札幌は曇り空、寒い一日の始まりです。雪はかなり融けましたが、仙台のように開花宣言が出されるまでには後、3週間はかかると思います。
自民党西川委員が予算委員会で「教育」「歴史教科書」問題に関して質問を行いました。自民党の基本的教育観をとうとうと述べた後で、従軍慰安婦問題はマスコミが捏造した歴史、どこの国の軍隊も行っていること(軍人の売春行為)、売春婦を戦地に連れてきたのは日本軍は関与していない、売春を職業として行った女性がいただけと述べました。
また、南京事件は何十万もの中国人民は虐殺されていない。日本軍が南京へ入場したときは整然と行われた。また、入場に当たって、南京の人が歓迎したのだ。したがって、南京事件などは「なかった」のだと。
本当に、自民党中枢の歴史認識は時代錯誤もはなはだしいものです。この西川議員は自民党文教部会の中枢幹部(自らが語る)とのことでした。国際的には過去の侵略戦争という歴史的誤りを認めて、謝罪し、その反省に基づき、平和国家としての憲法制定、政治体制、政治経済運営を行ってこそ認知されることは周知の事実です。
日本は、資源が少なく、国際的な商取引が必須の国家です。日本には輸出しない。日本製品に対してボイコット運動が起きれば、日本経済自身が全く機能しないことは誰でも理解できることです。しかし、自民党、維新の会などウルトラ右翼勢力は過去の侵略戦争をまともに認めず、その反省を拒否し、侵略行為を肯定するというとんでもない歴史観を政治の舞台で展開しています。彼らは、野田民主党政権のだらしなさに助けられ、12年年末の選挙でたまたま、消去法で政権に復帰しただけであり、彼らの憲法改正、歴史観を選挙民が支持したわけではありません。
そもそも、韓国併合、日本語の強要、日本軍による簡易通貨発行、満州への侵略、満州国の設立、中国侵略行為は韓国、中国人民が要請し、大歓迎するような政治経済、軍事的な出来事ではありません。そのようなことがありうるはずがありません。なぜ、植民地化された各国が独立しようとするか、独立しているかを考えたら分かりそうなものです。民族が違い、言語が違い、文化が異なる国家、政治勢力、軍隊が他国を支配し、支配された国家、人民が喜ぶなどがあろうはずがありません。本当にそう思っているとしたら、よほどの無知か、侵略を認めたると自らの過去、家族などの恥部をさらけ出すことになってしまう高級軍人、軍属、戦争遂行勢力として旗を振った人間たちです。
慰安婦問題、南京事件などは侵略戦争の一部であり、あきらかにされていない軍事行動、報道されない殺戮行為が存在しているはずです。第二次世界大戦、中国侵略戦争、アジア侵略戦争では日本人を含めて何百万位人もの人民が殺害され、死亡したことは事実です。大きな視点で歴史を俯瞰すれば報道されているような慰安婦問題、南京事件などを含めた、侵略戦争の間違いが指摘され、裁かれているのだと思います。その歴史観、歴史認識を持つかどうかがわれわれに問われています。日本が本当に国際的に認知され、対等に外交通商関係を築きたいのであれば、どちらを選択するかは自明のことです。