“さるかに合戦”  臼蔵 と 蜂助・栗坊 の呟き

震災や原発の情報が少なくなりつつあることを感じながら被災地東北から自分達が思っていることを発信していきます。

格差社会の問題②

2012年02月12日 15時00分00秒 | 臼蔵の呟き
NHKで「由紀さおり」さんの歌がアメリカで受け入れられていると報道していました。彼女の声がアメリカ人にとって「いやし」の歌として受け入れられているとのことです。英語の音域は日本語より高いことが「いやし」と受け取られることに関係しています。この話と規制緩和、格差拡大、競争に追われるアメリカ社会と重なります。朝早くから働き、人種差別が厳然と存在し、1%富裕層が支配する社会がアメリカです。
犯罪率が非常に高く、アメリカ軍は世界各国で軍事行動を行っています。常に誰かを攻撃して生きています、攻撃するということは自らが常に攻撃される、死の恐怖と背中合わせに生きていることともなります。イラク、アフガン戦争に従軍した戦士が精神病に犯されて、社会適応能力がなくなって社会問題となっています。これらを見てもアメリカの社会的病気が分かると思います。その根底に新自由主義、規制緩和、自由競争、自己責任は正しく、その考え方を世界各国に広めると政治・経済思想が存在しています。その考え方を軍事力で維持、拡大しようとしてます。
アメリカの大手企業経営者は労働者の100倍を超える給与を得ています。オバマ政権自身も規制しようとするほど深刻な問題です。日本も格差拡大といっていますが、トヨタの社長は年収1億円とするとその倍率は10から15倍くらいでしょう。100倍は想像を絶する格差です。アメリカ、イギリスではこのような高額報酬が存在しています。これらが階級社会を作り出し固定化させています。どの階級出身かはその後の人生、生き方を決めてしまいます。日本でもそのような動きが始まっています。大学で親の年収が一番高い大学が東大です。私立の慶応大学よりも高いとのことです。なぜか、公立中学、公立高校出身者は東大にはなかなか入れません。東大の入学者の多くは私立高校(灘高校など)出身者です。私立高校の高額授業料、塾代などを支払うことが出来る家庭の子供しか高学歴、大学に入学できなくなっています。子供本人の能力評価ではなく、学力が親の収入に左右され依存している社会は「いびつ」です。もし「いびつ」と思わない社会に日本がなっているとしたら、このことこそが深刻な社会問題です。人間としての生存権を憲法は権利として規定しているのです。
政治家の多くが二世、三世で占められています。参議院中曽根、麻生太郎、安倍晋三、福田、中川昭一(死亡)、河野太郎、河野洋平、谷垣、小泉などはその典型です。自民党議員の多くはこのような政治家の二世、三世でしめられています。スポーツでも長島一茂、野村克典さんなどがいます。スポーツは実力がない限り、二世、三世でも試合には出られず、脚光を浴びることは出来ません。そのことは、その世界では通用しないことを意味します。政治の世界にはそのような評価、責任を取る制度が存在していません。
高額所得者の中に医者がいます。富裕層の15%が医者だといわれています。医者の子供は医者というのも一般化してきています。医学部受験までの教育費、医学部の授業料を負担する能力、親の収入に左右されています。職業における機会平等も犯されてきています。封建制と同じです。武士→武士、商人→商人、農民→農民が明治維新で否定されて、職業の機会平等がうたわれました。しかし、2000年になって、形を変えた職業の機会平等性が失われようとしています。これらの格差是正、機会の平等を保障する社会的措置、政策が必要になっているのだと思います。

格差社会の問題①

2012年02月12日 11時02分21秒 | 臼蔵の呟き
岩波新書「格差社会何が問題か」橘木俊詔教授の論文です。その分析を読んで感じたこと。日本の格差拡大は中曽根自民党政権時代から始まり、小泉政権で規制緩和、自由競争、自己責任論で急激に加速、悪化したということがよく分かります。小泉は「格差はどこの社会にもあり、格差が出ることは悪いことではない」「成功者を ねたんだり、能力のある者の足をひっぱたりする風潮を慎まないと社会は発展しない」と国会の場でも主張しました。国家指導者でこのようにあからさまに「格差を容認する」発言を堂々としたのは珍しいと橘木さんは述べています。そのくらい、自民党は退廃していたのだと思います。また、当時の政治経済の閉塞感が、行き詰まり、方向が見えなくなったのだと思います。当時、フランスでも格差拡大があった。そのときのフランス政権の主張、対応は小泉とはまったく正反対の対応でした。小泉、竹中がとった方針は新自由主義路線の徹底、日本版です。堀江、村上ファンドなどがその代表的事例です。

日本はジニ係数で分析するとポルトガル、イタリア、アメリカ、ニュージランド、イギリス、日本、オーストラリアの順とのことです。当時はニュー時ランドが規制緩和で経済の活性化が進んだと世界的にも話題となっていました。とにかく格差拡大の差では先進国で上位に位置していることは確かです。その元で生活保護世帯の一貫した増加が続いています。95年に60万世帯前後が2005年には100万世帯前後まで増加しています。貯蓄を持たない世帯(2人以上の世帯)2005年22.8%まで上昇しています。貯蓄0世帯の増加は生活困窮の1つの現れと見ることが出来ます。1970年代の貯蓄0世帯は5%でしたから4倍に増加したと見ることが出来ます。自己破産件数は1995年4万件→2003年24万件と6倍に増加しました。


貧困者の増大がもたらす矛盾は、第一に、経済効率が悪化する問題です。労働意欲が悪化、停滞し、社会の活力が奪われること。第二に、失業者の増大により、人材の活用が出来ないことを意味します。第三に、犯罪の増加に連動する点です。社会的不安定化につながります。第四に、貧困者、失業者の増加は、社会的経費負担を急激に増加させます。失業保険給付費、生活保護費の増加をもたらしています。第五に、倫理的な問題です。いじめの増加、階層社会への不安です。以上が、橘木教授の指摘です。2005年時点での分析です。2012年時点でもそのまま正当性が証明できる指摘です。しかも、橘木教授はどちらかといえば競争容認、規制緩和賛同研究者です。それは彼が随所でそのことを自ら記述しています。しかし、その橘木教授がこう分析、指摘せざるを得ないくらい深刻な格差拡大が進行、定着しつつある点です。昨年のニューヨークウォールストリート占拠抗議と通じています。今までの政治経済運営を変える、違う物差しで考えないと日本は社会的な混乱を引き起こす可能性が出てきていることだけは確かです。

豪雪被害と復興庁

2012年02月12日 06時01分12秒 | 蜂助の呟き
こんにちは。蜂助です。今日は、深刻な豪雪被害と復興庁の話です。

新潟県出身者から聞いた話です。この方は定年になってからお母さんの面倒を見るために新潟の実家にしょっちゅう行っています。大雪のため1日3回も雪下ろしをしたそうです。札幌出身の方も来週、地元に帰って雪下ろしをしてくると言っていました。

全国で深刻な大雪となっています。先日行った九州でも福岡県でも大分県で雪が舞っていました。全国的に記録的な大雪に見舞われています。

各地で雪下ろし中の事故が起きたり、岩手県では遊びに来ていた孫が2人とも屋根から落ちてきた雪で亡くなったり悲惨な事故も起きています。秋田県の玉川温泉で3名が雪崩れ被害にあったのも誰も予想ができませんでした。

山形市では2月2日に積雪93センチとなり31年ぶりの豪雪となりました。青森県でも2月6日までに雪の被害による死傷者は213名となっているそうです。

豪雪は全くの天候被害なので、致し方のないこともあります。しかし、東日本大震災の復旧・復興と原発事故被害からの復旧・復興は、発生してから11ヶ月が過ぎてしまいました。やっと、復興庁が2月10日から業務を始めましたが本当に司令塔になれるのでしょうか。