中道かどうかではなく、その政党、政治勢力がどのような政策、政治理念を掲げるかが問題なのだと思います。現在の日本政治経済の閉塞状況を作り出した原因は、長期にわたる自民党型政治によってもたらされた点はだれでも理解できると思います。では自民党型政治とはなにかです。中道、右翼、左翼かとの抽象論、呼称が問題なのではありません。
自民党型政治とは「利権」を使った利益誘導、企業特に大手企業の政治資金を手にするために大手企業の利益確保を最優先した政策立案、政権運営です。その代表的事例が政府の諮問機関に有識者代表として経団連の幹部を配置して、彼らの政策提言を国家政策に反映させてきたことです。また、その中に新自由主義者、市場経済万能論をとる経済学者を知識人代表として取り込み、もっともらしい理屈付けを行ってきたことです。ゼネコンに利益をもたらし、ゼネコンからの政治資金吸い上げが公共投資という名の下で継続してきました。その結果無駄な道路、ダム、巨大な橋建設などです。また、ゼネコン、電力会社、重電メーカーを利する原子力発電、エネルギー依存も自民党型政治の原型です。その結果、福島原発事故となりました。
もう1つは、アメリカ政権、アメリカ軍の言いなりの軍事、政策運用です。アメリカに占領されているかのような、沖縄米軍基地、基地の犯罪、日本の基地からの軍事作戦を容認する姿勢、核兵器の持ち込み問題です。その結果、アメリカ政権の意向に逆らうような政治決定は出来ず、常にアメリカ政権を利する政策誘導、政治決定を行っています。それが普天間基地問題で鳩山政権が退陣し、自民党元安倍政権が政権を投げ出したことにつながりました。原子力エネルギー政策ではアメリカ政権からの一声で、自らが決めた新戦略を反故にしてしまいました。自民党、民主党などの自民党型政治家はアメリカ政権の指示、意向を絶対して政治運営、政治決定を行うことが最大の特徴です。
<中道という理念>
先々週の本欄で、民主党に中道政党になれと書いたら、時を同じくして民主党の幹部が中道リベラルという言葉で自分たちの性格を説明し始めた。新聞報道によれば、安倍晋三自民党総裁が民主党の中道を大衆迎合と批判し、仙谷由人氏がそれに猛反発しているとのこと。
民主党がみずからを中道と言いだすのは、付け焼刃の感がある。しかし、政治状況に鑑みれば当然の発言である。事の始まりは、自民党が安倍氏を総裁に選び、石原慎太郎氏が橋下維新と提携して右側に第三極を作り出そうと言いだしたことである。こうした動きは、保守が右翼過激派になったことを意味する。軍事力によって領土紛争を解決できるとか、憲法改正で統治機構をいじれば世の中がよくなるなどというのは、すべて妄想である。
昔は、過激派と言えば左翼と相場が決まっていたが、左翼が凋落した今は、右翼の方に元気な過激派が多くなった。しかし、過激派が権力を取って妄想を追求すると「ろくな」ことはないというのが、中道の知恵である。
大きな理想を掲げるが足元から着実に政策を実現する、隣国に無意味な喧嘩は売らない、利害を異にする相手に対しても敬意を持って臨むなど、一連の大人の態度を中道と呼ぶなら、中道は現在の右派に対する対立軸となる。次の選挙に向けて対立構図の整備を急ぐべきである。
人気ブログランキングへ
自民党型政治とは「利権」を使った利益誘導、企業特に大手企業の政治資金を手にするために大手企業の利益確保を最優先した政策立案、政権運営です。その代表的事例が政府の諮問機関に有識者代表として経団連の幹部を配置して、彼らの政策提言を国家政策に反映させてきたことです。また、その中に新自由主義者、市場経済万能論をとる経済学者を知識人代表として取り込み、もっともらしい理屈付けを行ってきたことです。ゼネコンに利益をもたらし、ゼネコンからの政治資金吸い上げが公共投資という名の下で継続してきました。その結果無駄な道路、ダム、巨大な橋建設などです。また、ゼネコン、電力会社、重電メーカーを利する原子力発電、エネルギー依存も自民党型政治の原型です。その結果、福島原発事故となりました。
もう1つは、アメリカ政権、アメリカ軍の言いなりの軍事、政策運用です。アメリカに占領されているかのような、沖縄米軍基地、基地の犯罪、日本の基地からの軍事作戦を容認する姿勢、核兵器の持ち込み問題です。その結果、アメリカ政権の意向に逆らうような政治決定は出来ず、常にアメリカ政権を利する政策誘導、政治決定を行っています。それが普天間基地問題で鳩山政権が退陣し、自民党元安倍政権が政権を投げ出したことにつながりました。原子力エネルギー政策ではアメリカ政権からの一声で、自らが決めた新戦略を反故にしてしまいました。自民党、民主党などの自民党型政治家はアメリカ政権の指示、意向を絶対して政治運営、政治決定を行うことが最大の特徴です。
<中道という理念>
先々週の本欄で、民主党に中道政党になれと書いたら、時を同じくして民主党の幹部が中道リベラルという言葉で自分たちの性格を説明し始めた。新聞報道によれば、安倍晋三自民党総裁が民主党の中道を大衆迎合と批判し、仙谷由人氏がそれに猛反発しているとのこと。
民主党がみずからを中道と言いだすのは、付け焼刃の感がある。しかし、政治状況に鑑みれば当然の発言である。事の始まりは、自民党が安倍氏を総裁に選び、石原慎太郎氏が橋下維新と提携して右側に第三極を作り出そうと言いだしたことである。こうした動きは、保守が右翼過激派になったことを意味する。軍事力によって領土紛争を解決できるとか、憲法改正で統治機構をいじれば世の中がよくなるなどというのは、すべて妄想である。
昔は、過激派と言えば左翼と相場が決まっていたが、左翼が凋落した今は、右翼の方に元気な過激派が多くなった。しかし、過激派が権力を取って妄想を追求すると「ろくな」ことはないというのが、中道の知恵である。
大きな理想を掲げるが足元から着実に政策を実現する、隣国に無意味な喧嘩は売らない、利害を異にする相手に対しても敬意を持って臨むなど、一連の大人の態度を中道と呼ぶなら、中道は現在の右派に対する対立軸となる。次の選挙に向けて対立構図の整備を急ぐべきである。
人気ブログランキングへ
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます