色による印象と錯覚を自己アピールとビジネスに利用しましょうとアピールする本。
引っ越し屋の段ボールが最近は白が多用されているのは、軽く感じさせることで労働者の疲労感を軽減し作業効率を上げるためだそうです(16ページ:もっとも著者は研究者でもないコンサルタントということもあり、「を狙った結果とも言われています」という書き方ですが)。なるほど、経営者が労働者を錯覚させてより効果的に働かせることに「心理学」が利用されているということですね。
寿司桶や惣菜のパックに黒が多用されるのも、シャリの明るさや艶を際立たせネタの色味を際立たせて新鮮でおいしそうに見せるため(49ページ)、ミカンは赤いネットに入れることで赤く熟れておいしそうに、オクラは緑のネットに入れることでいつまでも青々と新鮮に見せることができる(51ページ)とか。消費者は易々と事業者の戦略に踊らされるということですね。また、色は面積が大きくなるほど明るく鮮やかに感じやすい(64~65ページ)ので、実物より小さなサンプルで判断すると失敗しやすいそうです。
そういった色彩の心理・錯覚を説明した上で、この本の売りはあなたのバースカラーを診断しますというのですが、これが何と、①氏名(本名)、②旧姓、③生年月日、④出生地、⑤出生時間、⑥性別、⑦血液型、⑧利き手、⑨母親の生年月日、⑩母親の出生地、⑪父親の生年月日、⑫父親の出生地の12項目から算出するというのです(176~178ページ)。「心理学」「物理学」「色彩学」という学問を称した挙げ句に結局は姓名判断か占星術ですか?というような可愛げのある話とも思えず、著者の運営するサイトでこれら12項目を入力するというのですから、個人情報収集が目的のビジネスと見るべきでしょう(その診断が会員登録して料金先払い、それもけっこう高額なので、この強気の設定でビジネスとして成立するのかには興味を持ちますが)。

都外川八恵 総合法令出版 2021年11月24日発行
引っ越し屋の段ボールが最近は白が多用されているのは、軽く感じさせることで労働者の疲労感を軽減し作業効率を上げるためだそうです(16ページ:もっとも著者は研究者でもないコンサルタントということもあり、「を狙った結果とも言われています」という書き方ですが)。なるほど、経営者が労働者を錯覚させてより効果的に働かせることに「心理学」が利用されているということですね。
寿司桶や惣菜のパックに黒が多用されるのも、シャリの明るさや艶を際立たせネタの色味を際立たせて新鮮でおいしそうに見せるため(49ページ)、ミカンは赤いネットに入れることで赤く熟れておいしそうに、オクラは緑のネットに入れることでいつまでも青々と新鮮に見せることができる(51ページ)とか。消費者は易々と事業者の戦略に踊らされるということですね。また、色は面積が大きくなるほど明るく鮮やかに感じやすい(64~65ページ)ので、実物より小さなサンプルで判断すると失敗しやすいそうです。
そういった色彩の心理・錯覚を説明した上で、この本の売りはあなたのバースカラーを診断しますというのですが、これが何と、①氏名(本名)、②旧姓、③生年月日、④出生地、⑤出生時間、⑥性別、⑦血液型、⑧利き手、⑨母親の生年月日、⑩母親の出生地、⑪父親の生年月日、⑫父親の出生地の12項目から算出するというのです(176~178ページ)。「心理学」「物理学」「色彩学」という学問を称した挙げ句に結局は姓名判断か占星術ですか?というような可愛げのある話とも思えず、著者の運営するサイトでこれら12項目を入力するというのですから、個人情報収集が目的のビジネスと見るべきでしょう(その診断が会員登録して料金先払い、それもけっこう高額なので、この強気の設定でビジネスとして成立するのかには興味を持ちますが)。

都外川八恵 総合法令出版 2021年11月24日発行