今日(10月30日)日中に流れたニュースの中に、「東京高裁が、同性婚を認めない民法などの規定は憲法に違反する」という判決を言い渡しました。
私は同性婚の問題について、これまであまり関心がなく、詳しいことは知らなかったのですが、ちょっと勉強してみようと思いたちました。
なぜなら同性婚を認めている国は西側先進諸国に多く、それらの国々は「包摂性が高い」国です。包摂性とは「すべての個人が社会の一員として認められ、平等な権利と機会を享受できる状態」を指します。包摂性が高い社会では、性別、人種、性的指向、宗教などに関係なく、すべての人々が尊重され、受け入れられる環境が整っています。
今読んでいる「国家はなぜ衰退するのか?」(今年ノーベル経済学賞を受賞したアセモグル氏たちが著者)によると「特権階級が資源や権力を独占する収奪的社会は長期的には衰退するが、すべての人々が経済活動に参加できる機会がある包摂的社会は、経済成長により持続的に発展する」と結論付けられます。
このように考えてくると「同性婚を認めるか認めないか」という問題を、同性婚を認めないとする法律が憲法に違反しているかどうかという視点だけで論じるのではなく、それが「包摂性の高い社会を作るという理念に適っているかどうか」という視点から論じる必要があります。
ところで国や国民の権利義務の基本を定めた法典は憲法ですが、国を越えて世界中の人々の行動規範を定めたものに国連憲章やその下部規定としての国際規約がありますね。
すでに同性婚を合法化している国々では、1948年に国連で採択された世界人権宣言や1966年に採択された国際人権規約を一つの論拠にして、同性カップルの権利拡大をはかっていったようです。
ここで人工知能の力を借りて同性婚に関する諸外国の法制度を調べてみました(裏はとっていませんので間違いのある場合はご寛容ください)。
アメリカ合衆国: 2015年最高裁が合衆国全体で合法とする判決をくだした。
イギリス:2013年に「同性婚法」が成立し、翌年から同性婚が合法化された。
ドイツ:2017年に同性婚が合法化された。
フランス:2013年に「同性婚法」が成立した。
スウェーデン:2009年に同性婚が合法化された。
中国:同性婚は合法ではなく、社会的な受容度は低い
韓国:同性婚は合法ではないが、同性カップルの権利を求める運動は活発化している。
欧米諸国は15年から10年位前に同性婚を合法化しているということができます。
個々の国がどのような経路を経て、同性婚を合法化していったか?ということは私の勉強の射程外ですが、その根底に包摂性ということを意識した各分野の指導者がいたのではないでしょうか?