下請けの仕事で、数字を追いかけた(数字に追いかけられた?)約1ヶ月でした。
その仕事は積算。
設計事務所は図面を描くだけでなく、描いた建物が、どれ位の費用で建てられるかを算出する作業もします。
それが積算作業。
図面から建物を造り上げるための工事を細かく拾い出し、その工事が幾らかかるかを出していきます。
例えば、使っている材料の寸法や面積を拾い出し、その材料を扱う工事がmやm2あたり幾ら掛かるかを調べ
それらを積み上げて、全体工事で幾らかかるかを算出していくのです。
建設会社、工務店さんが見積もりを出してくれるのと同じですが、
設計士が出す場合、その算出した工事費が、公共建物なら、工事業者を決める入札の大事な目標金額になりますし、
民間なら、お客さんが工務店さんの出す見積もりと比較して、仕事を頼めるかどうか判断する材料になります。
実は、この積算作業、私はできればやりたくない作業です。
図面を細かく見て、寸法を測って、集計し、幾らかかるかを調査し、金額を出すという作業が、途方もなく集中が必要で、頭を使って、体力も使うシンドイ作業だからです。(設計士より積算する頻度の多い建設会社、工務店さんは頑張ってよくやっていると思います。頭を使わなくてはいけないのは、私にその力が不足しているせいなのでしょうけど。)
設計士の仕事を選ぶ時には、デザインや設計のいいところばかりをみていて
積算のような地味で大変な作業があるとは、あまり気にせず、この業界に入ってしまいました。
でも、それも仕方ないことだと思います。大学で、積算を習った記憶はありません。
設計士の仕事のなかに、こんなに大変な仕事があるなんて、教えてもらえなかったわけですから。(私には縁がなかった偏差値の高い大学なら、積算も教えてくれているのかもしれませんが.....。教えていない大学は教えた方が良いと思います。)
もし、設計の道に進みたい方がいらっしゃるなら、華やかな部分だけでなく、地味で大変な部分もかなりある(いえ、ほとんどがそういう仕事です。)ということを覚えていてもらいたいと思います。
それほど、私はできればやりたくない、大変な作業。今回はとにかく時間がありませんでした。
下請け仕事ですので、私が仕事の段取りを決められるわけではありません。(やっと終わるかなと思ったら、急遽、予定になかった別件の積算も頼まれたし......つまり2件分の積算を手伝いました。)
更に、公共工事の仕事なので、いろいろ積算に関する縛りが多いのです。
例えば、設計書(見積もり)作成ソフトはこれを使えとか、単価はこういう条件でこの値段と決まっていたり(その条件にそって積算しないといけません。)とか。
設計書(見積もり)作成ソフトを使ったり、決められている単価を調べて積算に使うためには、いろいろ大人の事情があるのか、けっこうな金額を支払わないとできません。
設計書(見積もり)作成ソフトは仕方ないので私の方でもレンタルしました(元請さんが費用を出してくれるというので)が、決められている単価は元請さんに情報を買ってもらって教えてもらうという段取りでした。
いろいろ縛りがあり、こちらの自由もきかず、時間もないなかで、休みもとらず、なんとか作業をやり通した1ヶ月でした......。(下請け仕事とは、こういうものなのでしょう。どの業界でもそうでしょう。)
昨日、再締め切りで、いちおうこちらの仕事を納めたのですが、今日、元請さんから連絡がないので、多分、上手く納品できたのでしょう。(通常、金額が出ても、目標と合ってこないので、設計の見直しとか調整があるものなのですが。だから、締め切りより2~3日余裕をもって積算を終えないといろいろ困るのです。関係者誰もが。)
いや~、長い1ヶ月でした。(先が見通せないのが、一番つらかったかな.......。)
一息ついたら、‘設計’がしたいです。(春先は設計仕事って、ないものなんですけど.......。)