―口入屋用心棒41―
鈴木英治/双葉文庫
2018年6月17日初版。著者の作品は「さまよう人」「野望と忍びと刀」「鳥かご」「無言殺剣火縄の寺」「お陀仏坂」「歯のない男」などランダムに読んで来たが、中でもシリーズものが多い。時代小説のシリーズものばかり、あきれる程書いている。
作品の話しのスジとしては、前作で秀士館の師範代、湯瀬直之進と読売屋の庄之助が一戦交えたようで、直之進が完敗したところから始まる。忽然と浮かび上がって来た庄之助という人物の実態探査が本作の主な内容。今回、庄之助の人物像にかなり迫ったのだが、最終的な結論には至らず、次回に持ち越しとなっている。何だかマンガ本のような(次回に期待させる)終わり方だ。
そもそも326pという厚さで読みやすいこともあり、実質2冊分で通常の一冊くらいかと思われる。それでもシリーズ41は充分長い。そしてこの先、一向に終わる気配がない。
今回作品に「口入れ屋」は登場しない。「口入れ屋用心棒」とは登場人物の誰の事を言うのだろう(最初から読まない人の疑問である)。いきなり41を読んだのはマズかっただろうか。
時代小説では「世直し」、「御政道批判」などと穏健に表現しているが、今回の作品で、実はこれが「革命」と同義であることに気が付いた。体制側から見れば、大変な危険思想であり謀反であり反逆である。その集団は過激派であり、その行動はテロ行為に他ならない。時代がかった言い回しに惑わされて軽く考えてはならないということである。
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