Fsの独り言・つぶやき

1951年生。2012年3月定年、仕事を退く。俳句、写真、美術館巡り、クラシック音楽等自由気儘に綴る。労組退職者会役員。

好天好日、気分爽やかに

2012年11月16日 20時47分53秒 | 芸術作品鑑賞・博物館・講座・音楽会等
 本日は、好天に恵まれて気分も爽やかに街中に出かけた。耳鼻科で吸入をした後、特に目的はなかったが喫茶店で井上井月の句集に目を通したり、家電の量販店を巡ったり、のんびりとした時間を過ごした。
 夕方から神奈川大学の公開講座の「ヨーロッパの芸術を旅する」の第2回目に出席。夕刻から神奈川大学の横浜キャンパスに出向き、学生の間を縫って教室へ。登下校する若い学生の間を縫うように歩くのはとても気恥ずかしいのだが、反面自分が若返ったような気もして、なかなか愉快な経験である。
 本日はフィレンツェのボッティチェリ、ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、ラファエロ。先週と違って取り上げる作家の数も作品も多いためかいささか駆け足。しかしルネサンス期の絵画を鑑賞する基本的な視点を先週に引き続きわかりやすく講義してもらった気がする
 若干フランドルの方が先行するようだが、しかしほぼ同時代のフランドル地方とイタリア、教わらなければまったくわからないままであった画も、キリスト教絵画でもこれほどのニュアンスの差があるとはわからなかった。特に受胎告知などに見られるマリアの像や赤子のキリストの像に地域的な差があるとは思いもよらなかった。
 さらにフランドル地方が湿潤な気候の中で、油絵の具の絵画を獲得し細密画への道を開いた一方、イタリアは乾燥した気候のもと、フレスコ画を中心とした絵画から花が開いたとのこと。
 今回フィレンツェの絵画を取り上げてもらったわけだが、キリスト教の呪縛のなか、金融資本を基にしたメディチ家が推進した古代ギリシャの復興-秦プラトン主義がキリスト教会とのかなりの緊張関係の中で力を得ていったことなど、読むだけでは頭に入らない事項をわかりやすく説明してもらった。この講座も目を離せないと感じた。
 同時に図録などの本でしか見たことのないこの当時のフレスコ画という技法の絵画を実際の教会や修道院などの建物のなかで鑑賞したいと心から思う。同時にそのフレスコ画が描かれている大理石の建物、そして大理石の彫刻と一体となった現場に立ってみたい。きっと圧倒されるような印象なのではないだろうか。