眠りたい

疲れやすい僕にとって、清潔な眠りは必要不可欠なのです。

オルゴール

2024-10-14 | 
乱雑するケーブルの線の多さに
 うんざりとした希望
  まるで運命の意図もこの様にこんがらがっているのだろうか?
   あくせくとした中間地点で
    世界を写実した僕は
     ゆっくりと坂道を歩き出した
      青は青のままで
       赤は赤のまんまだった
        良かれと想い
         かけた言葉は全て間違いだらけの答案用紙の様だった
          深夜の信号機が機械的に点滅する

          事象はかけ離れた面持ちで
           意識の分流を介し
          まるで喫煙室の多彩な煙たちの如く
         換気扇に一列になって吸い込まれてしまう
        石畳のこの坂道をてくてくと歩こう
       手を繋ぎ大きく腕を振りながら
      時折の写真撮影にも余念がない
     上りきった石畳の階段の上には
    あまり人気の無いオルゴール店があった
   眼鏡をかけた女性が品の良い笑みを浮かべる
  店の中は沢山のオルゴールが並べられている
 陳列されたそのぜんまい式の機関に
いつまでも飽きることは無かった
 
 オルゴールの音色は素敵だ
  まるで失くした記憶を想い出させる
   君の事を思い浮かべていた
    自転車に乗り
     レモネードを飲んだあの夏の日の君
      僕はビールの空き缶を作りながら
       ぼんやりと縁側で空を眺める
        お土産に手にしたオルゴールのぜんまいを丹念に巻く
         酔いのまどろみの中
          君の声が聴こえたような気がした
        
           僕が好きなもの

          時代遅れのオルゴール

         深夜三時に飲むウィスキー

         エドガー・エンデの画集

          はっか煙草の煙                                     
         
          こわれやすいもの

          君のこころ


          君の声




          


       
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