伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年に続き2023年も目標達成!

司書さんもビックリ!図書館にまいこんだこどもの大質問

2023-05-08 23:10:40 | 実用書・ビジネス書
 図書館のレファレンスサービスの事例から編集部がこどもが求めた質問への対応事例をピックアップして紹介した本。
 レファレンス共同データベースでネット上公開されているレファレンス事例を見て感心した制作者がそれを紹介したいということで企画したということが「はじめに」で書かれています。それは一つのアイディア、切り口ではあるものの、そして「書籍化にあたって補足や一部変更を加え、再編集した」(10ページ)とはいうものの、すでに各種のデータベースで公開されている事例を、著作権者の許可を取って並べただけというのは、あまりに安直に思えます。
 タイトルから想定される、ある種意味奇想天外な質問とか、本質を突いた答えにくい質問とかは、多くはなく、司書側が調べるのに工夫がいったということの紹介が多数を占めます(司書がレファレンス事例として紹介しているものですから、当然そういう観点で選ばれるわけです)。むしろ、この図書館で読んだ本だという前提で「ブタがいっぱいでてきて、最後にブタが入院する話の絵本」というリクエストに「わからずじまい」(74~77ページ)というのに驚きました。本を探すという作業が意外に難しいのだなと思いました。
 レファレンスサービスでは「司書は自分の体験談や知識だけで、答えを出してはいけない」とされている(太字で書かれている:222ページ)のに驚きました。えぇっ、じゃあ聞いた瞬間にわかった場合もそのまま即答しちゃいけないの?
 制作者の関心や狙ったところよりも、レファレンスサービスのしごとがなかなかたいへんだなぁということを感じた本でした。


こどもの大質問編集部 青春出版社 2022年12月30日発行
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