Fsの独り言・つぶやき

1951年生。2012年3月定年、仕事を退く。俳句、写真、美術館巡り、クラシック音楽等自由気儘に綴る。労組退職者会役員。

果物の季節 葡萄・桃・梨

2018年08月20日 22時54分51秒 | 俳句・短歌・詩等関連
 秋になると嬉しいのは果物。今も葡萄・桃・梨が食べごろで、八百屋・スーパーに美味しそうなものが並んでいる。美味しそうなものはそれなりの値段だが、安売りのもので美味しいのにあたるとことのほか嬉しい。

★葡萄食ふ一語一語の如くにて     中村草田男
★白桃を剥くねむごろに今日終る    角川源義
★梨食べて森閑と夜の底にゐる     関 清子


 第1句、いかにも俳句の一語一語に腐心している人の句である。あの一粒一粒の葡萄を丹念に、そしてひとつひとつ味わいながらゆっくりと食す。葡萄を食べる代込である。
 第2句、ねむごろは今日の身の振舞いと、桃を剝く、両方にかかると読みたい。時間を、一日を大事にしたいとは思いつつ、人はついそれを忘れて駆けずり回る。一日の終りには、白桃を食べるだけでなく、何か一つのことを丁寧にこなしてから、就寝するのもまた、いい一日の終わり方である。
 第3句、これも深夜の句。梨と深夜とは直接関係はないが、梨のサクッという音が、虫の音がする秋の夜に自分の耳に残る。みずみずしい果汁が一日の終りを幸せにするのかもしれない。そんな充実した一日は果たして生涯で何日数えられるであろうか。

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