ウオール・ストリート・ジャーナルを見ていたら「クレジットカードなどを長い間使わないと、信用履歴が形成されないので、信用スコアが低くなる。このためいざ借入をしようとする時問題が発生する場合がある」という記事が出ていた。このこと自体はアメリカの話で日本には直接関係ないが、一消費者としてまた金融マンとして関心のある話なので思いつくところを書いてみよう。
因みに記事によると米国で約5千万人の人が信用スコアを得るに足る程クレジットカードを使っていないということだ。これは中々常識のウソみたいな話で一般にはアメリカ人は皆クレジットカードで買い物をしている様に言われることが多いが、アメリカ人の中にはやはり借金をしない様に現金払い(含む小切手払い)をする人も相当いるということだ。
ところで米国の個人信用はスコアシステムで点数化されている。最も広く使われているFair Isaac Corporation(略称FICO、ニューヨーク証券取引所上場会社.。日本の金融機関でもこのシステムを導入しているところがあるらしい)のスコアリングについていうと最低300点、最高850点。典型的な点数は723点でもし750点以上であれば、最優遇レートで借入ができる。しかし620点以下だと与信を受けることが難しいということだ。
信用スコアリングシステムは法律で色々制限がある。まずそれは帰納的に導き出されたもので統計学的に健全でなければならない。ただしその算出方法は企業秘密で公開されていない。ただFICOは次のように説明している。
1ヶ月以上の支払遅延の有無に30%のウエイト、リボルビング与信枠に対する現在の借入残高に比率に30%のウエイト、信用履歴に15%のウエイト、利用している与信タイプに10%のウエイトなどだ。
クレジットカードなどを適度に使って期日にキチンキチンと支払をする方が全くカードを使わないより良好な信用履歴が形成されるので、トータルスコアが良くなるという訳だ。
でこの話を日常生活に活かすとすると、一つは年収などが安定していて借入枠やクレジットカードに利用枠を作りやすい時に作っておくということになる。大体日本では借入枠だけでフィーを取るところはまずないだろうからコストはかからない。しかしリスクはある。それは「枠があるとお金を借りてしまう」ということだ。私もこの経験があるので諸刃の剣というべきかもしれない。
それと将来住宅ローンなどを借りる予定があるなら、その予定先で預金や投資信託の取引を集中して取引履歴を積上げておくことだ。こうすると借入時に信用判断や条件面で有利になることが多い。
なお金融マンとして思いつくところは次のブログで書こう。