続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

たまさかの・・・。

2010-11-30 06:50:17 | 日常
 日経新聞の歌壇、穂村弘選/下妻の神郡貢さんの歌。

 たまさかの風邪の床にて妻の動きつぶさに見れば以外にも雑

 あらゆることをごくスムーズに成し遂げる賢い奥様、なかなかの者だと常々信服していた夫である神郡貢さん。
 ところが、要領よく端折っている日常を垣間見て、(なんだ、案外・・・元気なんだな。)
 アハハハ・・・温かくも可笑しみのある歌。
 目線の位置を変えると違う日常の風景に遭遇、ということもあるのかもしれない。

 そして、逆に神郡家の静謐な塵一つないようなたたずまいが喚起され、むしろ憧れの気持ち!

 いいなぁ、そういう家庭。
 大雑把過ぎて、自分をもゴミ袋に入れたくなるわたしの日常、どこから見ても『雑!』

Re『武蔵野』125。

2010-11-30 06:28:44 | 国木田独歩
されば路という路、右にめぐり左に転じ、林を貫き、野を横ぎり、真直なること鉄道線路の如きかと思えば、東よりすすみて又東にかえるような迂回の路もあり、

 路道右左転林貫野横真直鉄道線路如思東又東迂回路

☆露われる字は、幽《死者の世界》を、査/あきらかにし、展/ひろげる。
 燐《鬼火、死者の魂)は、観/よく見ると、八/多く、奥の心の自記である。
 迭/他のものと変え、動かすと、遷/うつりかわり、露われる自余(それ以外)の詞(ことば)に到る。
 幽(死者の世界)を套う宇(広がり、大きな屋根で覆われたような世界)が開け、露われる。

『城』310。

2010-11-30 06:09:14 | カフカ覚書
Kは、道がどんなに悪かろうと、帰路のことがどんなに心配になろうと、けっして歩きつづけることをやめまいとこころに誓った。

 道/weges・・・方法。
 帰路/Ruckweg→Ruck weg/押し進めた方法。

☆Kは、方法がどんなに困難であろうと、押し進めた方法がどんなに心配になろうと、けっして前進することをやめまいとこころに誓った。

晩秋の早朝。

2010-11-29 06:25:58 | 日常
 寒くなってきた昨今、晩秋の朝にはそれなりの楽しみがある。
 朝五時は初夏のころとは違ってまだ暗く、夜の続きという感じさえする。
 
 深い夜の底が刻々溶けていく、そんな時間帯。ゴミ集積場までの少しの距離を歩く。仰げば雲間からの星が光っている。
《あの光るのは、もしかして火星?》
 大きくて地球に近づいているらしいのがよく分かる。
 
 散歩の人がぽつりぽつりと歩いていく。息が白いというほどの寒さではないけれど、それでも気合を入れないとちょっと躊躇いがちな朝の暗さと寒さ。
「おはよう」
「おはようございます」
 静かな路地に遠慮がちな挨拶が交わされる、晩秋の早朝。

Re『武蔵野』124。

2010-11-29 05:58:37 | 国木田独歩
野原の径を歩みてはかかるいみじき想も起るならんが、武蔵野の路はこれとは異り、相逢わんとて往くとても逢いそこね、相避けんとて歩むも林の回り角で突然出逢う事があろう。

 野原径歩想起武蔵野路異相逢往逢相避歩林回過度突然出逢事

☆八(たくさん)の言(言葉)を廻し部け、草(下書き)を記(書き記す)。
 無の像(すがた)が八(たくさん)露われる。
 奥のほうから層になった秘(奥深くて計り知れないもの)の怖(おそれ)が、輪(順番にまわる)になった界(ある範囲のうち)を書く。
 訥/口が重いので 、漸/少しずつ進み、遂/やりとげる、法(やり方)の辞(文章)である。

『城』309。

2010-11-29 05:42:20 | カフカ覚書
道について言えば、歩いている往来の状態から判断して、まだ脇道へはまがっていないということだけしかわからなかった。

 道/Weg・・・方法、手段。
 wusste→West/荒地。
 道/Strasse→/口論、言い争い。
 
☆手段の荒地の状態から判断してまだ、(水を)注がれて以来、先祖は土地の人ではなかった。

(文法をはずし、擬似音を捜し、他の意味を浮上させている。違っている点も多々あると思うけれど、全体から推して、カフカのポリシー、秘めた決意、新たな展望が見えてくるはずだと踏んでいる。『宿題を解いてやろうとする者がない』『お前はその文字を習うことから始めてもいい』etc・・・カフカは真意を見抜いてくれと吐露している)

時間割り。

2010-11-28 07:53:50 | 日常
 学校時代には時間割りというものがあった。でも、今は自由気ままな生活。
 それだけに楽なほうへと流され、気づいたときには《一体、何だったのだろう》と呆然とする。

《そういうものだ》と割り切れば、問題はない。

 時間割りから開放された老の身・・・なのに、無いものねだり。
 鐘、あるいはブザーが鳴りストップが掛かる「ハイ、ここまで」の合図。

 とりとめもない日常には、とりとめのない結果しか付いてこない。二年前に描きかけた油絵、植物画のスケッチ帳は某日で止まっている。読もうとした本もそのまま・・・。

 一時間目は裁縫、二時間目は読書、三時間目はスケッチ・・・こんな風に過ごせたらいいなと思う。
 好きなこと(人には言えないけど、カフカなどの裏読み、真髄探し・・・)だけしかしない。
 これで自分の人生はいいのだろうかと、時々ため息をついている。

Re『武蔵野』123。

2010-11-28 07:38:10 | 国木田独歩
逍遥しつらん相悪む人は相避けて異なる道をへだたり往き相愛する人は相合して同じ道を手に手とりつつかへりつらん」との一節があった。

 逍遥相悪人相避異道往相愛人相合同道手手一節

☆消す要の草(下書き)に於いて図る想(考え、イメージ、構想)の秘(人に分からないように隠す)。
 意(心、思い)の動き、奥(奥深いところ)を捜す目。
 図る想いの業(どうにもならない心の動き)、道を問う。
 主の趣(志すところ)が、逸/隠れている説(はなし)である。

『城』308。

2010-11-28 07:06:04 | カフカ覚書
 彼は、さらにしっかりとバルナバスにしがみついた。ほとんどバルナバスに引っぱられていると言ってよかった。沈黙は依然としてやぶられなかった。

 しっかりと/fester→feste/天空。
 しがみついた/Erhing→Erhitzung/興奮、熱狂。
 沈黙/Schweigen→schwang(schwingen)/(響きの)余韻が残る。
 (~になる)wurd→wurd/尊厳。

☆彼は、天空の先祖の興奮した。
 ほとんどバルナバスを引っぱっていると言ってよかった。
 余韻は尊厳を遮断しなかった。

あっという間。

2010-11-27 09:51:22 | 日常
 火曜日に「これから行くから」と電話を受けてから、土曜日の今朝まで・・・あっという間も有らばこそ・・・という感じ。
 つくづく子供のいる家庭というものは忙しいということを思い知らされる。
 
 わたしはどうしていたんだろう?
 仕事第一・・・時は金なりの生活、今考えると悲しい。内職では保育所に預けるなんて贅沢は考えられなかったし、実母は病勝ち、とても手を借りるという状況ではなかった。
 仕上げた仕事を横浜の会社に持っていく・・・子供を負ぶう体力もないほど疲れ果てていたわたし。近所の顔見知りの小学生に上がってもらい「泣いても構わないから、この部屋にいて頂戴」と言い残して、会社へ直行。

 何であんな無謀なことが出来たのだろう。

 いま少しでも息子夫婦の手助けになることが嬉しい。
 償うような気持ちで見ている。

 あっいう間の人生に償いの時を持てたことが慰めになっている。