金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

久し振りに大山(おおやま)詣

2010年01月31日 | 

1月31日(日曜日)某ローターリークラブのトレッキング同好会と丹沢の大山に登った。10時5分に伊勢原から大山ケーブル駅に向かうバスはほぼ満員だ。100人乗りのケーブカーもほぼ満員。最近の山登りというと中高年のイメージが強いが、大山には家族連れや若い女性のグループも登っている。とにかく半端でない混みかただ。

Ooyama1_3

ケーブルの上の駅から阿夫利神社(下社)を通り急な石段に取り付いた。登り始めたのは午前11時頃。途中少し体調のすぐれない人がいたのでゆっくり歩く。

Ooyama2_2

夫婦杉という立派な杉があった。更に登ると富士山が見えるところがあるが今日は雲が厚く富士山は見えなかった。

午後1時半ようやく大山山頂に到着。下着のシャツ1枚+アウターで登ったが暑いくらいだ。伊勢原ではバスから梅の花が見えた。頂上の茶店で缶ビールを頂く。500円也。

Ooyama3_4

頂上から見晴台を回って下社ケーブル駅に向かった。ケーブル駅3時30分到着。

見晴台とケーブル駅の間の滝の前で沢登りの準備をしているパーティがあった。午後3時過ぎだがこれから登るようだった。

Taki_4

後で調べてみるとこの沢の名前は大山川で大山頂上に突き上げる右俣が遡行対象になっている。写真の滝の名前は二重ノ滝でホールドの豊富な左壁を登るということだ。水量の少ない沢なので遡行ができる時期は長いということだが、真冬に沢登り(氷瀑登りではなく)をする人がいるとは想像すらしなかった。山の楽しみ方はどんどん変わっているようだ。

そういえば大山に登る途中ふと空を見上げるとハングライダーが気持ちよく空を舞っていたことを思い出した。

Hangrider

丹沢のどこから飛んだハングライダーかは知らないが実に気持ち良さそうだった。山の楽しみ方は本当に多様化している。

我々は下山後ケーブル下から400m程降ったところの「東学坊」(学は旧字だが探すのが面倒なのでこれでご容赦を)という豆腐料理屋に入り、風呂に入って豆腐料理+猪鍋を食べた。かなりお酒を頂いて一人約1万円也(お風呂代は込み)。お料理の味はまあまあだが、とにかく冷えた体には暖かいお風呂とその後のビールが何よりだった。これも山の楽しみ方の一つとすると、大山を巡る山の楽しみ方は色々あるものだと改めて思った次第である。

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オバマ金融規制提案が立法化される見通し

2010年01月28日 | 金融

27日のFTは米下院金融サービス委員会委員長バーニィ・フランク氏とのインタビュー記事を掲載していた。それによると金融規制提案~骨子は大手銀行の拡大抑制と商業銀行のヘッジファンド、プライベートエクイティ、自己勘定取引の禁止~について6ヶ月以内に立法化されるのではないかフランク委員長は述べている。また彼は「ドッド上院金融サービス委員長は3月に法案を提出するだろう」とも述べた。

またフランク委員長は「銀行にはヘッジファンド等を処理するため、最低でも3年の準備期間を与えると主張するだろう。従って資産の投売りは起こらないだろう」と述べた。

オバマ提案はミニ・グラス・スティーガルGlass-Steagall liteとあだ名を付けられた。

一方FTはオバマ提案に対するバークレーズ会長のボブ・ダイアモンドの反論も掲載している。彼は「もし大きいことが悪いといい、ナロー・バンクに移行すると雇用と世界経済に極めて悪い影響を与えるだろう」「銀行を小さくすることが問題解決になるという示唆する証拠を私は見たことがない」と反論している。

またイアモンド氏は「自己資本の強化と流動性に対する当局の積極的な規制が重要と認識するが、新しい規制は世界の主要な経済圏に共通するべきだ」と述べている。

欧州中銀のトリシェ総裁はウオール・ストリート・ジャーナルに「米国の提案は当を得たもので関心があり、意図するところを共有したい」と話している。

またフランク委員長は「バンク・オブ・イングランドのキング総裁や英国金融サービス庁のターナー会長もこの提案を支持している」と示唆した。

☆  ☆  ☆

オバマ提案は唐突な感じを受けたが、経済再生諮問会議のボルカー氏が草案したもので、「銀行は中核業務に注力するべき」という彼の従来からの主張が強くでている。オバマ提案がそのまま法案になるかどうか判断するのは早計かと思うが、今後の商業銀行のビジネス範囲に何らかの規制がかかることは間違いないとみて良いだろう。

もっとも銀行に自己勘定による取引を規制するなどというルールは色々と問題がある。何故なら顧客からのオーダーを受ける銀行が一時的にポジションを取ることで、金融商品の流動性に厚みが出ているからだ。

ところで仮にこの法案が可決され、日米欧である程度の足並みを揃えることになるとすれば日本にどのような影響を与えるだろうか?

例えばトレーディング収益の依存度の高い銀行は本業回帰を迫られるだろう。その結果資金需要の少ない日本では銀行間の競争がますます激化して、銀行の収益が悪化して疲弊することがなければ良いが・・・・などと私は杞憂を抱いている。

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なし崩し的な中国寄りを警告する

2010年01月26日 | 政治

名護市長選で普天間基地の辺野古移転に反対する稲嶺氏が当選したことは、米国の外交筋にまた一つ懸念材料を増やした。ニューヨーク・タイムズはMartin Fackler氏の「米国は日本で中国のために外交基盤を失いつつある」という記事で、日本が中国シフトすることを警告している。

ただFackler氏が警告している相手は、米国人の読者のみならず日本人の読者も意識していると私には思われた。

米国人に対する警告は「オバマ政権は日本の政権交代によって、伝統的な保護者(米国)とライバル(中国)に対する考え方が変化した度合いを認識するのが遅い」というものだ。一方中国はオバマ政権より巧みに日本の新しい指導者達を取り扱った。中華人民共和国大使館公使を勤めた宮家邦彦氏は「これは中国にとって黄金のチャンスだ。中国はワシントンより親しげな顔を示すことで、アメリカの影響力を打ち消そうとしている」と分析している。

また慶応大学の添谷芳秀教授は「鳩山首相は米国の影響力の低下を中国やその他のアジア諸国で相殺しようと望んでいる」と述べ、日本が中国と関係を改善することは、日本のアジアでの孤立を悩んでいた米国政府にとって必ずしも悪いことではないという。

ただしアナリストの中には、日本の中国に対する開放的な動きの背後に、鳩山政権の中に米国を「占領軍的精神」を持っていると敵意を持つ人がいることに懸念を示している人がいる。

この記事が日本の読者を意識している部分は、岡本行夫氏の「民主党は我々が朝鮮半島に持っている脅威と中国が軍事的には友好的な国ではないことを認識しなければならない」という言葉を紹介しているところだ。元外交官の岡本氏は自民党政権で外交アドバイザーを務めていたが、先月北沢防衛相が鳩山首相に彼を紹介し、安全保障問題についてアドヴァイスを行った。

またタイムズは添谷教授の「日本の新政権は中国寄りにスライドする前に真剣に考える必要がある」「鳩山首相は中国に頼るということが何を意味するか、またそれが本当に望ましいことなのかについて明確な意識を持っていない」という言葉を紹介している。

☆   ☆   ☆

勝手な推論を述べると小沢幹事長と検察側の攻防は、日本が親中国化するかどうかという大きな政治岐路を決めることになるかもしれない。勿論東京地検にそのような意識があるとは思わないが結果として小沢氏が権力の座に座り続けると親中国化が進み、小沢氏が権力の座を降りると少し冷静に中国と米国との距離の取り方を考える時間ができるだろう。

私は昨年の総選挙で民主党を選択した人の多くが、脱アメリカ・入中国まで選択したとは見ていないのだが、如何なものだろうか?

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中国は科学研究でも世界をリードする

2010年01月26日 | 社会・経済

昨今ファイナンシャル・タイムズを見ると、日本の記事が載らない日はあっても中国の記事が載らないことはまずない。世界が中国の一挙一動に注目しているということだ。今日目にした記事は中国が科学研究論文の発表件数で著しい伸びを示しているというものだ。

トムソン・ロイターの調査によると、科学研究論文の発表数の伸び率で中国は米国を抜いて世界一になった。もっとも2008年に発表された科学論文の絶対数では、米国は33万件強で中国の11万件強の3倍を誇るが、中国がこの勢いで論文数を伸ばすと2020年までに中国は世界一の科学的知識の生産国になると予想されている。

トムソン・ロイターはブラジル、インド、ロシア、中国つまり4つの新興国について科学研究論文の発表件数を調査しているが、それによると中国とブラジルの伸びが高く、インドは予想されたより伸びが低く、ロシアは停滞している。

中国が特に強いのは化学と物質科学の分野だ。一方ブラジルは健康、生活科学、農業、環境調査といった分野に強みを発揮している。

トムソン・ロイターによると中国の論文の質はマチマチだが、質は向上しているということだ。また発表された論文の約9%は米国の学者との共同研究によるものだ。

ロンドン王立協会のWilsdon氏は中国の科学研究が伸びている要因は3つあると述べている。第一は学校教育から卒業後の研究に至るまで政府が行っている巨額の投資だ。次が基礎科学から商業ベースへの利用まで系統だてられた知識の流れがあることだ。第三が北米や欧州に流出した中国人の頭脳集団を効率的で柔軟に利用していることだ。つまり彼等が年間の一部は欧米で働きまた一部は中国で働く・・・ということを認めることで流失した科学者を上手く利用している訳だ。

☆   ☆   ☆

今年中国のGDPは日本を上回る見込みで、一部の人はこのことを悲観視しているようだ。だが私は日本の10倍以上の人口を持つ中国がGDPにおいて日本を上回ることは自然な流れであると判断している。

靴やジーパンなど労働集約的な産品の輸出で世界を席巻してきたように見える中国だが、科学研究分野での成果はもっと注目する必要があるだろう。

日本が今必要なことは、科学分野への投資を高め、先端部門での競争力を失わないようにすることである。

GDPの絶対額で中国が日本を上回ることを悲観するより、彼等の知的情報の収集と活用を謙虚に学び日本の教育と研究を見直す必要があるのではないか?と私は考えている。

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民意を反映するには党議拘束の緩和しかない

2010年01月25日 | 政治

先週は政治面で色々なことがあった。日本では民主党・小沢幹事長の東京地検による任意聴取の件。今日の日経新聞朝刊は「本格的な国会論戦が始まったばかりだが、与野党双方が世論の動きと捜査の進展を待つばかりちう異例の展開になっている」と報じている。

米国では民主党の強固な基盤であるマサチューセッツ州の上院補欠選挙で共和党のブラウン候補が当選した。新聞によるとオバマ大統領は当選したブラウン氏に「緊急の経済課題に一緒に取り組むことを楽しみにしている」と直ぐ電話を入れたということだ。

何故オバマ大統領が野党側の共和党議員に電話をしたか?という理由を考えてみよう。それは「米国には党議拘束がほとんどなく、各党の議員は自分の判断~つまり自分を支持してくれる選挙民の判断~に基いて、国会で投票を行う」からだ。だからブラウン新上院議員が、オバマ政権が提出する法案に賛成することもありうる訳だ。

今日本では「民意」~私は民意という言葉より、長くても「国民の意見」という言い方が好きだがここでは慣習に従い民意という~ということが盛んに言われているが、この民意を政治に具体的に反映する方法は「党議拘束」を緩めることだと考えている。

一般に政府の長を直接選挙で選ぶ国では党議拘束が弱く、日本のような議院内閣制の国では党議拘束が強いと言われている。

しかし日本の場合は異常だ。国会議員の候補者の選任から政党助成金の配分まで絶大な権力が党務を預かる幹事長が掌握しているので、国会議員は幹事長に反する意見は述べられなくなっている。これでは本当に民意を反映する政治が行えるとは思い難い。

国会議員が自分を選んでくれた選挙民の意見を絶えず聞く。そして個々の法案に対して賛成票を投じたか反対票を投じたかを選挙民に明確にする中で、政治に対する見識と熱意が試されていく・・・・・それが民意を反映した政治というものではないだろうか?

無論議院内閣制の日本では大統領制の米国のように、党議拘束をほとんどなくするという訳にはいかない。だが政権党がマニフェストに反するような政策を打出す時などは、このような形で民意を問うべきであろうと私は考えている。

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