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続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

M『大家族』補遺。

2013-12-29 06:23:06 | 美術ノート
 大海原から飛び立つ鳥、明らかに鳥を想起させる形は虚(実体がない)である。

 この鳥が意味するものはノアの箱舟から放たれたはとであり、七日待ってその夕方、くちばしのオリーブの葉を見て、地から水が引いたのを知ったノアに対する神の「産めよ、ふえよ、地に満ちよ」という祝福、即ち、大家族の誕生である。


 しかし、ここでマグリットは、その鳥の形を風景から切り取っている。はとの虚実は永遠に見出せない。ここにマグリットの見解がある。
 肯定と否定を曖昧にし、答えを空に放ったまま深く考え込み、沈思している。

 この大地、大海原、大空の下、人はなぜ生まれ、子々孫々命をつないでいくのだろう。地球という家の『大家族』そして連鎖の根源、始まりはこの放たれたはとに因るものだったのだろうか。

 マグリットにおける命題は、「生と死」であり、生きて在ることの苦悶、原罪にある。

「ポラーノの広場」194。

2013-12-29 06:14:22 | 宮沢賢治
「こんな野原で剣はございません。ナイフでいけませんか。」
 するとデステゥパーゴは安心したやうにしながら
「よし、持ってこい。」と声だけ高く云ひました。


☆夜に現われて見える案(計画)を審/つまびらかにしている。
 辞(ことば)に称(対おウンする)考えで、運/めぐらせている。

『城』1489。

2013-12-29 05:51:25 | カフカ覚書
「もちろんですとも。しかし、しばらくだけわたしに時間をさいてください。ごく簡単な質問だけですから」
「気のりがしませんね」
 Kは、そう言って、ドアのほうへ歩きかけた。

 気のりしない/keine Lust→Kahn Lust/小舟、愉快。
 ドア/Tur→Tour/企み。

☆「もちろんです」と言い、先祖の目下の必要は、あなたと共に専念することです。単に組になって進路に旗を掲げるだけですから、小舟は愉快です。Kはそう言い、計画を実行するつもりでいた。