“さるかに合戦”  臼蔵 と 蜂助・栗坊 の呟き

震災や原発の情報が少なくなりつつあることを感じながら被災地東北から自分達が思っていることを発信していきます。

ガレキと呼ばれてここにある

2012年01月15日 06時00分12秒 | 蜂助の呟き
 こんにちは、蜂助です。今日は、瓦礫=ガレキ=がれき の話です。

 広辞苑で「瓦礫」は、①瓦と小石 ②価値のないもののたとえ と書かれています。津波で大量に作られたのは本来の意味の瓦礫ではないですね。瓦や小石よりも、家や建物の破片である木やコンクリート、鉄、自動車や船、大木、衣服や布団・家具・おもちゃ・写真などの生活臭のあるものなど限りがありません。

 私は瓦礫ということばにずっと違和感を持っています。ある若者が、瓦礫に「オモイデ」というルビを振ってというようなことを書いていました。すばらしい表現だと感動を覚えました。

 石巻市の弁護士の庄司捷彦(しょうじかつひこ)さんと言う方が詩に書いています。私はこの詩が好きです。


   墓 標

三月十一日
午後三時前後に
出来てしまった
たくさんのガレキたち
  それは壊された家屋である
  それは流された車である
  それは陸に揚がった船である

これらがガレキと呼ばれるのは
  すべてが持ち主の意志に反して
  そこにあるから
  すべてが元の容貌(かたち)を留めないで
  そこにあるから
  すべてが元のように使えない姿で
  今ここにあるから

宅地に折り重なってここにあり
道路を占拠してここにあり
ガレキと呼ばれてここにある
  それは喪われた街の残影
  津波の前の 街の思い出
  大漁の思い出
  今はガレキと呼ばれている

失われた街の
失われた生命たちの
悲しい墓標
ガレキたち

(2011・4・19)



最新の画像もっと見る

コメントを投稿