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里やまのくらしを記録する会

埼玉県比企郡嵐山町のくらしアーカイブ

里やまのくらし 1 吉田

2008-05-22 21:07:00 | 吉田

 手白神社の祭典

 町の天然記念物に指定されている二本の杉の大木がある手白(てじろ)神社の春季例大祭は4月17日の日曜日に行われました。一九一三年(大正2)、大字吉田にある峯野神社、琴平神社、五龍神社、六所神社、厳島神社の五社が手白神社に合祀(ごうし)されました。みごとな彫刻のある本殿は、六所神社の建物を移したものです。

 手白神社は手の神様として信仰されてきました。手や腕の病から裁縫・機織りまで御利益(ごりやく)があるといい、神社合祀を記念して「手白講」が始められました。当時の講の規約には、「講の納金は代参一人金五十銭、代参の方には粗飯及神酒を呈す、一般の講中諸君へは、お札供物並に当地に安置し奉る蚕影山を祈願し養蚕大豊熟のお札を併せ提供す」と書かれています。蚕影山(こかげさん)は現在、宗心寺境内にあり、養蚕の盛んだった時代を偲(しの)ばせます。昭和初年には、関東一円に四五〇もの手白講がありました。

 代参の人々や参拝者に食事やお酒を出して接待し、お札や絵馬を取扱っていた「手白家(てじろんち)」は、福島銈一家の屋号です。当時は、神社石段の南側にあり、中二階の建物でした。神社に隣接して四阿(あずまや)や二段の池を公園風に作り、上の池から中二階に板を渡して、下の池の噴水を見ながら出入りできました。大祭があった旧暦三月十五日には、「十銭店(じっせんだな)」とよばれる露店が並び、青年団の素人演芸も催され、境内は大いに賑わいました。

 写真は昭和五〇年頃の演芸会です。社務所の前に舞台が作られ、社務所は出演者の楽屋になりました。演目は八木節、炭鉱節、人生劇場等々で、見物の人たちも輪になって秩父音頭等を踊りました。

 井戸水に頼った生活

 四月七日、吉田第一公民館で茶話会がありました。参加者は、小林美知子、内田千代子、内田つる子、小林稔枝、小林春子、小林保子、福島たけ、島田ヨネさんの8名。昭和30年代から40年代にかけての高度経済成長の時代、世の中は大いに変わりました。ちょっと昔のその頃の、くらしぶりを回想してもらいました。

 蛇口をひねると、使いたいときに、使いたいだけ水をだすことができるようになったのは、いつからでしょう。嵐山町では、一九六一年(昭和36)の春、菅谷地区内の家々の井戸水がかれて、となり近所の水争いが起こりました。となりの家よりも井戸を深くして水を手に入れようと、夜中にこっそりと井戸を掘った人もありました。水道をつくる運動がおこり、一九六三年(昭和38)、菅谷・川島・志賀・平沢・千手堂を給水区域とする簡易(かんい)水道が完成、一九七三年(昭和48)には、町全体に上水道をひくことができるようになったのです。

 島田ヨネさんが結婚して吉田に来た一九六六年(昭和41)、家には井戸が二本ありましたが、水道はまだ入っていませんでした。井戸から動力ポンプで水を汲み上げる自家水道にもなっていなかったので、洗濯機には、井戸水をガチャポンと呼ばれた手動ポンプで汲んで使いました。勝手には水がめがあり、流しにはまだ蛇口がない時代でした。「女どもはたいへんだ」と言って舅(しゅうと)の要(よう)さんが、井戸をもう一本掘ってくれましたが、井戸の水量を気にする生活を送っていました。井戸水が不足した時には、およそ一キロメートル離れた、江南町塩の地獄沼でオシメを洗ったり、子供用のプールに沼の水を汲んで耕耘機で家まで運んで風呂やちょっとした洗い物に使ったこともあったそうです。

 嵐山町の水道は現在、町内の三つの水源井(すいげんい)と町の総配水量の20%をしめる県水を使っています。

          嵐山町『広報』2005年5月号より作成

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