Q1 トレッキングに必要な装備はどんなものですか?
基本的には日本の北アルプスを10月中旬頃に登る装備を準備すれば良いと思います。4千メートル以上では気温は夜はマイナス5-10度位まで下がる可能性がありますので、それなりの防寒具(ダウンジャケット)は必要です。一方2千メートル程度のトレッキングルートを歩くときはかなり暑く感じます。温度調整がしやすいレイヤーを準備しておく必要があります。
主な装備としては「寝袋」(マイナス5-10程度)「バックパック(リュック)自分用・ポーター担ぎ用」「トレッキングシューズ」です。ポーターに荷物を担いでもらう場合かならずしもバックパックでなくても良いと思いますが、移動等を考えるとバックパックが便利です。サイズは55-60リッターあれば十分です。
また着替え・水・カメラなどを入れた自分で背負うバックパックが必要。こちらは20-30リッターもあれば十分です。
靴は登山靴でも良いですが、トレッキング用の軽くて底が曲がる靴の方が歩きやすいと思います。私はKeenのトレッキングブーツを2年続けてネパールとレッキングに使いましたが、良い靴だと思います。靴といえば気を配りたいのがインソール。こちらは足に合わせて作りましたが、効果はあったと思います。
なお細かいものではコンセント用変換プラグは必携品。日本のプラグでは差し込めません。
Q2 副食品や非常食は必要ですか?
副食品はその人の嗜好によります。私は2週間程度なら日本食を口にしなくても平気なのですが、漬物や梅干しが欲しいと思う人は持参すると良いと思います。なお行動食(エネルギーバーなど)は持っていくべきでしょう。
Q3 写真を撮ることが好きなのですが、どんなカメラを持って行くときれいな写真が撮れますか?
雪や氷に覆われた山の写真をきれいに撮ろうと思うと、朝夕など太陽光が弱い時間を選ぶことになります。日中は日差しが強くて写真が平板になるからです。きれいな写真を撮るためには明るいレンズが一つの決め手です。私は今回ミラーレスのデジタル一眼と単焦点レンズ(広角・標準)を2本を持って行きました。単焦点レンズの方がズームレンズより切れ味の良い写真を撮ることができるからです。またデジタルカメラの一つの欠点はダイナミックレンジが狭いことです。簡単にいうと明暗差の大きな対象物を撮ることが苦手なのです。ただし最近は一度のシャッターで露出の違う画像を数枚撮り、カメラの中で合成するHDR(ハイダイナミックレンジ)という機能を備えたカメラもあります。HDRなどを使うとかなり「見た目に近い」写真が撮れると思います。
持っていくカメラは画質にこだわるならCCDの大きなデジタル一眼レフ、機動性を重視するならミラーレスでしょうね。
Q4 英語オンリーのガイドを使ってトレッキングを考えているのですが、どれ位の英語力が必要でしょうか?またトレッキングに必要が英語を勉強する方法はあるのでしょうか?
通常の状況であれば「ツアーに頼らず個人で海外を旅行できる程度の英語力」があれば問題はありません。つまり「何が食べたい」「休みたい」程度のことが言えれば大丈夫です。問題があるとすれば「病気になった時」や「予想外の事態(今回は選挙に対する反対勢力がゼネストを行うので急に最後のスケジュールを変更するということが起きました)が発生した場合」です。病気については保険会社の手引などに和英対照表がありますから、バックパックの中に入れておくと良いでしょう。「予想外の事態」は滅多にないので腹をくくるしかありません。
トレッキングに必要な英語を勉強する方法はしっかりした英語のトレッキングガイドブックを読むことです。そうするとacclimatize(高度順応)とかrhododendron(シャクナゲ)など日頃目にしない言葉を覚えることができます。またトレッキング計画を作る時かならず地名を含めて英語(ネパール語のアルファベット表記を含む)で作っておくことです。それによってある程度発音(LとRの違い等)が分かり通じやすくなると思います。