眠りたい

疲れやすい僕にとって、清潔な眠りは必要不可欠なのです。

ノスタルジア

2007-04-21 | 
陳列された世界が
 ショーケースの中で冷笑している
僕らは半ば絶望的な面持ちで
 諦めにも似た虚像を
ポケットの中のありったけのコインをかき集め

 買おうとしているのは
夢か希望か人の生き死にか

  「ノスタルジア」

たぶんそこが僕の生まれた処
 たぶん始まりの場所で終わるべき帰る場所

  何時かの暑い真夏の午後
少女と迷路にも似た石畳の街の路地を
  彷徨い歩いた
影は キリコの絵の様に 長くのびた

現実から乖離し
 幻想に垣間見る
瞬間
僕とあの子の記憶は
 遠すぎて見失ってしまったんだ

街並みが街頭の灯りで青い音色を唱える夜
地下街はまるでパレードだ
  やがて店のシャッターが時間どうりに下りる

  奇人たちの夜はこれから
ピエロが笑い 大道芸人たちの
口から吐かれる炎 ジャグリング 
  オルゴールの音がそっと
回転木馬がまるで
 地上が定期的な周期で回る様に

  あれほど待ち焦がれ
   夢見た世界は
 遠く遥か彼方
  何処へいってしまったのだろう
 あの気持ちも
少女も 
 一癖も二癖もあった気のおけない仲間達も

 たぶん
おそらく
 「ノスタルジア」に
   帰ってしまったんだね
僕は螺旋階段にしゃがみ込み
 震えながら待っているんだよ
  いまだって

   煙草とワインの空瓶だけが
     増えている
      願いが叶うなら
       いっそのこと



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