空間設計堂blog(ブログ)

新潟県上越市大潟区の建築設計事務所のブログです。

本を買わなくなったなぁ

2024-07-25 09:58:46 | 趣味その他

本を買わなくなってしまった。特に建築関係の本。

私の収入が少ないせいというのは大きな理由であるけれど、読みたいと思う建築関連の本が少なくなってきた...というのもある。

(実務ばかり追っていく生活の中で、建築に夢見る向上心が私の中で減衰しているからでしょうけど。)

 

そんな折、平凡社が‘住まい学エッセンス’というシリーズの刊行を始めると聞きました。

これは 1987年から2014年まで 積水ハウス「住まいの図書館出版局」から刊行されていた‘住まい学大系’から名著を再刊するという企画らしい。

これを聞いて、我が家にそのシリーズは何冊あったかなぁ...と思って数えてみました。(住まい学大系は103までナンバリングされている刊行本があります。ナンバリングされていないイレギュラーもあったかな?)

15冊ありました。けれども、確か、‘吉阪隆正の方法 浦邸1956’も買って読んだはず。そういえば、読んですぐに前職場の後輩に貸してそのまま帰ってきていないというのを思い出しました。

今、このシリーズの本を買おうとすると中古しかなく、それも品切れかあっても高額古書なのです。

写真の中にある室伏次郎さんの‘埋め込まれた建築’は後から読みたくなって買おうと探して、やっとどこかの図書館からの廃棄本扱い品を古本屋で手に入れた次第。

 

‘住まい学エッセンス’は住まい学大系以外の建築の名著の再刊、書き下ろしの新作も企画していくそうなので、ちょっと気にしていきたいと考えています。

読みたそうな本が出たら、買って読めるかな?最近は紙の本の値段が高くなっているから、悩むなぁ。

(今回住まい学エッセンスで刊行される‘中野本町の家’は税込み3300円。私が住まい学大系で買った時は新刊で税抜き2300円でした。税が面倒だけど大体800円位高くなっている。まだ、以前よりは高くはなっているけど文庫本化してもらった方がもっと買えそうなのだけど。‘空間 機能から様相へ’が岩波の現代文庫で出た時は買いました。)

まずは、最寄りの図書館に買ってもらうしかないのかな。いや、なんとか本を考えないでも買えるくらいの収入を得るべきなのだろうなぁ...。

 

 

 

 

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3年毎の定期講習

2024-06-20 11:11:43 | 建築関係

建築士の3年毎の定期講習。これは義務づけられているので建築士の資格で業務をしている者はこの講習を受けないといけません。

今まで地域で会場を設けて行われる講習会に参加していたのですが、昨年あたりからネット講習がされるようになったらしく、今年講習を受けないといけない私もネットにて講習する方式で受講することとしました。

1日会場に缶詰にされて行われる講習でなく、自分の都合の良い時に講習動画を見て学べば良いので大変楽でした。

 

ただ、この建築士の定期講習は最後に修了考査(テスト)を受けて一定以上の点を取らないと受講終了になりません。

その修了考査もネットにて行われます。これはパソコンのカメラを通じて監視されながらの考査となり、予約して決められた日程時間にて1時間の考査です。

実は先ほどまでその考査を受けていました。

なかなか難しかった。以前はそんなことを思わなかったのに。会場にての講習会だと講習を受けてすぐに考査になるので、記憶が新しいうちにできるから楽だったのかもしれません。

私はテキストが届いてから早々に講習動画を見てしまったので、考査を受けるまでの期間が空いて、ちょっと記憶が曖昧でした。

問題の記述が微妙にテキストの記述と違っているので、文章理解力が試されます。年をとってそういう部分も衰えているかも。

 

家に居て講習・考査を受けられるのは良いけど、考査を受けている1時間に、電話や誰かの訪問があったら対処できないことがちょっと心配でした。(その時は手を挙げて、講習会事務局からの電話指示を待つようです。)

普段あまり電話や訪問などない当事務所ですが、そういう時に限ってありそう...というのは私ってそういう星の下に生まれているということを度々感じているから。(マツコの宅急便のCMのような状況ですよね...。)

今回はいちおう何もなく済みました。(問題に苦戦したことを除けば)

 

また3年後か...。(考査をちゃんとパスしていれば。この定期講習においては、意外に3年は短い。いつももう講習受けないといけないのかと思います。)

 

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もう埋もれても良い...

2024-05-21 10:28:19 | プロジェクト

2021年の1月に私が住むところでも相当雪が降って、3日間程毎日朝から晩まで除雪、屋根の雪下ろし作業をしたことがありました。

それまで雪国でも多くは雪の降らない海側育ちで、あまり大雪の経験がなかった私でした(私が高校生の頃大雪で、親父の手伝いで実家の屋根の雪下ろしをしましたが、まだ高校生で当事者意識が薄かったこともあり、あまり大雪で大変という実感はなかったのです。)が、3年前の体験は本当に身に染みました。

以前からもある程度は冬の状況を想定しながら建築設計をしてはいましたが、それ以後更に頭の中ではリアルに想像ができるようになってきたような気がします。(もっと雪の降る山側に住まわれている方々からすれば、まだ甘いかもしれませんけれど。)

 

冬季一番負担になってくるのは降った雪の処理。生活するためには外へ出ていく必要があり、毎日の除雪は雪国にとって相当な時間と労力と費用がかかります。

屋根雪を屋根に乗せたままとすると構造・費用的に建物の負担が大きくなるので、落雪式にするとなると屋根雪を落としておく場所が問題となり、敷地が広くなくて雪を長期間置いておけなければそこも除雪対象となるはず。

近年、雪国で流行ったのは高床の住宅。基礎部分を高くして積雪より上に居住部分を設ける形式。高床式の住宅は入口(玄関や車庫)から道路までの間を最低限除雪すれば冬季の生活に困らない、雪はできるだけ降るに任せるといったところで、上記の問題の回答のひとつになっています。

ただ、高くした基礎部分を有効活用するように車庫とか物置利用にあてていますので、実際はほぼ3階建てのような住宅で、構造的にも費用的にも負担の多いプロトタイプだったような気がします。

ゆえに、最近の物価高等があって建築工事費が上がってきている状況も踏まえ、工事費用を抑えつつ、冬季の生活に耐えうる(高床に代わる)プロトタイプは...という課題がずっと頭にあります。

 

それで今のところ考えているのは、もう雪に埋もれるのを前提にしたら良いのではないかと。

以前、ブログ記事にした‘2階、リビング、ダイニングのススメ’の住宅はまさにそれがスタートでした。冬季、1階はもう雪に埋もれるのを受け入れることから。

基本的に雪に埋もれてしまうのを受け入れる部分は

・積雪に押されても耐え、劣化が少ないであろう素材で作る。コンクリート若しくは金属性の素材。今のところ予算を考えると金属製の外壁かなというところ。

・開口部は弱いので冬季雪囲いする必要があり、工夫をする。

除雪しないといけないエリアをできるだけ少なくする。(上記提案も玄関から道路までの範囲を除雪することを想定しています。)

 

最近、教会も考えたわけですが、それも大雪が降る敷地で低予算でしたので、同じように考えています。

冬季、雪に埋もれた教会のイメージ。(敷地は3m位積雪の恐れがあるところです。)

向かって左のカバードポーチを冬季は雪囲いします。(高田の雁木通路のような空間になるはず)開口部はほぼこのカバードポーチ部分にあるので、開口部は雪から守られます。

1階レベルをそのまま冬季も利用するわけで、光を取り入れるため(積雪想定レベルの上)上部にトップサイドライトを設けています。

除雪エリアは道路までの最小限としました。(除雪をしないといけないエリアには開口部を設けています。上記イメージでは内部の十字架に光を当てるため開口部があります。レーモンドの軽井沢の教会を参考にしました。)

 

雪国で建築を創るにあたって、雪は必ず考えねばならないこと。

費用を掛ければ、構造で梁や柱の断面を大きくして耐雪にしたり、融雪装置を設備で入れたりすれば解決することもあるかもしれませんが

そんなことはなかなかできないのが実情。

雪のことを頭に入れながら設計しないといけないのは雪国で活動する設計士の宿命なので、予算とのバランスを取りながら、なんとか設計していければと考えます...。(なかなか実践する機会がありませんが...。)

 

 

 

 

 

 

 

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はて?...違和感のある例だなぁ

2024-04-30 14:26:13 | 建築関係

今朝の朝日新聞を読んでいると、‘災害大国 家の耐震化 まずは診断から’という記事がありました。

全体的には家の耐震診断をまずやりましょう、家の耐震化は大事ですという啓蒙の記事なので、反対意見を述べるわけではないのですが

例として出されている最初の1件目 大阪住之江区の家に違和感を感じました。

 

今年の2月に工事したらしいですが、費用がけっこう安い。今の物価高騰、人手不足の建築業界で、耐震診断から耐震改修設計をして耐震改修工事まで行って合計236万円はなかなか頑張った数字のように思えました。因みに診断の評点が0.288のものを1.025まで上げています。

県か市かわかりませんが、行政からの補助額110万円をもらって自己負担126万円です...は、正直なところ私は実感がわかなかった...。

2番目の例の費用は、かなり私が日頃持っている感覚と同じでなるほどなぁ...という感じだったのですが。

向学のため具体的は補強方法及び概算でも良いので、診断幾ら、設計幾ら、工事に幾らと示してほしいと思いました。改修する家の大きさ、形状も知りたいところ。(階数は2階と記述あり。)

 

実は最近、家の耐震化の相談を受けて少し調べたのですが、とにかく私が住む市の状況では、けっこう耐震化に(大阪住之江区の例とは違って)費用がかかって、家の耐震化が進まないという現状が知れました。

家の耐震化を勧めようと補助金を出してくれる行政の担当部署に相談に行ったところ、現況として、耐震診断から耐震改修設計をして、概算でなくちゃんと工事費を算出したところで、かなりの割合で家の耐震化を諦める方が多いとの話を聞きました。

耐震化されていない古い家に住むのは高齢者が多く、なかなかまとまった費用を払えない状況のようです。

 

費用の概算を出す公式というのも調べてあったのですが、それは少しデータが古いと思われ、ここ2年くらいの現況とは違っていると感じました。

 

そういうところで掴んだ感覚に比べ、記事の1番目の例は安いなぁ...と。

これなら耐震化をしたいと思う方は多くいるだろうと思いました。

ただ、これが普通の相場感覚なら良いけど、あくまで一番の成功例だったら困るよなぁ...と。

これ位でできるものだと思って、途中でそうでなかった時のリスクは、お客さんも業者にも皆にあるような。(実は補助金を出す行政にも。私の住む市では、今までは設計と工事別々に補助金を出していたのですが、設計止まりで工事がされず耐震化が進まないので、今年から設計と工事を一緒にして、工事をちゃんと終えた家に補助金を出すことにしたそうです。お金を出しても耐震化が進まないのは問題だったそうです。)

啓蒙はわかるけど、経済戦時でもある現在では、費用面の正直さ、透明性は大事なのではないかと思うわけです。

 

新築工事の建物でもここ2年くらいの工事費は上がっていて、見積しても1か月後にはその見積は通用しないくらいの話を聞きます。

最近では、こちらも簡単に坪幾らで家は建ちます...なんて軽々しく言えないというのが正直なところ。(きっぱり 坪60万円で出来ます...と言える人が羨ましい。)

私が不勉強なだけで、世の中はそういうレベルが普通の相場だ、というのなら良いのですけど。

(こういうことをブログ記事にすると、私に仕事を依頼すると費用がかかると思われて、一段と仕事の依頼が来なくなるというリスクがあるのですが、責任を持てないことを言ってまで仕事を得たいとは思えないのです...甘いのかなぁ。)

 

 

 

 

 

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森の中の小さな教会...案

2024-04-01 15:09:59 | プロジェクト

森の中の小さな教会...です...。(私のパース表現が悪くて森の中には見えませんが、実際、周囲は木々が多い敷地でした...。)

 

昨年の11月から今年2月くらいまで、時間をかけて提案させてもらっていたのですが

残念ながら落選。

 

地元に計画されている教会だったので、なんとか仕事にしたかったのですが

チカラ及ばず。(地元枠である程度の段階まで残してもらっていたようですが、全国の設計事務所相手ではなかなか太刀打ちできなかったというところだったのかな...。)

 

教会を考えるなんて、大学の課題以来でした。

大学の課題なら予算関係なく考えられました(コンクリートの有孔箱体の中に、ミースのようなガラス箱を入れ子に入れて、十字架を宙に浮かせて見せる案でした...)が、今回は厳しかった。(最終選考に残った3案は予算内に納まっているとのこと。私にはそんなことができる知恵がなかった...。)

 

とにかく、地元に良い教会が無事に完成することを祈るしかありません。

 

追記;このブログを書いてから気になって教会のHPを見に行ったら当選案が紹介されていました。

う~ん。当初求められていた雪対策がいつのまにかうやむやになってしまったのかな...とちょっと心配になりました。(なぜに今回、教会を建設するに至ったかの原因が忘れ去られてしまったのかと。)

私も雪国としてはそんなに多く雪が降るところに住んでいるわけではないけど、雪に対して甘いような気が個人的にしました。

冬季に施設を運営するとしたら除雪に相当労力がかかると思われるし、周囲積雪から開口部を守れるかな。

落雪案なのだろうけど、積雪後更に大雪となる場合、実際ある程度高床にしないと屋根雪と建物周囲の積雪がくっ付いて、屋根に雪が留まってしまう恐れがあって

軒先や構造的にあれだけのスパンが跳んでいる木造小屋組が大丈夫なのかなという感じを持ちました。

まあ、私が心配性なだけかもしれませんけど。

(あまり当選案に難癖をつけると、負け犬の遠吠えでみっともないとはわかっているのですが、心配なのです。)

 

 

 

 

 

 

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