金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

寝過ごし防止機作ってくれんかなぁ

2007年02月16日 | インポート

昨日少し深酒をして山手線で数駅乗り過ごした。少し気だるい気分で今日パラパラとエコノミスト誌を拾い読みしていたら日本人は酔っ払いをもビジネスの種にするという記事が出ていた。まずポイントを見てみよう。

  • カラオケの後酔っ払ってふらふら帰るサラリーマンの姿は鮨屋や弾丸列車とともに現在の日本を特徴づけている。大部分の先進国でアルコールの消費量は減少しているが、日本では大酒飲みは過去30年間で倍増している。厚生労働省によると日本人の約2%はアルコール中毒である。
  • 日本人は酒は部下が本音を上司に語る機会を提供するということで大酒飲みを伝統的に許してきたが、昨年福岡で起きた飲酒運転事故で3人の子供が死ぬということがあって以来風潮が変わってきている。
  • トヨタはハンドルに手の汗からドライバーのアルコールレベルを検知する仕組みを持った車を販売する予定だ。また日産は車をスタートさせる前にドライバーがアルコール検知器に息を吹き込まねばならない装置のテストを行なっている。
  • NTTドコモとKDDIはバス・タクシー会社向けにアルコール検知器を組み込んだ携帯電話を販売している。これらは安くない。ハードが一台8万9千円でソフトが5万8千円だ。しかしKDDIは昨年秋以来400台を既に売っている。
  • もう一つの成長分野は運転代行業だ。日本全体で6千社以上の代行業者がいる。

これに加えて記事は車の運転代行の他、フジタクシーという会社が自転車の搬送装置の特許を取っていると報じていた。つまり酔っ払って自転車を運転するのは危険と感じる人をタクシーに乗せ、自転車を車の後ろに搭載するという訳だ。面白いのでインターネットで調べるとフジタクシーは富士タクシー、愛媛の会社だった。http://www.intercycle.co.jp/fuji/new.htm

記事によるとこの自転車運搬装置は2005年には350回使われただけだったが、昨年は5千回も使われたらしい。

記事は日本のサラリーマンは酒をやめることはないだろうが、少なくともより安全に家に帰ることが出来るようになったと皮肉っている。

ドコモやKDDいがここまで頑張っているなら、ついでにJRと協力して居眠り防止装置付きのIC定期券でも考えてくれないだろうか?つまり携帯電話にスイカ定期券を載せておき、下車駅の手前に近づくとポケットの中の携帯電話が猛烈に振動する様にしておくというのはどうだろうか?もしこのような装置が出来たなら私は絶対買うと思うが、世のお酒好きの方々はどうだろうか?

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ETF、良い投資方法だが流動性が問題

2007年02月16日 | 株式

今日の日経金融新聞の囲み欄(複眼独眼)にETF(上場型投信)が「株式投信へ偏重した個人の投資リスクを分散させるにはETFは格好の受け皿商品ではないだろうか?」ということが書いてあった。限られた紙面なので言葉足らずになることは割り引いて読まないといけないが、それにしても金融専門紙とは思えないお粗末な意見である。

つまりストレートに読むと「ETFは株式投信のリスクを分散させる」ということになるが、事実はETF自体株式市場全体または特定のセクター等に連動しているのでまさに株式市場のリスクそのものということになる。

この筆者は恐らくETFは「個別株式銘柄の価格変動リスクを分散投資で排除することができる」と言いたかったのだろう。少し専門的な言い方をすると、ETFはアンシステマティックリスク(個別銘柄リスク)を排除しながらシステマティックリスク(市場リスク)を取る商品であるということになる。

ところでETFが良いか株式投信が良い?という議論もずさんである。ETFはパッシブ商品だが、株式投信にはパッシブとアクティブがある。アクティブ型投信とETFを比較してもこれはパッシブ運用が良いのかアクティブ運用が良いのか?という話になり、小さい紙面で説明できるものではない。

ただパッシブ投信とETFとどちらが良いか?ということであれば簡単に議論できる。それは信託報酬や販売会社の販売手数料を比較すれば良いからだ。私が投資していた大和投信のトピックスコア30の信託報酬は0.231%、一般の投信に比べて報酬は安いと思う。

因みに言えば過去1年程度運用したところでは、トピックス全銘柄型のETFよりコア30の方がパフォーマンスが良かった。これは小型株と大型株の運用パフォーマンスの差である。近時小型株がアナリストのカバレッジから外れる傾向があり、小型株が余り買われないので小型株のパフォーマンスが上がらないという気がする。

以上の観点からETFのトピックスコア30は私が推奨する投資商品なのだが、欠点は流動性が低いということだ。つまり売りたい時に理論的な価格で売りたい株数を捌けないリスクが感じられるということだ。そこを理解した上で投資するならこれは現時点で最も合理的な個人向け商品である。

それにしてもこんなテレビ番組「あるある大事典」なみにお粗末な新聞を高い金を取って販売してよいものなのだろうか?

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