く。環境問題解決(簡単なことではないが)のひとつのあり方だろう。

2008-01-01 23:21:14 | 読書 | コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )


牛味噌鍋

今日は、初詣に住吉大社と生駒聖天に行ってきた。
住吉大社は、子供のころに行ったが覚えていたのは、太鼓橋ぐらいのもので、住吉造りに本殿が四つもあることは当然、知らなかった。東から西に(海に向かって)、東から第一本宮、第二本宮、第三本宮と並び、第三の南隣に第四本宮がある。回廊はなく、本殿は妻入り、拝殿は平入りである。

住吉大社:http://www.sumiyoshitaisha.net/outline/architect.html

夕食は、前夜の猪鍋の残りの出汁をつかって、しゃぶしゃぶ肉と水菜、春菊、豆腐を食べた。溶き卵をくぐらして食した。

2008-01-01 20:02:10 | 夕食・自宅 | コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )