「さとかず」の読書のススメ

シンガポールから送る独断的な読書録
(基本ルールとして、単行本は出版社名、文庫本は文庫シリーズ名を記載)

タイのクーデターに思うこと

2006-09-20 13:34:14 | 歴史・戦争
’91年にまさかと言われたクーデター(陸軍士官学校5期のスチンダ将軍のグループが当時の首相のチャートチャイ氏に対して起こしたもの)が起こり、’92年に軍同士の衝突もありえた流血の騒乱、そして、完全に民政に落ち着いたと思われたタイで’06年9月19日にクーデターが起こりました。
さすがにタクシン首相(すでに元首相?)の強引とも言えるやり方や私財に関する批判があったのは確かなのですが、野党サイドも政権を奪取できなかった事実もこのクーデターの要因のひとつでもあるのでしょう。

タイの陸軍は3軍(陸軍、空軍、海軍)+警察(4番目の軍隊とも言える)の中での軍をリードする集団。また、陸軍司令官はポジション的にはその上の国軍司令官よりも実質権力をもっています。映像の5人は各軍の司令官+国軍司令官(では?)。

15年前のクーデター後に起こった騒乱騒ぎを思い起こしても、どう民政にソフトランディングさせるか、これが今回のクーデターの是非を判断する試金石なのかもしれません。

読了本(だいぶ前に読んだ本ですが)
「タイ現代政治史 国王を元首とする民主主義 加藤和英 弘文堂」
「クーデターの政治学 岡崎久彦、藤井昭彦、横田順子 中公文庫」

タイの無血クーデターのタイの政治に及ぼした影響などを読んでみてはいかがでしょう。
最後にタクシン氏を引き摺り下ろすには現国王が健在な今をおいてなかったのかもしれませんが、軍の隠然とした力もこれまた健在であったことを示す今回のクーデターでした。

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