続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

『飯島晴子』(私的解釈)葱の葉に。

2021-10-31 07:26:16 | 飯島晴子

   葱の葉に行きてもどらぬ人ありぬ

 葱の葉はソウ・ヨウと読んで、層、様。
 行きてもどらぬ(行戻)はコウ・レイと読んで、考、例。
 人ありぬ(人有)はジン・ユウと読んで、尽、誘。
☆層(幾重にも重なる)様の考えは、例(たとえること)の尽(すべて)を誘(引き起こす)。

 葱の葉はソウ・ヨウと読んで、窓、陽。
 行きてもどらぬ(行戻)はギョウ・レイと読んで、仰、麗。
 人ありぬ(人有)はジン・ユウと読んで、尽、融。
☆窓の陽(日の光)を仰(見あげると)、麗(うるわしく)尽(ことごとく)融(心が和む)。

 葱の葉はソウ・アンと読んで、層、案。
 行きてもどらぬ(行戻)はギョウ・レイと読んで、業、励。
 人ありぬ(人有)はニン・ウと読んで、任、迂。
☆層(幾重にも重なる)案(考え)の業(努力してする仕事)に励んでいる。
 任(委ねる)のは迂(遠回り)である。

 葱の葉はソウ・ヨウと読んで、葬、容。
 行きてもどらぬ(行戻)はコウ・レイと読んで、厚、礼。
 人ありぬ(人有)はジン・ユウと読んで、尽、憂。
☆葬(死者をほうむり)容(収める)。
 厚(てあつく)し、礼(敬意を払う)。
 尽(すべて無くなる)憂(悲しみ)がある。


『飯島晴子』(私的解釈)冬の百合。

2021-10-30 06:38:07 | 飯島晴子

   冬の百合われら肥満して進む

 冬の百合はトウ・ヒャク・ゴウと読んで、套、秘鑰、劫。
 われら(我等)はガ・トウと読んで、我、問う。
 肥満して進むはヒ・マン・シンと読んで、秘、漫、進。
☆套(おおう)秘鑰(秘密を解明する鍵)、劫(きわめて長い時間)我(わたくし)は問い、秘(人に見せないように隠し)漫(気まま)に進めている。

 冬の百合はトウ・ヒャク・ゴウと読んで、蕩、非役、傲。
 われら(我等)はガ・トウと読んで、俄、投。
 肥満して進むはヒ・マン・シンと読んで、避、瞞、辛。
☆蕩(だらしないので)非役(役を辞めさせられた)。
 傲(偉そうにしていて)俄かに投(やめる)と、避けられるので欺(実情を隠す)のは辛い。

 冬の百合はトウ・ヒヤク・ゴウと読んで、党、飛躍、豪。
 われら(我等)はガ・トウと読んで、賀、闘。
 肥満して進むはヒ・マン・シンと読んで。彼、慢、心。
☆党(仲間)の飛躍、豪(才知や力が優れていること)を賀(喜ぶ)。
 しかし、闘(優劣を競う)彼の慢心(おごり高ぶり)がある。


秋である。

2021-10-29 07:31:40 | 日常

 秋である、悲しいまでに秋である。
 膝痛のためにびっこを引き歩いており、とても長くは歩けない。日常はリハビリと心得て、階段の上り下り家事全般を無理を承知で頑張っている。がんばりすぎた日は悲鳴を上げて悲しんでいる。

 仕方ないね、もうダメかも…悲しい未来が過る。サークルへはとりあえず出かけてみんなの元気を頂いている。
「わたし、薬は毎日16錠」
「あら、わたしなんか20錠」
「わたし、痩せたわ、60キロあったのに、今は35キロを切ったの」
「・・・」

 それぞれの会話は物悲しいけど、明るく笑い飛ばしている。35年続くサークル、そりゃあ年も取り、不具合も出る。
「誰それさん、亡くなったって」
「淋しいね」

 秋は色濃く、寂しい。


『飯島晴子』(私的解釈)少年の。

2021-10-29 07:12:17 | 飯島晴子

   少年の川にまつはる冬雲雀

 少年はショウ・ネンと読んで、匠、粘。
 川にまつはる(川待春)はセン・タイ・シュンと読んで、専、対、竣。
 冬雲雀はトウ・ウン・ジャクと読んで、到、薀、若。
☆匠(たくみ)の粘りで専(ひたすら)対(向かい合って)竣(出来上がる)。
 到(いたり尽くす)のは、薀(奥義)の若(ごとし)。

 少年はショウ・ネンと読んで、章、捻。
 川にまつはる(川待春)はセン・タイ・シュンと読んで、専、替、悛。
 冬雲雀はトウ・ウン・ジャクと読んで、問う、運、若。
☆章(文章)を捻り、専(ひたすら)替(入れかえる)。
 悛(過ちを正し)問う、運(めぐり合わせる)若(ごとし)。

 少年はショウ・ネンと読んで、止揚、念。
 川にまつはる(川待春)はセン・タイ・シュンと読んで、宣、対、峻。
 冬雲雀はトウ・ウン・ジャクと読んで、統、云、若。
☆止揚(アウフヘーベン)の念(考え)を宣(述べる)。
 対(向かい合うもの)を峻(厳しく)統(一すじにまとめる)若(ごとし)。


M「『嵐の装い』4.

2021-10-29 06:51:49 | 美術ノート

   『嵐の装い』

 難破船(多くの死者)を迎える冥府での装い(礼服)。
 ここに感情はない、ただ空漠とした光景に鑑賞者はそれぞれの想いを募らせる。作家(マグリット)の眼差しは二つにつないだ世界をさらに遠くの視点から客観視している。作家は難破船(現世)の側の存在者だが、来世、亡くなった母親(死者)の視線に寄り添っている。

 生きることは辛苦の渦中、難破船の宿命に酷似している。あの難破船の中にわたし(マグリット)はいる、と。暗い海に光はないが、母がいるであろう来世にはきっと光が射しており、その礼装は、無限に広がる世界(慈愛)を刻んだものに違いない。

 マグリットは自分(難破船)を見つめ、苦笑しているかもしれない。

 写真は『マグリット』展・図録より


『水仙月の四日』37。

2021-10-29 06:33:47 | 宮沢賢治

峠の雪の中に、赤い毛布をかぶつたさつきの子が、風にかこまれて、もう足を雪から抜けなくなつてよろよろ倒れ、雪に手をついて、起きあがらうとして泣いてゐたのです。

 峠は、現世と来世の境目(境界)。
 赤い毛布は、赤はシャクと読んで釈(意味を解き明かす、事情を説明する)毛布はモウ・フと読んで、亡、訃。
 倒れはトウと読んで、禱。
 起きあがる(起上)はキ・ショウと読んで、鬼、生。
 泣くはキュウと読んで、救。
☆生死の境界で死の知らせを受けた子(死者)が、風(教え)をうけて、もう悪いことを死界に取られ、すがるように禱(祈り)、鬼(死者)に生まれ変わろうとすることに救いを求めていたのです。


『飯島晴子』(私的解釈)星の冬。

2021-10-28 07:22:19 | 飯島晴子

   星の冬肉屋に白い鯉およぎ

 星の冬はショウ・トウと読んで、商、蕩。
 肉屋はニク・オクと読んで、難、憶。
 白い鯉およぎ(白鯉泳)はハク・リ・エイと読んで、薄、利、営。
☆商いは蕩(だらしない)と難(むずかしい)と憶う。
 薄利で営むのだから。

 星の冬はショウ・トウと読んで、障、套。
 肉屋はニク・オクと読んで、難、臆。
 白い鯉およぎ(白鯉泳)はハク・リ・エイと読んで、白、裏、詠。
☆障(さえぎり)套(おおう)難しさ、臆(心の奥)を白(告げるべく)裏(胸の内)を詠(よんでいる)。

 星の冬はセイ・トウと読んで、凄、闘。
 肉屋はニク・オクと読んで、憎、億。
 白い鯉およぎ(白鯉泳)はハク・リ・エイと読んで、迫、離、影。
☆凄まじい闘いを憎む。
 億(多くの人)を迫(苦しめ)離(人と人とが関係を絶つ)影(すがた)がある。


M『嵐の装い』3.

2021-10-28 07:04:35 | 美術ノート

 右側の仕切りの影、つまり光源はこの仕切りのずっと向こうにあり、この仕切りは持続するものではない。 この作品の設定自体が心理的なものであり、暗い海と難破船の奥まった空間のリアルは現世(現実)、前方のフラットな地表や切り紙細工の人型の空間は仮想(非現実/来世)である。
 二つの空間は接続しているが、その距離は計り知れない。 

 この絵は鑑賞者の自由な感想にゆだねる作品であり、マグリットの真意を推しはかることを拒絶している。 (すべての作品における条件かもしれない)
 この作品の手前にあるマグリットの眼差しは、作品の水平線上にある。

 写真は『マグリット』展・図録より


『水仙月の四日』36。

2021-10-28 06:23:41 | 宮沢賢治

 そんなはげしい風や雪の声の間からすきとほるやうな鳴き声がちらつとまた聞えて来ました。雪童子はまつすぐにそつちへかけていきました。雪婆んごのふりみだした髪がその顔に気みわるくさはりました。

 雪婆んごは、遠くへ出かけて、西の山脈の、ちぢれたぎらぎらの雲を越えて、遠くへでかけてゐたのです。(略)雪婆んごがやつてきたのです。(略)雪婆んごがやつて来ました。(略)雪婆んごは、また向ふへ飛んで行きました。(略)雪婆んごはも一度、南から北へまつすぐに馳せながら云ひました。「あたしはこれからまた海の方へ行くからね。」
 雪婆んごは月の化身であり、《死神》ではないか。海の方へ行く。海はカイと読んで晦(晦日)。四日は朔日から数えて四日目の月(三日月、おわん型の月)

 雪婆んごのふりみだした髪・・・。
 ふりみだした(振乱)はシン・ランと読んで、親鸞を暗示し「善人なおもて往生を遂ぐ、いわんや悪人をや」を感じる。
 気みわるく/feel uneasy → unearthly/神秘的な
 脈絡ではなく、何気(曖昧)に潜ませている。もちろん言葉通りの読み方で、その通りなのですが、不思議な余韻を感じ読んでいます(悪しからず)。


『飯島晴子』(私的解釈)茄子の木を。

2021-10-27 07:22:09 | 飯島晴子

   茄子の木を焚いて埃を共にせり

 茄子はカ・シと読んで、化、詞。
 木を焚いてはモク・フンと読んで、黙、紛。
 埃を共にはアイ・キュウと読んで、相、究。
☆化(形、性質を変えて別のものになる)詞(言葉)を黙っている。
 紛(入り混じって区別がつかなくなるもの)を相(互い)に究(突き詰める)。

 茄子はカ・シと読んで、果、至。
 木を焚いてはモク・ブンと読んで、目、文。
 埃を共にはアイ・キュウと読んで、挨、糾。
☆果(思い切ってやると)至(行き着く)目(ねらい)の文がある。
 挨(おして)糾(一つにまとめる/より合わせる)。

 茄子はカ・シと読んで、苛、死。
 木を焚いてはボク・フンと読んで、撲、憤。
 埃を共にはアイ・キョウと読んで、哀、胸。
☆苛(むごい)死、撲(叩く、打つ)に憤(いきどおる)。
 哀(かわいそうに思う)胸(心の中)である。

※木を焚いてはモク・フンと読んで、目、扮。
 埃を共にはアイ・キョウと読んで、愛、嬌。
☆茄子に目を扮(装う)と、愛嬌がある。