
松園の絵が似合うような落ち着いた家に住むということはもはやかなわないと思う。

だが松園を堪能したひと時は、今回の大阪の旅の大きな収穫だった。
昨日家内と大竹しのぶさんのピアフを観に行きました。
シャンソンの女王エディット・ピアフが大竹しのぶに舞い降りたと言われる熱演でした。
恋とシャンソンに奔放に生きたピアフ。我々一般人には聴衆の心を震わせる歌唱力も恋に身を任せる情熱も欠けています。
しかしどこかでそのような奔放な生き方に憧れているのも事実でしょう。舞台を見るということは、自分では実現できなかった何かをバーチャルに体験することなのでしょう。
大竹しのぶさんの迫力ある熱唱に圧倒された3時間でした。
昨日赤坂ACTシアターに米倉涼子主演のミュージカル・シカゴを観に行った。米倉涼子の特別なファンでもないし、ミュージカルの熱烈なファンでもないけれど、半世紀ぶりに日本人女優が主演したミュージカルということで出かけた次第。
平日だけれどシアターは満員。ミュージカルってこんなに人気が高いの?と驚くが、ブロードウェイで成功したということが大きな宣伝になったのだろうか?もっとも「成功した」というのは、主演者側がアゴアシ付で日本のマスコミを呼んだから、マスコミも良いように書かざるを得なかった、という辛口の批判もあるが。
私の感想は米倉涼子さん、良く頑張っている、というところだ。思ったより良くてホッとした。ダンスは良かったが、歌は声量で米国人俳優に圧倒されていたという感じ。でもこれは想定の範囲。
ブロードウェイでの公演に対する米国人の評価はどうだったか?と思い、ネットを読んでみた。http://broadwayworld.com/board/readmessage.php?thread=1048002
その中の「彼女の歌は良かった。彼女はamazing(驚くほどすごい)ではなかったけれど、goodだった」という評価が妥当な評価だ、と思われたのでタイトルに採用させてもらった。
その他米倉涼子はキュートだ、という評価もあったが、芸そのものを高く評価するには至らなかったようだ。
ところでパフォーマンスが終わった後、客席からスタンディングオベーションはなかったし、カーテンコールもなかった。スタンディングオベーションがないからカーテンコールがないのか、あるいはその逆?
歌舞伎でいうと大向うから声がかからないようなものだが、観客がミュージカルに不慣れだったのか、あるいはパフォーマンスに対する評価が低かったのか?
米倉さん、私はgoodだと思いました。チャレンジは素晴らしいことだと思います。