眠りたい

疲れやすい僕にとって、清潔な眠りは必要不可欠なのです。

トマトジュース

2024-10-08 | 
哀しみを言葉に出来ない
 君がいた昨日
  君が去った今日
   君のいない明日の日の夕暮れ
    背景は饒舌でゴシップに事欠かない
     紅茶に角砂糖を入れ
      其の甘さに辟易した午後
       バーボンでうがいをし
        縁側に於いて喫煙する二時頃
         黄昏を願う描写に怯え暮らす
          毎日は余りにも淡白で
           僕はいつものようにグラスを傾ける

           君がいた午後
            僕はベースを手に
             君の精密な機械的な早弾きの伴奏をした
              君の運指に驚嘆しながら
               ワインの瓶をらっぱ飲みした
                くすくす
                 君は微笑んで
                  メルツのロマンスを弾いた
                   かりっと音を立てて
                    僕はアーモンドを二粒咀嚼した

                    素敵な夢
                   お菓子の国
                  熟した哀しみが腐乱する夕暮れ
                 君がいない明日に怯え
                貴方の名前を嚥下する
     
               下降する偶像
              物言わぬ影
             上昇する気球は
            いつか戯れついたゴシップに引き落とされるのだ
           チェーンスモークした煙草の煙が
          ぷかりと浮かんだ瞬間
         あの記憶を羅列する意識
        たとえ其れが解体されるとしても
       月が昇る頃
      君に会いたい

     嗚呼
    刹那の邂逅を予感させる全ての言葉たち
   色褪せた群集の戸惑いに於いて
  僕は願う
 深夜2時の行方
駅の待合所で
 そっと煙草を吹かすのだ
  お願い
   側にいて
    地団太の孤独は
     決して色褪せること無かった
      赤い血の色
       赤い風船の
        上昇気流に乗った風の行方
         ね
          愛している

          孤独なパレード
           青い月夜に頃合の
            硝子細工のグラスのウイスキーの雫
             哀しみは窓際から訪れる
              決して訪れない明日を待つ君
               僕は忘れない
                忘れられないんだ

                瑣末な事象を皮肉に微笑んだ子供の記憶
                 分別された子供達の
                  想いは砕け散る

                  僕のグラスに零れる
                   君という悔恨の一滴
                    ご覧よ
                     青い月明かりが綺麗だよ
                      君はそんな風に夜を過ごした

                      寒さは幾分和らぐらしい

                      そんな夢を見ていた

                     

                     ね
                    速く起きなさい

                   少女の声が囁く

                  眠りの淵から辿りつた朝日に眩暈がした

                 朝食は
                朝食はスクランブルエッグにする?
               それとも目玉焼きがいい?

              目の前に
             フライパンを持った少女が姿を現す

            嗚呼
           現実の様相だ多分

          ゆで卵が食べたい

         我儘な僕の言葉に少女は不機嫌だ

        それ飲みなさいよね
       トマトジュースは二日酔いに効果てき面だから

      煙草に灯を点け
     大き目のグラスのトマトジュースを一息に飲み干した

    トマトジュースは
   悪い夢には効果てき面だわ

  少女の声が聴こえる

 君のいない夢を見ていた

そんな夢を見ていた




  二日酔いの朝



   酔い覚ましの


    トマトジュース


















コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする