ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

5 ドイツワインの勉強③ 93ページ目 

2011-07-16 22:45:19 | ワインバーでのひととき1~5アイデア集
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良子     マスターがそう勧めてくれるのならいただくわ!

和音     マスター、二人に裸のお尻を!


 マスターは、二人のグラスに、裸のお尻を注いだ。


マスター   さあ、どうぞ!

良子     マスターの勧める通り、ほんとにおいしいわ!

       このワイン名は? 

マスター   モーゼル中流のクレーム村のクレーファー・ナックトアーシュです。

       裸のお尻という畑から産出されたワインなのですよ。

良子     ぶどう畑の名前だったのね?

       どうしてそんな名前がついたのかしら?

マスター   ぶどうが植えられる前の山のこんもりした様子が子供のお尻のように

       見えたからです。

和音     別の説もあるよ!

良子     どんな説?

和音     村のぶどう農民は、修道院に収穫した大部分を年貢として納めていた   

       そうです。 

       年貢の代わりに労役でもよかったようだよ。

       そんなぶどう農民の唯一の楽しみは、修道院が一日だけ、収穫したぶどう

       を農民のものにすることを許したのです。 

良子     興味深い話ね?