金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

タッド・バッジ氏に共感を覚えたが・・

2007年02月24日 | うんちく・小ネタ

タッド・バッジ氏、東京スター銀行の頭取である。面識はないがある業界紙で彼の「ワーク・ライフ・バランス」の思想を読んで私と同じ考えなのでとっても共感を覚えた。バッジ氏の「ワーク・ライフ・バランス」とは「自分」「人間関係」「社会」「仕事」を「四つのボール」にたとえいずれも大事にするというものだ。

私は「人生の四本柱」という考えを持っている。それは「職業人としての柱」「家庭人としてしての柱」「社会人としての柱」「一個人としての柱」だ。四本の柱の重要性は人生のステージ毎に変わるので、いつも均等な太さがある訳ではない。一例を示すと人の死のその時に残るものは恐らく「一個人としての自分」だけだろう。

さてバッジ氏とはこの様に基本的な点で共通する考え方を持っているのだが、日頃の暮らし方は彼の方がストイックである。新聞によると「酒もタバコもコーヒーも嗜まない敬虔なクリスチャン」ということだ。こちらはたばここそ酒でも飲んだ時位しか嗜まなくなったが、お酒大好き人間、コーヒー大好き人間で、広い意味では仏教徒だが敬虔というのには程遠い。バッジ氏は就業時間前に聖書を読んで精神を集中することも多いと聞く。つまり「自分(一個人)」の柱を本当に大切にしている訳だ。

これに比べて私の行き方はお題目だけで実践が伴っていないということなのだろうか・・・・

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アメリカがクシャミをしても風邪引かず?

2007年02月24日 | 社会・経済

日本経済が如何にアメリカに依存しているか?の喩えとして「アメリカがクシャミをすると日本が風邪を引く」というフレーズがあった。この喩えを世界経済ベースになおすと「世界経済はアメリカのスーパーマーケットのカートで押されている」という言い方が英語であったらしい。The world economy was being pushed along in an American supermarket trolley.

「あったらしい」というのは、今週のエコノミスト誌によるとこの考えは誇張だということだ。エコノミスト誌によると世界経済はアメリカへの依存度を下げている。

  • 住宅不況からアメリカの経済成長率は2004年の4.4%から1.9%に低下している。これに比べて日本の第3四半期のGDPは年率換算4.8%という高い水準だし、欧州のGDP成長率も3.6%である。
  • これらのことからアメリカはより多くの製品を海外に販売することが可能になっている。この1年間でアメリカの製品輸出は15%増加しているが、これは1988年以降最も速いペースである。2006年全体でアメリカから中国への輸出は輸入の倍近いペースで伸びている。米国の貿易赤字は巨大だが、第3四半期には減少傾向を見せている。
  • 昨年中国の経常黒字はGDPの8%近くになり記録を更新した。しかしゴールドマンザックスによると、中国の純輸出は11%の経済成長率に2.2%貢献しているに過ぎず、これは2005年の2.7%から減少している。ゴールドマンによると輸出の貢献度は今年は1.6%に減少する。中国の経済成長は輸出ではなく内需が牽引している。

この様にかって世界経済の常識と思われていたことが、日々刻々と変わっているのである。ビジネスや投資という作業は絶えず世の中の真実と対峙するものであるとするならば、いつも眼のウロコを落として世界経済を見ている必要があるということだ。この変化の激しい時代では常識という言葉は不勉強を意味するだけかもしれない。

 

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