6月20日に改正された建築基準法。運用までの期間が短く、周知努力を業界だけに任せっきりにしているため混乱が続いているようです。今日配信されてきたken-platzのニュースによると、今回の改正に伴い、確認申請時点で実施設計まで終了していないと対応が難しくなっている。申請時に使用を決めた材料の情報を明示しなければならなくなったが、確実に使用するという約束がないかぎりメーカーから情報などがもらえない現状があるとのことなのです。~ken-platzのニュースへ~
確かに今までは確認申請時点では施工工事業者も決まっていないことが普通にありました。設計終了、確認申請提出。確認が下りてくる間に建築主さんの予算の都合も考え、数社から工事見積もりをとり、予算を合わせる為に仕様変更(キッチンのグレードを落とす等)などの調整をして工事契約。契約の頃には確認申請が大体下りてきているはずなので、すぐに着工という段取りでした。これが時間ロスもなく比較的スムーズに事が進む長年の流れでした。
この流れでいくと確認申請時には確実には使用する建材やキッチン等の設備が決まっていなくても良かったことになります。ですからメーカーのしばりがなく、時間をかけて良い材料、設備をいろいろなメーカーから選べる状況ではありました。
しかし、改正後はこの流れは難しくなっています。確認申請前には全ての事柄が決まっていなければなりません。それを換える場合、軽微なもの以外は、また計画変更申請の手続きが必要になってきます。それが認められるまで工事は中断。工事中断期間分、例えば建築主さんが仮住まいなどしているのなら、そちらの費用が余計にかかったりするわけです。
基本的には確認申請以後、工事内容に変更がないようにしろ、というのが今回の改正にはあるようです。ただ、そのために建築主さんにとって、より良いものを得られるチャンス、より安いものを得られるチャンスなどを失わせているかもしれません。
実は私も同じように情報が集まりにくくて、ちょっと困っています。具体的には使用する建材のシックハウス関係の認定書を集めなければならない状況なのですが、まず元請けの工務店さんへ改正によりこのような資料が必要なので集めておいてと説明。→この時点で元請けさんの担当者もそこまで全てを決めて、そのための書類が必要なのかと疑問をもつ。→メーカーにとりあえず書類を依頼。(但し疑問をもっているので、全てでなく取りやすいものだけ)→メーカーは書類を出し渋る(本当に使ってもらえるのか不安。ましてやいままではそんな書類を出したことがない。)→全ての情報が集まらない。加えて、どこどこではそんな書類がなくても確認が通ったとかいう話しまで飛び出してきて、法を守ろうとお願いしているこちらの信用がなくなってきたりしているのです。
全ては今回の改正の内容が知れ渡っていないことから問題が発生してきていると思います。窓口にまで行かないと方針がわからなかったりするのですから。(審査する側もお国の方針に右往左往しているようです。)このような状況が続くと建築主、設計者、工事施工者、建材などのメーカー、確認する行政等の間に溝が生まれかねないのではないでしょうか。姉歯事件以来、信用を失った建築行政、建築関連業界は信頼を取りもどす為にも情報を共有し、一丸となって事にあたらなければならないと思います。
まずは、建物を建てたいとお考えの建築主さんに、この状況を知って貰いましょう。~国土交通省から建築主の皆様へのお知らせページへ~
確かに今までは確認申請時点では施工工事業者も決まっていないことが普通にありました。設計終了、確認申請提出。確認が下りてくる間に建築主さんの予算の都合も考え、数社から工事見積もりをとり、予算を合わせる為に仕様変更(キッチンのグレードを落とす等)などの調整をして工事契約。契約の頃には確認申請が大体下りてきているはずなので、すぐに着工という段取りでした。これが時間ロスもなく比較的スムーズに事が進む長年の流れでした。
この流れでいくと確認申請時には確実には使用する建材やキッチン等の設備が決まっていなくても良かったことになります。ですからメーカーのしばりがなく、時間をかけて良い材料、設備をいろいろなメーカーから選べる状況ではありました。
しかし、改正後はこの流れは難しくなっています。確認申請前には全ての事柄が決まっていなければなりません。それを換える場合、軽微なもの以外は、また計画変更申請の手続きが必要になってきます。それが認められるまで工事は中断。工事中断期間分、例えば建築主さんが仮住まいなどしているのなら、そちらの費用が余計にかかったりするわけです。
基本的には確認申請以後、工事内容に変更がないようにしろ、というのが今回の改正にはあるようです。ただ、そのために建築主さんにとって、より良いものを得られるチャンス、より安いものを得られるチャンスなどを失わせているかもしれません。
実は私も同じように情報が集まりにくくて、ちょっと困っています。具体的には使用する建材のシックハウス関係の認定書を集めなければならない状況なのですが、まず元請けの工務店さんへ改正によりこのような資料が必要なので集めておいてと説明。→この時点で元請けさんの担当者もそこまで全てを決めて、そのための書類が必要なのかと疑問をもつ。→メーカーにとりあえず書類を依頼。(但し疑問をもっているので、全てでなく取りやすいものだけ)→メーカーは書類を出し渋る(本当に使ってもらえるのか不安。ましてやいままではそんな書類を出したことがない。)→全ての情報が集まらない。加えて、どこどこではそんな書類がなくても確認が通ったとかいう話しまで飛び出してきて、法を守ろうとお願いしているこちらの信用がなくなってきたりしているのです。
全ては今回の改正の内容が知れ渡っていないことから問題が発生してきていると思います。窓口にまで行かないと方針がわからなかったりするのですから。(審査する側もお国の方針に右往左往しているようです。)このような状況が続くと建築主、設計者、工事施工者、建材などのメーカー、確認する行政等の間に溝が生まれかねないのではないでしょうか。姉歯事件以来、信用を失った建築行政、建築関連業界は信頼を取りもどす為にも情報を共有し、一丸となって事にあたらなければならないと思います。
まずは、建物を建てたいとお考えの建築主さんに、この状況を知って貰いましょう。~国土交通省から建築主の皆様へのお知らせページへ~