“さるかに合戦”  臼蔵 と 蜂助・栗坊 の呟き

震災や原発の情報が少なくなりつつあることを感じながら被災地東北から自分達が思っていることを発信していきます。

「脱原発が電力会社の経営に与える影響について」

2012年07月10日 11時00分00秒 | 臼蔵の呟き
現在の日本の政治経済の構造を一番よく体現している電力会社、原子力関連産業、大手金融機関(巨額の資金を貸せている)、政権、経済産業省(原子力保安(不安)院)、御用学者の集団=これらを原子力「村」と称しています。このかたがたは、組織的には選挙権を持っていませんが、日本の政治経済を牛耳り、根底で自らに有利な方向に誘導(国家権力をも)しています。とんでもない集団です。彼らを唯一規制するのは国民、市民運動と批判だけです。そのためには、かれらの情報を出来るだけ正確に開示し、彼らの思惑、弱点、狙いが何かを多くの国民、市民に知らせることと思います。
内橋克人さんが、自覚的な市民、消費者という趣旨の言葉を使っています。自覚的とは「ただ安ければよい」として行動するのではなく、その行為によって、生産者が、地域社会が、環境が、消費者が安心、安全、継続的に生産、労働、生活できるかを考える市民、消費者と定義しています。日本の政治、閉塞状況を打開するうえでも非常に重要な行為、行動と思います。以下は原発ゼロの会における報告内容です。
<報告>
 原子力政策大綱の策定会議の委員を務める金子勝慶応大教授が興味深い指摘をしたのは、6月29日に開かれた超党派「原発ゼロの会」などによる「国会エネルギー調査会(準備会)」の第7回会合だった。
 出席者に配られたのは「脱原発が電力会社の経営に与える影響について」という、経済産業省資源エネルギー庁の電力・ガス事業部作成の文書。「再稼働なしに脱原発」の場合の電力会社の経営に与える影響が記されており、「廃炉決定の際の除却損、解体引当金引当不足額」という一覧表が金子教授の目を引いた。
 再稼働なしに脱原発は当然、将来的には原発ゼロとなり、今後は廃炉ラッシュとなる。一覧表は、全国の全原子炉について、個別に、2011年度をもって解体を決めた場合に必要な引当金の総見積額、それに対して11年度末までに実際に引き当てをすませた金額、さらに12年度に廃炉決定した場合の引当不足額などを示している。
 「稼働年数で(すでに充当した)引当金を割ると、平均の引当額が出てくる。引当不足額をこれで割ると、すごく面白いことがわかる。ラフな計算だが、柏崎刈羽の2~4号機のように、危なっかしい、動いたり止まったりしている原発は、50年稼働させないと引当不足。浜岡5号もそう。美浜の2号も(原則廃炉の)40年以上に延長したい。50年を超えて動かさないと引き当てできない。だから、無理やり(長い年数にわたって)動かそうとしている。危ない原発ほど引き当て不足。電力会社はそれを動かしたくなり、保安院は意識的にそれをサポートしようとしているように見える。私はひねくれるのが商売なので、直球をカーブにしたくなる」(金子教授)
 稼働20年の柏崎刈羽2号機の場合、年平均の引当額は14億円。12年度をもって廃炉とした場合の引当不足額は374億円あり、平均の年14億円ペースで引き当てていくなら、あと26.7年稼働させる必要がある。つまり計46・7年の稼働だ。同様に見ていくと、稼働17年の同3号機は、引当完了まで30.6年かかる。16年の4号機は完了まで32.9年。ほとんど50年動かさないと、廃炉の費用を引き当てられない。浜岡5号はまだ稼働6年だが、これまでの年平均の引き当てペースなら、引き当て完了まで48.5年を要する。計54.5年も動かさなければいけないというわけだ。
 すでに40年の美浜1号に至っては、年わずか5・6億円ペース(多くは15~20億円)で引き当てをしてきたため、完了には何とさらに16・6年動かし続けることが求められる。56・6年も稼働させることは不可能だろうが、その場合、引当不足が生じるわけで、電力会社の経営を圧迫する。だから少しでも長く動かしたい。というのが金子教授の見立てだろう。
 総じて、現時点での引当不足が目立つのは、東北電力の女川と東通、東京電力の柏崎刈羽。引き当て完了まで最短は3.9年の玄海1号だが、すでに35年間動いているから、合計すれば約40年…。
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