続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

吉川宏志(私的解釈)少女になり。

2022-04-28 07:12:43 | 吉川宏志

 少女になり母は走っているのだろうかベットの激しき息は続けり

 少女になり母は走っているのだろうかベットの激しき息は続けり(少女成母走居激息続)はショウ・ジョ・ジョウ・ボ・ソウ・キョ・ゲキ・ショクと読んで、称、叙、常、拠、激、測、嘱。
☆称(釣り合うもの)を叙べる常、簿(ノート)は総ての拠(より所)である。
 激しき惻(予想し)嘱(眼をつける)。

 少女になり母は走っているのだろうかベットの激しき息は続けり(少女成母走居激息続)はショウ・ジョ・ジョウ・ボ・ソウ・キョ・ゲキ・ショクと読んで、菖、如、娘、募、装、挙、劇、仄、色。
☆菖(あやめ)の如し。
 娘(若い女性)を募(広く招き集める)装い。
 挙(ふるまい)には劇(はなはだしく)仄かな色(色気)がある。

 少女になり母は走っているのだろうかベットの激しき息は続けり(少女成母走居激息続)はショウ・ジョ・ジョウ・ボ・ソウ・キョ・ゲキ・ショクと読んで、衝、序、畳、模、捜、挙、激、測、続。
☆衝(重要な)序(いとぐち)は畳(重なる)。
 模(ぼんやりしてよく見えない/はっきりしない)が、捜(探し求める)と挙(捕えられる)。
 激しく(一生懸命)測(予想し)続ける。


M『現実の感覚』

2022-04-28 06:33:24 | 美術ノート

   『現実の感覚』

 巨岩石が宙に浮いている、すでに現実の感覚にはあり得ない状況である。二十六日の月の南中はごく薄い彩色かほとんど見えない、要するに真昼間である。
 巨岩石は速度を持たず空中に留まっている、つまり重力がない、無重力空間に位置している。

 現実の物理的条件を外したこの景色を『現実の感覚』と称している。現実とは何であったのか、現に今ある状態のことであり、理性と視覚が一致した時空をいう。
 感覚・・・雰囲気、外界の刺激を感性(五感)をもって捉えることに他ならないが、この景色を現実と受け入れることは難しい。納得できる説明は皆無である。

 否定「これは現実の感覚にはない」という答えに対し、『現実の感覚』を肯定できる情報の積み重ねがない。『現実の感覚』であるという積極的な提示は鑑賞者を惑わす。
 むしろ否定することに拠り、描かれていない『現実の感覚』を呼び覚まし、現実に対する感覚を明確に把握しうる意図を感じる。この作品の前で現実の感覚を再確認する意図の内在こそが答ではないか。

 写真は『マグリット』展・図録より


『飯島晴子』(私的解釈)晩涼の。

2022-04-28 04:48:55 | 飯島晴子

 晩涼のうかつに鳥の彩を眺め

 晩の涼雨、且(一方では)朝は最(この上なく)澄(すんでいる)。

 晩涼のうかつに鳥の彩を眺め(晩涼迂闊鳥彩眺)はバン・リョウ・ウ・カツ・チョウ・サイ・チョウと読んで、播、了、兎、活、跳、災、超。
☆播(種をまき)了(終える)と、兎が活(勢いよく動き)跳ねる。
 災(わざわい)は超(限度を超える)。

 晩涼のうかつに鳥の彩を眺め(晩涼迂闊鳥彩眺)はバン・リョウ・ウ・カツ・チョウ・サイ・チョウと読んで、挽、僚、有、闊、弔、宰、長。
☆挽(人の死を悼む)僚(友達)が有(いる)。
 闊(心が広く)弔いの宰(仕事を引き受ける)、長(おさ)である。

 晩涼のうかつに鳥の彩を眺め(晩涼迂闊鳥彩眺)はバン・リョウ・ウ・カツ・チョウ・サイ・チョウと読んで、番、領、迂、且、眺、再、調。
☆番(代わる代わる行い)領(自分のものとする)迂(とおまわり)、且つ眺め、再(もう一度)調べる。

 晩涼のうかつに鳥の彩を眺め(晩涼迂闊鳥彩眺)はバン・リョウ・ウ・カツ・チョウ・サイ・チョウと読んで、蛮、霊、有、喝、懲、済、超。
☆蛮(未開で荒々しい)霊(たましい)の有(存在)を喝(𠮟り)、懲(過ちを繰り返さないようにこらしめ)済(救うこと)は超(飛びぬけて優れている)。


大森静佳(私的解釈)彫ることは。

2022-04-28 04:16:30 | 大森静佳

 彫ることは感情に手を濡らすこと濡れたまま瞳を四角く切りぬ

 彫ることは感情に手を濡らすこと濡れたまま瞳を四角く切りぬ(彫事感情手濡事濡儘瞳四角切)はコク・ジ・カン・ジョウ・シュ・ジュ・ジ・ジュ。ジン・ドウ・シ・ カク・セツと読んで、古句、似、憾、常、主、樹、需、腎、如何、詞、摂。
☆古句に似るのを憾(残念に思う)常。
 主(創作を成すもの)は樹(打ち立てること)が需(必要)である。
 腎(重要)なのは如何に詞を覚るかを摂(大切にすること)である。

 彫ることは感情に手を濡らすこと濡れたまま瞳を四角く切りぬ(彫事感情手濡事濡儘瞳四角切)はコク・ジ・カン・ジョウ・シュ・ジュ・ジ・ジュ・ジン・ドウ・シ。カク・セツと読んで、克、自、勘、畳、手、需、恃、訊、道、詞、確、接。
☆克(力を尽くして打ち克つ)自(わたくし)は勘(考えて)畳(重ねる)手(方法)を需(求めること)を恃(頼りにして)受けとめる。
 訊(問いただす)道は、詞(言葉)を確かめてから接(つなぐ)。

 彫ることは感情に手を濡らすこと濡れたまま瞳を四角く切りぬ(彫事感情手濡事濡儘瞳四角切)はコク・ジ・カン・ジョウ・シュ・ジュ・ジ・ジュ・ジン・ドウ・シ・カク・セツと読んで、彫、事、貫、定、趣、需、寿、、尽、然く、切。
☆彫る事を貫き定(心を集中する)。
 趣(心が向かうところ/目標)を需(必要)とし、寿(命)を尽くして動(仕事をしている)。


M「ピレネーの城』

2022-04-27 07:14:17 | 美術ノート

   『ピレネーの城』

 古生代から中生代の地層、隆起や褶曲によってできたピレネー山脈。古代の地層の岩石、古の人の記録にない世界である。その岩石が突如海上、天空に現出するなどありえず、地上からうかがい知ることの不可能な世界があったのだと仮想する。

 絶対にあり得ないと断定してしまえば消える話である。しかしこの岩は正面からの視点である。水平線を越えた視点にあるということは、すなわち浮遊そのものであり、衆目の遥か上に在るということである。

 物理界での絶対の否定は二次元(絵画)の上では可能である。
 しかし、もしこれが単なる戯画ではなく、未来における現実だという可能性も否定できない。ピレネーは古の岩石などと言う小さな話ではなく、この岩石そのものが、滅びていった地球の破片、名残りの風景かもしれない。

 わたし達が信じ、絶対を確信する所以はどこにある?
 空中にある物はすべて落下する、という法則が通用しない時空の巡り合わせは恐怖であるが、恐怖という言葉すらも消えた世界を静観した俯瞰の図である。

 写真は『マグリット』展・図録より


『飯島晴子』(私的解釈)山国の。

2022-04-27 06:46:07 | 飯島晴子

   山国の蛾の白壁を汝は云ふ

 山国の蛾の白壁を汝は云ふ(山国蛾白壁汝云)はサン、コク・ガ・ハク・ヘキ・ジュ・ウンよ読んで、三、告、我、吐く、闢、抒、運。
☆三つを告げると我(わたくし)は吐く。
 闢(ひらいて)抒(解く)運(めぐりあわせ)がある。

 山国の蛾の白壁を汝は云ふ(山国蛾白壁汝云)はサン・コク・ガ・ハク・ヘキ・ジュ・ウンと読んで、参、古句、雅、博、璧、如、薀。
☆参(比べ合わせる)古句の雅(風流)は博(大きく広がっている)璧(立派なもの)の如し。
 薀(奥義)である。

 山国の蛾の白壁を汝は云ふ(山国蛾白壁汝云)はセン・コク・ガ・ハク・ヘキ・ジュ・ウンと読んで、戦、酷、餓、迫、辟、除、云。
☆戦(戦争)は酷(むごい)。
 餓(食べ物が足りなくて生命を維持できなくなる)は迫(苦しめる)。
 辟(さけて)除(取り去る)ように云う。


大森静佳(私的解釈)確かめてから。

2022-04-27 06:10:01 | 大森静佳

 確かめてから会いにゆく モナリザの背後の水の光らないこと

 確かめてから会いにゆく モナリザの背後の水の光らないこと(確会行背後水光事)はカク・カイ・コウ・ハイ・ゴ・スイ・コウ・ズと読んで、覚、絵、光、拝、吾粋、恍、図。
☆覚(目が覚めるような)絵の光(かがやき)。
 拝(敬意を表してお辞儀をする)吾(わたし)、粋(優れており)恍(うっとりするような)図(作品)である。

 確かめてから会いにゆく モナリザの背後の水の光らないこと(確会行背後水光事)はカク・カイ・コウ・ハイ・コウ・スイ・コウ・ジと読んで、確、解、稿、配、語、興、遂、効、字。
☆確(たしかめて)解(部分部分に分ける)。
 稿(下書き)で配(取り合わせる)語(言葉)を、興(おこすこと)を遂(やりとげる)。
 効(ききめのある)字がある。

 確かめてから会いにゆく モナリザの背後の水の光らないこと(確会行背後水光事)はカク・カイ・コウ・ハイ・ゴ・スイ・コウ・ジと読んで、佳句、皆、光、輩、講、邃、厚、示。
☆佳句は皆(すべて)光(輝く)。
 輩(仲間)の講(話)は邃(奥深く)厚(あつみがあること)を示す。(教える)


M『ガラスの鍵』

2022-04-26 06:41:56 | 美術ノート

   『ガラスの鍵』

 草木も生えないあ標高の尾根に巨岩石が乗っている。どこから落下してきたのだろう。地上に重力の通用しない領域はない。
 浮上、あるいは岩石が尾根の稜線に育つなどと言うことはあり得ない。非現実、空想の域である。

 物理的に叶わないことも精神界では許容される、自由であり解放区と呼んでもいいかもしれない。その接線を解く鍵は見えないし、瞬時、打ち消されるに違いない。
 神がかり的な設定はあくまで個人的なものであり、共有はない。しかし、それを作品として提示することで共感は得られる。
 分かり得たもの同士の約束、結びつきは世界に対する慟哭にも似た叫び、高揚感である。この峡谷から見上げた恐怖は、死や終末をも呼び起こし正常さを失う激震に襲われる。
 しかし、作品は二次元の創作に過ぎず手の中にある。鑑賞は非現実に対し鷹揚に受け入れられる。
 神がかり的な世界は絵空事であり、それを身に引き受けるか否かは自由である。神への信奉、この隔たりにある時空を解く鍵の有無は見えない。

 写真は『マグリット』展・図録より


『飯島晴子』(私的解釈)かくまはれ。

2022-04-26 05:34:34 | 飯島晴子

   かくまはれ鮎をくはされゐたりけり

 かくまはれ鮎をくはされゐたりけり(匿鮎食居)はトク・ネン・ジキ・キョと読んで、篤、然、自棄、嘘。
☆篤(重い病気)の然(状態)に自棄になり嘘(嘆いている)。

 かくまはれ鮎をくはされゐたりけり(匿鮎食居)はトク・ネン・ショク・キョと読んで、解く、粘、続、寄与。
☆解く(答えを出す)には粘って続けることが寄与(役に立つ)。

 かくまはれ鮎をくはされゐたりけり(匿鮎食居)はトク・ネン・ジキ・キョと読んで、匿、念、自記、挙。
☆匿す念(考え)の自記を挙(企てる)。


吉川宏志(私的解釈)病室の。

2022-04-26 04:44:33 | 吉川宏志

 病室の高さに行きて双石山をともに見ており

 病室の高さに行きて双石山をともに見ており(病室高行双石山共見居)はビョウ・シツ・コウ・コウ・ソウ・シャク・サン・キョウ・ゲン・キョと読んで、秒、執、恒、更、草、釈、三、胸、現、拠。
☆秒(きわめて小さな)執(こだわり)がある。
 恒に、更(新しくなる)草(下書き)の釈(意味を解き明かす)。
 三つの胸(心の中)が現れる拠(より所)がある。

 病室の高さに行きて双石山をともに見ており(病室高行双石山共見居)はビョウ・シツ・コウ・コウ・ソウ・シャク・サン・キョウ・ゲン・キョと読んで、病、悉、惶、構、相、癪、酸、怯、厳、嘘。
☆病には悉(ことごとく)惶(畏れておどおど)と構える相(有様)がある。
 癪(腹が立ち)酸(辛く)怯(おびえ)、厳(激しく)嘘(嘆く)。

 病室の高さに行きて双石山をともに見ており(病室高行双石山共見居)はビョウ・シツ・コウ・コウ・ソウ・シャク・サン・キョウ・ゲン・キョと読んで、平、質、考、講、総、尺、宣、協、現、挙。
☆平(偏らない)質(内容)の考えである。
 講(はなし)の総ては尺(短い)と宣べる。
 協(力を合わせると)現れる挙(企て)がある。