徳川家康の生涯について著者の研究成果等に基づいて解説した本。
2023年のNHKの大河ドラマが「どうする家康」となったことに合わせて、家康の人生の10のターニングポイントを取り上げて解説するという趣向で書かれた(それは著者がすでに家康の人生についての著書を刊行しており、「その二番煎じは許されず」(はじめに)別の切り口が必要だということでもある)ということなのですが、10の章を設けてそのタイトルは確かに家康の人生のターニングポイントとなったできごとだと思うものの、その中身はそのできごとについての説明はわずかでそこに至る経緯の話が多く、要するに家康の生涯を書き続けたものにそういうタイトルをつけた章立てをしたという読後感を持ちました。
徳川家康に関わるできごと、事件についても、現在もなお学者の間でさまざまな新説の提唱とそれに対する反駁の議論が行われているのだと、再認識しました。多くはずいぶんとマニアックな話題についてですが。
家康の生涯の3大危機の1つとして、1585年に家康が人質を出すことを拒んだために秀吉が家康を成敗することを決めたがその直後に畿内で大地震(天正大地震)が起こり秀吉がそれどころではなくなって融和策に切り換えて助かったということが挙げられています。天災が人の未来、国の歴史を変えていくことに、改めて残酷さと無常を感じました。

本多隆成 中公新書 2022年10月25日発行
2023年のNHKの大河ドラマが「どうする家康」となったことに合わせて、家康の人生の10のターニングポイントを取り上げて解説するという趣向で書かれた(それは著者がすでに家康の人生についての著書を刊行しており、「その二番煎じは許されず」(はじめに)別の切り口が必要だということでもある)ということなのですが、10の章を設けてそのタイトルは確かに家康の人生のターニングポイントとなったできごとだと思うものの、その中身はそのできごとについての説明はわずかでそこに至る経緯の話が多く、要するに家康の生涯を書き続けたものにそういうタイトルをつけた章立てをしたという読後感を持ちました。
徳川家康に関わるできごと、事件についても、現在もなお学者の間でさまざまな新説の提唱とそれに対する反駁の議論が行われているのだと、再認識しました。多くはずいぶんとマニアックな話題についてですが。
家康の生涯の3大危機の1つとして、1585年に家康が人質を出すことを拒んだために秀吉が家康を成敗することを決めたがその直後に畿内で大地震(天正大地震)が起こり秀吉がそれどころではなくなって融和策に切り換えて助かったということが挙げられています。天災が人の未来、国の歴史を変えていくことに、改めて残酷さと無常を感じました。

本多隆成 中公新書 2022年10月25日発行