外国為替相場のでき方と外国為替証拠金取引などについて解説した本。
公表される外国為替相場は銀行間(インターバンク)のコンピュータ・電話取引の相場で、銀行が顧客に示すレートはこれを元に各銀行が独自に買値(ビッド)と売値(オファー)を独自に決めていて、ただ買値と売値の差(スプレッド)があまり大きいと客がよそに行くので是正されるという世界だそうです。インターバンクの1ドル=120.20-25円というのはビッドが120.20円、オファーが120.25円の意味(71頁)だそうですが、各銀行が顧客に示すレートは買値と売値が違うとしても市場では買値と売値が一致しないと値が付いていないはず。インターバンク取引は2営業日後の引き渡し(56~57頁)だからその間の金利差調整(スワップ)だというなら売りと買いが違っても理解できますが・・・。
著者は、元為替ディーラーですから外国為替証拠金取引を勧めて、一般には証拠金取引では自己資金の10~20倍程度までのレバレッジであれば実際にはあまり問題なくリスクを管理できるでしょう(116頁)などといっていますが、(外国為替に限らず商品先物でも株式でも)証拠金取引では証拠金に対する一定割合までの評価損が出ると追加証拠金を入れるか強制手じまいですから証拠金の10倍・20倍の取引をしていれば数%足らずの値動きで証拠金相当分の損が確定しかねません。外国為替証拠金取引では業者は顧客の注文で市場で外貨を売買するわけではなく相対取引ですから、基本的には顧客が儲ければ業者は損をすることになるはずです。顧客の注文とは別にリスクヘッジもしてはいるでしょうけど。それで業者が営業していけるということ自体からも、損をする顧客の方が多いはずだと思います。
最後には外国為替相場の予測なんて項目があって期待させますが、いろいろな項目が羅列された挙げ句にマーフィーの法則まで飛び出す始末。
基礎的な概念や仕組みの勉強にはなりましたが。

林康史 日経BP社 2007年7月30日発行
公表される外国為替相場は銀行間(インターバンク)のコンピュータ・電話取引の相場で、銀行が顧客に示すレートはこれを元に各銀行が独自に買値(ビッド)と売値(オファー)を独自に決めていて、ただ買値と売値の差(スプレッド)があまり大きいと客がよそに行くので是正されるという世界だそうです。インターバンクの1ドル=120.20-25円というのはビッドが120.20円、オファーが120.25円の意味(71頁)だそうですが、各銀行が顧客に示すレートは買値と売値が違うとしても市場では買値と売値が一致しないと値が付いていないはず。インターバンク取引は2営業日後の引き渡し(56~57頁)だからその間の金利差調整(スワップ)だというなら売りと買いが違っても理解できますが・・・。
著者は、元為替ディーラーですから外国為替証拠金取引を勧めて、一般には証拠金取引では自己資金の10~20倍程度までのレバレッジであれば実際にはあまり問題なくリスクを管理できるでしょう(116頁)などといっていますが、(外国為替に限らず商品先物でも株式でも)証拠金取引では証拠金に対する一定割合までの評価損が出ると追加証拠金を入れるか強制手じまいですから証拠金の10倍・20倍の取引をしていれば数%足らずの値動きで証拠金相当分の損が確定しかねません。外国為替証拠金取引では業者は顧客の注文で市場で外貨を売買するわけではなく相対取引ですから、基本的には顧客が儲ければ業者は損をすることになるはずです。顧客の注文とは別にリスクヘッジもしてはいるでしょうけど。それで業者が営業していけるということ自体からも、損をする顧客の方が多いはずだと思います。
最後には外国為替相場の予測なんて項目があって期待させますが、いろいろな項目が羅列された挙げ句にマーフィーの法則まで飛び出す始末。
基礎的な概念や仕組みの勉強にはなりましたが。

林康史 日経BP社 2007年7月30日発行