金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

最後は良かった矢川散歩

2007年04月30日 | まち歩き

4月30日(月曜日・振替休日)快晴、ワイフと「郊外を散歩しよう」と「東京さわやか散歩42コース」(山と渓谷社)の「矢川緑地から谷保天満宮」を逆コースで歩くことにした。つまりJR中央線国立駅から大学通りを南下して谷保天満宮へ行き、矢川沿いに歩いてJR南武線・西国立をゴールとする計画だ。

一橋大学を少し過ぎたところで昼時となり、大学通りの東側にある更科甚吾郎とう蕎麦屋さんに入った。

Jingorou_1

私は納豆蕎麦を食べた。味は悪くないが箸で納豆をすくうのに苦労した。

腹ごなしに七、八分歩くと南武線谷保駅に出会う。駅のすぐ西(向かって右)の踏み切りを渡ると谷保天満宮の鳥居が見える。甲州街道を渡ると谷保天満宮だ。お社は坂の下にある。普通お社は高いところにあるので、これは珍しい。

Yahotenmanngu

谷保天満宮から南養寺へ向かう。細かな道が入り組んで迷い易いところだ。我々散歩人は道標を期待するが、この辺りには全くそのようなものは見当たらない。ガイドブックの道を間違えたのかおもむきのある建物・史跡はなくあるのはただ武蔵野の畑だ。南養寺の境内や墓地は広いがあまり写真を撮る興が湧かない。何故だろうか? ワイフも疲れた感じた様だ。続いて「ママ下湧水」に向かう。「まま」は崖のことらしい。つまり「ママ下湧水」は崖の下~崖とは立川段丘だが~湧いた水のことだ。ママ下湧水では子供達が釣り糸を垂れていた。小鮒でも釣れるのだろうか?しかしワイフも私も散策路らしくない道に疲れ気味だ。予定の西国分寺を手前の矢川駅に切り替えてそちらに向かうことにする。気だるさの原因の一部は私もワイフも連休に遠出したことだろう。私は北アルプスの燕岳(つばくろだけ)に登りに行き、ワイフは箱根に旅をした。その体験が鮮やかなだけに近郊の散歩が色あせているのかもしれない。

しかし甲州街道を渡り矢川の辺に来ると情緒が変わった。

Yagawa

矢川は川幅1mにも満たない小さな川だがきれいな水が流れる。流れに取り立ての野菜を浸けている家があった。実にのどかだ。昔は川に面する家々がここで野菜を洗い、時には顔も洗っていたのだろう。それは藤沢修平の「蝉しぐれ」の世界を彷彿とさせる。

全体としては少し期待はずれの谷保歩きだった、矢川の清流に出会えたことで救われた。矢川は立川段丘から府中用水までの1キロ半程度の短い流れだが、多摩の面影をかすかに残す良い川である。

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燕岳、嵐の下山

2007年04月29日 | 

4月27日(金曜日)快晴、連休の前日一日休みを取りM君と北アルプス燕(つばくろ)岳2,763mに向かう。午前5時50分西東京市の自宅発。道路は空いていて順調。午前10時中房温泉着、同20分登山開始。中房温泉から合戦小屋を経て燕岳に向かうこの道は一日でアルプスの頂上を往復することも可能な道だけに傾斜は急だ。第1ベンチを過ぎたところから残雪が出てくる。第2ベンチからはアイゼンをつけた。まだ連休前なので先行者の足跡は少ない。先月から風邪を引いているM君はトレーニング不足で遅れ気味だ。4時間かかって合戦小屋についた。合戦小屋から急な斜面を登りきると森林限界に出た。燕岳から大天井岳に向かう稜線越しに槍ヶ岳が見え疲れた体を癒してくれる。M君が登ってくるまで十分時間があるので、望遠レンズに付け替えて撮影する。

Yari_1

数日前に降った新雪が残り山は冬の景色だ。ここから燕山荘までは夏のコース時間では1時間だが、雪を踏みしめてながらゆっくり登る。指呼の間に燕岳が見える。

Tubakurodale1

燕山荘は頭上に近づいてきた。小屋の横を歩く登山者の姿も大きく見える。しかし最後の雪面は中々急だ。

Tubakurosannsou

午後4時5分燕山荘着。中房温泉から5時間45分かかった。休憩時間をもう少し短縮することはできるが、5時間15分位はかかるだろう。小屋に若い女性スタッフが沢山いるのに少々驚く。聞くと11月頃までの長期アルバイトということ。一方小屋に泊まっている登山客は10名程度で大半は中高年だ。私が大学の山岳部にいた頃は、5月の北アルプスの稜線というのはエキスパートの世界だったが、交通と装備の発展と元気な中高年が登山の地平線をどんどん拡大している。

さて翌日28日は昨夜からの悪天候が続いた。8時頃出発しようとすと小屋の人が「今雷が接近していて危険だから少し待て」と言う。そこで大リーグの松坂VS松井の対決などを見ながら1時間程様子を見てから小屋を出た。燕岳頂上までは30分の距離なのだが、悪天で何も見えない上長居をするとまた雷に出会う危険もあるので、一息に下山をすることにした。小屋を出てしばらくはホワイトアウト、道しるべの赤旗がかろうじて見える位だ。

合戦の頭に着いたとき少し天気が良くなった。

Yukinogezan

とわいえ冬山装備に身を固めた覚悟の下山だ。合戦小屋の下までくると、続々と登山者が登ってくる。樹林帯の中は風が強くなく上の様子は分からない様だ。さらに下るとみぞれが降り出す。午後1時中房温泉着。本日は予定の行動でここに宿泊。さすがに温泉通の中で有名な温泉だけあり、コンコンとあふれる源泉の量は想像がつかないほど豊富だ。ここの部屋は登山客向けと一般客向けがある。登山客用は9千円程、一般は1万5千円からだが、一般で泊まった。

翌日は快晴。諏訪大社の下社を参拝する。

Akisha2

蕎麦を食べるために秋宮の参道を下っていくと燕が巣を作っているお店があった。

Tubame

悪天候のため燕岳には登ることが出来なかったが、中々充実した春山だった。ここで燕を見るのも何かの縁なのだろう。

蕎麦は山猫亭というこじんまりしたお店で「大根おろし蕎麦」を頂く。料金は1千円弱で中々美味だった。食べ終わって外に出ると行列が出来ていた。

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最近ブログで嬉しかったこと

2007年04月26日 | ブログ

最近ブログに関して嬉しいことが3つあった。一つはアクセス件数が累計7万件を越えたこと。平均すると毎日3百件弱のアクセスなのだが時々ニフティなどに紹介されるとアクセスが急に増えることがある。この前は「こんにゃくの燻製」に関する記事が紹介されて一日に15百件位のアクセスがあった。

次に嬉しかったことは昭和記念公園のチューリップの写真を載せたところ、公園のご近所に住む主婦の方からお子さんを連れて公園に行ってとっても良かったというコメントを頂いたことだ。小さなことでも喜んでもらえるととっても嬉しい。

最後に昨日働きながら大学院に通われている方から「高齢者再雇用に関するブログ」について触発されたので、引用している原文を教えて欲しいというメールを貰ったことだ。このブログを書いたのは1年位前で十分お役に立てる回答が出来たかどうか疑問だがもし何がしかの貢献ができると幸甚である。

ブログが役に立ったと言われるとブロガー冥利である。

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男の健康問題

2007年04月25日 | 健康・病気

ウオール・ストリート・ジャーナルに男の健康問題に関する見解が出ていた。何故男の寿命は女よりも短いか?ということを多角的に分析していて中々興味深い。これは米国の話であるが、大部分日本にも当てはまるだろう。

ウオール・ストリート・ジャーナルはまず医療行政の面からスタートする。

  • 1990年に政府は女性健康局(Office of Women's Health)を作り、7億5千万ドルをかけて乳がん等の研究プログラムをスタートさせた。さらに議会は2002年から2006年にかけて、乳がんと卵巣がんの研究のために778百万ドルの予算措置を講じたが、前立腺がん研究には360百万ドルの予算措置を取った。乳がんを軽視する訳ではないが、男性の大きな死亡要因である心臓病、前立腺がん、怪我、自殺等に対する予算措置が不足しいているという懸念が高まっている。

もっとも女性の健康問題に多くの予算が投じられる様になったのは、比較的新しいことで歴史的には男性の健康問題に多くの予算が投じられている。しかし今なお多くのことについて答が出ていない。例えば「何故男性は健康上もっとも好ましくない腹部の脂肪が蓄積するのか?」「男性は何故女性よりHDLつまり良性コレステロールが多いのか?」「何故男性の方が若い時から心臓病にかかりやすいのか?」といった問題である。

腹部の脂肪Abdominal fatは内臓脂肪のことだろう。これは日本ではリンゴ型体形と呼んでいるものだ。ところでこの記事にもお腹周りのサイズが健康の目安になると書いているが、危険ゾーンは40インチつまり約100㎝と言っている。面白いのは「ズボンのサイズを当てにするな」と言っていることだ。何年もズボンのサイズが変わっていないから太っておらず大丈夫という人がいるが、ズボンをずらしておなかの下でベルトを締めることでサイズを調整していると言う訳だ。

  • 男性より女性の方が倍程定期的な検診を受けている。また調査結果女性の9割はホームドクターを持っているが、男性の場合は三分の二が持っているに過ぎない。

この米国の事情と日本の事情は少し異なる様な気がする。自分の経験をベースに判断すると一定年齢を過ぎると会社が健康診断を受ける様に手配しているので男性の方が定期健診を受ける比率が日本では高いのではなかろうか?ということだ。

  • 女性が婦人科にかかる時、医者は婦人病だけを診断するのではなく糖尿病、血圧、うつなどを診断する。ところが男性に関しては同じ様な仕組みがない。男性の健康全般をチェックする仕組みが必要だ。

ここでウオール・ストリート・ジャーナルはバイアグラを投与する勃起不全の診断がその一つの機会だろうと言う。勃起不全は心臓病の最も初期的な警告だという研究がある。昨年の研究では4千人近いカナダの勃起不全の男性の半分以上は糖尿病またはメタボリック・シンドロームと診断された。

コロンビア大学のShabsigh助教授は「セックス面の健康は男性の健康のポータル(入り口)である」と言う。

ところでこの記事の中で目新しいことは「男性と女性ではストレスに対する対応が異なるのあろう」というところである。

  • ストレスに対する典型的な反応は「戦うか逃げるか」であり、ストレスがかかると我々の身体はエネルギーを戦時動員し、筋肉にグルコースを搬送し、鼓動と血圧を高める。ストレス対応は危機から我々を守る点で有効だが、ストレスが持続するとダメージを引き起こす。
  • 最近の研究で女性もストレスがかかると「戦うか逃げるか」モードを取るが、同時に「オキシトシン」というホルモンを分泌する。

オキシトシンホルモンは子宮収縮ホルモンとして知られるが、脳内では「社会行動を促進するホルモン」として知られている。例えば古代の村落が外敵から襲われたケースを想像すると、男性は戦う準備を整えなければならないが、女性にとって最良の戦術は子供を身の回りに集めて他の女性達と一塊になっていることだろう。オキシトシンはこの様な活動を促進する。

このようなメカニズムにより女性の方が男性よりも健康である理由の一部を説明できると言う。

以下は感想だ。

男は古来より「戦うをこと」「強くあること」を求められてきた。このため感情をあらわにして泣くことや肩を寄り添わせて他人と恐怖を分かち合う様な習慣を持たず、悲しみや苦しみを酒で紛らわせてきた。少なくともストレスと飲酒が男性の寿命を女性より短くしているという説明は成り立ちそうだ。

酒は百薬の長というが、過度の飲酒が健康に悪いことは言うまでもない。ウオール・ストリート・ジャーナルも過度の飲酒の太り過ぎに注意すると男性はもっと健康になり長生きできると言っている。

例えば週末の午前中にスポーツクラブに行くと8割方は女性だ。男性はパチンコでもしているだろうか?

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中国の銀行株は割高か?

2007年04月24日 | 株式

今日(4月24日)の日経新聞にバークレイズがアムロを買収するという記事が出ていた。この話自体はかなり前から取り沙汰されており、目新しい話ではない。むしろ改めて認識したのは世界の銀行の時価総額ランキングに出ていた中国の銀行のランクの高さだ。中国工商銀行は時価総額21兆円でシティ、バンカメ、HSBについて世界4番目だ。6、7位には中国建設銀行と中国銀行が来る。三菱UFJは漸く10位に入る。中国の銀行がこれだけ大きいとなると、投資の観点からもっと検討する必要がある。

中国での銀行ビジネスは預貸金利差が大きいので魅力がありそうだ。ウオール・ストリート・ジャーナルはABMアムロ香港のアナリストの意見を紹介しているが、それによると「預金金利は1年固定で2.79%。一方貸出金利は1年で6.39%」である。これは日本などでは考えられないスプレッドだ。それ故に中国の銀行株は人気があるのだろう。ところがウオール・ストリート・ジャーナルによると、中国の銀行の株価特に上海で取引されている株価は高過ぎるだろうという。まず記事のポイントを見てみよう。

  • 中国の銀行株の強気相場は投資家に中国経済と金融システムの健全性の改革に対する楽観主義を反映している。
  • もっとも中国の銀行株に対し懸念を示す人もいる。パシフィック・サン・インベストメント・マネジメントの創業者マンテル氏は「2年という投資期間でみると中国株を空売りすることは誰にでもできるほど容易いことだ」「山ほど悪いニュースがあるが、それらは未だ株価に折りこまれていない」と言う。

つまりマンテル氏は悪いニュースがやがて銀行に収益を悪化させ株価が下落するので、空売りしておいて安くなったところで買い戻せば良いというのだ。悪いニュースの中には、中国政府が景気減速にため金利を引き上げ、貸出活動を抑制しようとしていることも入っている。

  • 先週中国建設銀行の副会長は政府の経済統制と外銀との競争が激しくなることで、貸出の伸びはある程度鈍化するかもしれないと述べている。

中国の銀行株は香港と上海で取引されている。香港市場ははるかに国際的で、国際的な比較を行なう業界アナリストの推奨に敏感である。前述のマンテル氏によると、香港で取引されている中国の国有銀行の株価は、アジアや世界の大手銀行と株価純資産倍率で比べた場合、3割から5割方割高ということだ。

ところが上海では同じ銘柄がはるかに高い値段で取引されている。上海市場は大部分外国人には閉ざされていて中国の個人投資家が売買できる少ない銀行株にファンダメンタル分析よりも希少性に基づいて資金を注ぎ込んでいるという訳だ。

たとえば中国工商銀行の株は昨年10月に香港で上場されてから41%上昇しているが、同じ時に上場された上海では74%上昇している。

さて中国の銀行株は買いかどうかという点についてHSBCのストラテジスト・エバンズ氏は「金融引締めが銀行貸出に大きな影響を与えるとは思わないが、銀行株は良い値段まで買われているので、ニュートラルが良いだろう」と言う。

今私は中国の銀行株を保有していないが、少し前まで香港ベースの東亜銀行という中堅銀行の株を持っていて株価がターゲットゾーンに入ってきたので売却したところである。

中国やインドのような発展途上国の場合、銀行は分厚い預貸利鞘を持っていることが多く、旺盛な資金需要から業容拡大が見込まれるので有望な投資セクターだ。すっかり株価の面で見劣りしている日本の大手銀行の株を処分して、中国工商銀行やインドのICICI銀行に鞍替えする方が面白いかもしれない。たしかにハイリスク・ハイリターンに見えるが、世界戦略が見えない日本の銀行がローリスクとも言えないだろう。

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