
昨日に続いてブラームスのピアノ四重奏曲全3曲から、第2番(作品26)。
作品25と私は双子のような作品だと教わったことがある。しかし曲想は随分と違う。ともに1858年から59年に構想されたが、ともに出来上がったのは1862年に完成している。ブラームスらしい慎重さだと思う。
第1番はどちらかというと暗い、昨日のような雨の日の夜に似つかわしい。第2番は本日のような秋晴の日中に聴くのがいいかもしれない。極端な例えだが、第2番はフラームスの明るい楽想の面が浮かび上がっている。生前は3局の中ではもっとも演奏される機会が多かったとのことである。
第2番の第1楽章の出だしは第1番の第4楽章の延長かと思うほどにジプシー音楽的なイメージの強い第一主題が出てくるが、それとなく飲み込まれて軽快なピアノの第2主題が出てくるとそれが主調音的に第一楽章を支配してしまう。
第2楽章はピアノが美しいが、ところどころ浮き上がるような弦楽器のメロディーが美しい。第3楽章は、ブラームスのスケルツォにしては少々テンポが遅い。私にはテンポはゆっくりであるが、軽やかすぎてブラームスらしさが無いと思っている。第4楽章はさまざまな主題や旋律が複雑に顔を出し、まとまりがなく曲としての統一性に欠けるのではないかと思っているうちに終わってしまう。
マーラーの弦楽四重奏は今回初めて聞いた。これまでも幾度かこのCDをかけたがいつもこれを聴かずに過ごしてきた。
解説によれば15歳か16歳の頃の作品である。習作的な扱いの範疇の曲かもしれない。大編成の交響曲やロマン的な歌曲のイメージのマーラーからは想像もできないほどこじんまりとした曲である。

