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“さるかに合戦”  臼蔵 と 蜂助・栗坊 の呟き

震災や原発の情報が少なくなりつつあることを感じながら被災地東北から自分達が思っていることを発信していきます。

政治と市民

2011年08月19日 20時00分00秒 | 臼蔵の呟き
 山口二郎教授の寄稿文(原文) 北海道大学教授(政治学)

 政治に対する市民の参加について論じる前に、この1か月の間に日本政治で起こった出来事について考えなければなりません。多くの国民が震災と原発事故で塗炭の苦しみを味わっている時に、国会議員が永田町に閉じこもって権力闘争にうつつを抜かすとは何事かと、日本人はみな呆れかえっています。

私自身、民主党の議員たちに、何度か政治家としての務めを誠実に果たすように訴えました。私はその時、アルベール・カミュの『ペスト』という小説の一節を紹介しました。ペストの流行で完全に封鎖された町と、放射能に脅かされる現在の日本が重なり合い、不条理とどのように戦うかに人間の値が現れると思ったからです。ペストの主人公、リウー医師は言いました。

「今度のこと(ペストの流行)は、ヒロイズムなどという問題じゃないんです。これは誠実さの問題なんです。こんな考え方はあるいは笑われるかもしれませんが、しかしペストと戦う唯一の方法は、誠実さということです。(誠実さとは何かと問われて)僕の場合には、つまり自分の職務を果たすことだと心得ています」

 被災地住民のみならず、多くの日本人が職務を果たし、震災と原発事故という不条理と懸命に戦っています。それを見て自ら襟を正せないような政治家は、もはや国にとって有害な存在です。

 世論調査が示すように、国民は野党が政権を取っても、原発事故対策がうまく行くとは思っていません。現状は、与野党を超えた政党政治の危機なのです。すばらしいリーダーが出現して山積した問題を一挙に解決するなどというシナリオを描く方が、無責任です。むしろ、問題の根の深さを認識し、一歩一歩課題を処理していくという覚悟を決めなければなりません。一度決めたことはどんな弊害を露呈しても後戻りしない日本の政策決定システム、タコツボに入って自分たちの業界の繁栄だけを追求する官僚や学者、自立した思考を持つ人間を排除し、イエスマンが出世していく日本の組織の体質、つかみがねと引き換えに特定の地域に原発や基地などの矛盾を押しつける上から目線の政治の手法。こうした要因がつもり積もって、原発事故という人災は引き起こされたのです。

 私たちにできる政治参加の第一歩は、官僚や専門家の「説明」にすぐに納得するのではなく、分からないことは分からないと言い続けることです。福島県の子どもたちの放射線被曝の問題について、国が示した基準で本当に大丈夫かと不安を持った親たちが、文部科学省に談判に行きました。その結果、校庭の土を入れ替える作業が始まりました。リーダーや専門家の無力さが露呈した今、私たち自身が動くことが今までにないほど重要になっているのです。

本当にその通りです。

松下政経塾と政治グループ

2011年08月19日 13時03分58秒 | 臼蔵の呟き
仙台市はだいぶ涼しくなりました。
午後2時半ころ大きな地震がありました。津波注意報が出ています。突き上げるような縦揺れと建物が大きな音とともに振動しました。店舗ではエレベーターが止まったりしています。仙台市の地下鉄もストップして点検していると報道しています。地震速報は間に合いませんでした。

今日から仙台市市議選が告示(定数55、立候補者72)され本格的な選挙戦に入りました。仙台市は宮城県の約半分の人口を持っています。震災後の報道で仙台市、市長がほとんど前面には出てきません。理由があるようです。市長の考え方、震災復旧に当たっての考え方がないようです。このような状況下で地下鉄の工事が開始されています。巨額の工事費用が投下されています。震災復旧、復興を優先すればよいと思いますが、そのような判断、重点課題の順位付けが判断できないようです。また、市議選も一部に選挙なんかやってられるかとの意見があり、選挙戦の自粛を主張する勢力も出ているようです。選挙民は何を判断材料にして投票行動を行うかがわからなくなる(闇夜の選挙)可能性があります。現在の震災復旧、復興の進み方からみて選挙をきちんと行い、住民の声を仙台市行政当局、市議会に反映させる必要があります。市長の判断、考え方も正す必要があります。(何も見えない市政でなく)

宮城県知事村井知事は松下政経塾出身者です。国会議員は38名、自民党10人、民主党28人です。自民党は逢沢一郎、高市早苗、小野寺五典が知られています。民主党は野田、樽床、原口、玄葉光一郎、前原誠司、福山哲郎氏です。国会では一大勢力になろうとしています。市長、市議などを入れるともっと大きな政治的影響力を持とうとしています。このようなグループが大連立を模索する思想的背景にも影響を与えているように思います。ここにも村=松下政経塾があります。

市民の意思、国民の意思にそった政治が実現するような政治制度、議会制度、議員数への反映が必要です。似非民主主義は結果として亡国の政治としかなりません。公約を投げ捨てて恥じない政権、政党を断罪する必要があります。民主党はこども手当てを変更、改悪しながら選挙対策=票欲しさに「こども手当て継続」????とのビラを民主党議員に配らせた。自分たちが何者で、どのような責任を課されたか、何を主張して当選し、政権党になったのかを全く忘れた政党には未来はないですね。また、そのような強制をした自民党、公明党にも未来がないことを知らしめる必要があります。

真のナショナリズム

2011年08月19日 10時03分55秒 | 臼蔵の呟き
   東京新聞 本音のコラム   
  山口二郎北大大学院教授の寄稿文

 自民党の国会議員が領土問題をめぐって韓国と諍いを起こした。自民党という政党が領土問題で強硬姿勢を示すのはよく分かる。しかし、いま安手のナショナリズムを煽ることには、疑問がある。

 国土を大事にするというなら、何より現に人が生きている場所を大事にするのが政治である。小泉改革で地方自治体を締め上げて疲弊させた上に、危険な原発を推進し国土を放射能で汚染する原因を作ったのは、他ならぬ自民党である。祖先から受け継いだ国土を数十年間も放射能で汚染することなど、愛国者のすることではない。ナショナリストを自称する人々は、なぜ無責任な東電と経産省に対して怒らないのだろうか、不思議で仕方ない。

 過日脱原発のデモをした時、市民に向かって「北朝鮮へ行け」と訳の分からぬ事を言う右翼がいた。情けないことに、プルトニウムを貯め込み、放射性物質を大量に海洋に投棄した日本は、国際社会から見れば、北朝鮮同様とまでは言わないが、困り果てた問題児である。海洋汚染についての民事責任を問われた時、日本は申し開きできないのである。

 こんな時に外国に喧嘩を売るなど、愚の骨頂である。日本は世界に対して巨大な債務を背負ったという自覚を持たなければならない。その上で慎重に行動するのが真のナショナリストである。

東京新聞8月7日

なかなか面白い指摘です。ナショナリズムを勘違いしないようにしましょう。旧政権、などが右翼的潮流、勢力を利用してきた結果です。中曽根、安倍氏、故中川氏などその代表者です。


宮城県が水産特区を検討課題に

2011年08月19日 06時00分44秒 | 蜂助の呟き
 こんにちは。蜂助です。

 8月17日に宮城県から、東日本大震災からの復興計画の最終案が発表されました。私も反対し続けていた「水産特区」は「検討課題」にとどめ、政策内容としての明記ができませんでした。8月22日の宮城県復興会議で最終決定し、9月県議会に提出されます。
 
 そして多くの県民から、何もやっていないと激しい批判を浴びている原発事故対策について放射能検査体制の整備、除染対策なども盛り込まれました。

 しかし瓦礫撤去や港湾整備、漁船修理、農地の除塩などの県民の仕事や生活に直結した具体化はされていないと批判されています。岩手県と何でこんなに違うのでしょう。岩手県知事は現場からの発想で政策を作っているのに・・・