昼のガスパール・オカブ日記

閑人オカブの日常、つらつら思ったことなど。語るもせんなき繰り言を俳句を交えて独吟。

夏休み

2018-07-21 16:06:46 | 俳句

今日から夏休みという学校も多いのではないか?
オカブも夏休みには楽しい思い出がいっぱいある。
夏休みの始めは、宿題のことなど忘れて遊びに夢中になる。
海に、山に、都会でもプールにと楽しみはいっぱいある。
夢に満ちた頃であった。

夏休み校庭の影ただ伸びて   素閑

芝草のテニスコートや夏休み   素閑

ランドセルいつもと違う夏休み   素閑

竹すだれあんみつやの先夏休み   素閑

朝七時上野の特急夏休み   素閑

夏休み海に都会の匂いして   素閑

縁側に土産を積みぬ夏休み   素閑

割れガラス砂に見つけて夏休み   素閑

釣り竿に虫網持ちて夏休み   素閑



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月見草

2018-07-20 22:21:40 | 俳句

東京地方の公立小中学校は明日から夏休みだ。
一学期の成績もさることながら、夏休みをどう過ごそうかということも生徒らには気がかりだろう。
親がどこかの旅行や帰省に連れて行ってくれる子は良いが、そういう機会のない子には自分自身で充実した夏休みのプランを練ってもらいたい。
日本で、これだけ長期の休暇のある時期は生徒・学生の時だけである。
未来に向けてLet's go!

月見草とかく娘は夢見がち   素閑

月の無き闇に咲けるや月見草   素閑

閻魔堂傍らに咲く月見草   素閑

野にありて時の無き間の月見草   素閑

世を滔じ人を尊び月見草   素閑

原に露闇夜に降りたか月見草   素閑

友亡くしまためぐりたる月見草   素閑

野の奥のひきだしに置く月見草   素閑

ふるさとのなき身をなげく月見草   素閑



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2018-07-19 22:55:33 | 俳句

俳句も自分としては、どうも不味い。
一線から抜け切れていないのだ。
無駄な設定や語句が多いし、どうしても物語調になってしまう。
一日、最低八句作ることを目標にしているが、なんとかの出来だ、と自分でも思えるのは、せいぜい二百句に一句ぐらいだ。
どうしても、自分の作風も作れないし、作風以前に、作句の方向性も定まっていない。
これからも精進するしかないか?


朗唱の一節鱧の館かな   素閑


白き鱧一条大路の夕風や   素閑

掛け行灯鱧に誘われ賀茂のふち   素閑

みたまもと鱧のおもてのすがし灯や   素閑

妓楼にも鱧が問うてうほんの恋   素閑

盛塩に牛車のめぐる今日の鱧   素閑

問へば問へおのがさだめのの鱧の縁   素閑

落日や鱧の踊りの輪の上に   素閑


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2018-07-18 23:09:14 | 俳句

真夏の休日は家の中ではパンツ一丁である。
これはオカブ家のような女主体の所帯では甚だ肩身が狭い。
さすがに娘の前ではステテコを履く。
しかし、それさえも暑く感じ、損をした気分になる。
育ちが悪いとこんなところも横着になる。

鬼さへもかなわず逃げる大裸   素閑

所在なく裸の背中を掻き掻きぬ   素閑

井を汲みぬ裸の身に触るつる草や   素閑

裸だうし盃交わし笑ひ合ひ   素閑

建設夫胸の裸の太きかな   素閑

置き去りのうみほうずきの裸かな   素閑

縁側に裸座りて路地裏や   素閑

夕顔の縁台将棋裸かな   素閑

寝静まり裸の子らの身の三つ   素閑



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ビール

2018-07-17 18:38:27 | 俳句

ビールが好きだ。
そして、やはり夏にはビールに限る。

うそばかりいう男らとビール飲む  楸邨

ビールには、まあ堅いことはいいじゃないか、という気安さがある。
そういう所もビールが好まれる一因かもしれない。
しかしビールの売り上げが極端に落ちているという。
それは日本のビールが高いからだ。
酒を呑み酔うという目的で何かを呑むとしたら、ビール以外の酒を呑む方がはるかに手軽だろう。
本来ビールはそういう手軽な酒であったのだが、これでは本末転倒である。

辞めてなほ誘われビールの同期会   素閑

いかんせん払いの月次ビール舐め   素閑

大八州ビールとともに飲み干せり   素閑

大波とビールとうをと浜風と   素閑

世の天下取った気でいるビールかな   素閑

笹の葉に盛られた肴冷えしビール   素閑

薄化粧くずれた妻とビール飲む   素閑

ビール飲む部長課長の噂して   素閑



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縞鰺

2018-07-16 20:45:58 | 俳句

海の日ということで土曜から三連休の最終日。
昨日までの極端な猛暑に比べてわずかではあるが過ごしやすい気温。
とはいえこの暑さでは冷房の効いた家に籠っている以外にない。
来週からはほとんどの小中学校で夏休み開始。
子供には嬉しい時が巡って来る。
本当に夏は暑くなければこれほどいいものはないのだが・・・
かーたんと『美登利寿司』に行ってきた。
梅ヶ丘なので歩いても行けるが、余りに暑いので下北沢から小田急線で行った。
歳のせいかあまり鮨も量を食えなくなった。
勢い、魚の刺身を食うことになる。
栄螺を切ってもらった。
縞鰺が珍しくあった。
季節のものである。
縞鰺も切ってもらった。
佳き酒の肴である。

縞鰺の浜のをどりに暮れゆけり   素閑


巖頭の波濤の潮のしまあじや   素閑

興ざめてしまあじ一片箸つけり   素閑

朝釣りのしまあじさらり切り捌き   素閑

板前のしまあじすらと刃を入れり   素閑


許すなら涙をしぼるしまあじや   素閑

恋を説くめぐりし時のしまあじや  素閑

法要に招きし僧も縞鰺の膳   素閑

来し方を縞鰺ともに思案顔   素閑



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炎天

2018-07-15 18:54:15 | 俳句

とにかく暑い!
暑さのせいかどうか知らんが、かーたんと三茶の『大福水産』で一杯やってきた。
暑い時にビールを呑むとますます暑くなるのだが、そんなことに構っていられないほどの暑さだ。
熱中症で死者も出たようだ。
この暑さで西日本の被災地も辛かろう。
一日も早く日常が戻ることを祈る。

炎天の大地の草も喘ぎたり   素閑

炎天の無想に土を運びけり   素閑

炎天の家流されし泥道や   素閑

炎天の静かにうごく影法師   素閑

炎天に隠居の枝葉剪り取りぬ   素閑

泥池の炎天の陽を映しけり   素閑

やせ猫の炎天の路通りけり   素閑

炎天に富士の鮮やか一万尺   素閑

炎天に昏き豆腐屋商えり   素閑

炎天の煙突三つけむ吐かず   素閑



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灼く

2018-07-14 20:27:54 | 俳句

世界も大体行きつくした。
大きいようなことを言うようだが、実際、オカブのような細民にはもう、大袈裟なところに行く意欲も金も残されていない。
もはや、暑苦しい賤ヶ家に籠っているのみである。
ただ、あと一か所行くことを許されるなら、東欧には行ってみたい。
プラハに行ってチェコのビールを飲んでみたい。
金虎亭でビールを飲んでみたい。
クネドリーキも食いたい。
アヒルのローストも食いたい。
・・・・
というわけで、欲望の塊になるわけである。

灼けたりと空港の陽の朱にもえ    素閑

焼灼の砂の一つを掴みたり   素閑

浪漫のやかた外庭灼けつくし   素閑

想念も灼けて問わざる無一物   素閑

関東も一途の恋に灼け果てぬ   素閑

暮れてなほ灼けるを覚ぼゆ西座敷   素閑

熱き沙聖徒の果てる西の方   素閑

錦なす伽羅曼荼羅に灼ける沙   素閑

大棕櫚の影より出でて灼けにけり   素閑

ひたすらに香華ひとすじ灼けにけり   素閑



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端居

2018-07-13 18:37:05 | 俳句

西日本の水害は甚大な被害だそうだ。
日本は地震に水害と災害だらけの国。
そこで国土強靭化の公共事業となるのだが、元手がないのと、抵抗勢力のおかげで、一向に災害対策の工事ができない。
地方の郊外などに行ってみると、ここは見るからに危なそうだ、という所が放置してある。
こういう災害に弱い日本でサバイバルするためには、自分で自分の身を守るしかない。
東京とて、いつ大地震がくるやもしれぬ。
とは言っても、なんの対策も出来ず、せいぜいペットボトルの水と非常食の乾パンを用意するくらいが関の山なのだが。

陽の盛り端居の人も燃え尽けり   素閑

生きてみて四畳の端居世過ぐ果て   素閑

面白き噺も端居よく聞かず   素閑

去年の夏思ふ端居のなすがまま   素閑

子の騒ぎ妻の掃除の端居かな   素閑

端居して千種の光る昼下がり   素閑

山降りて吉田の坊の端居かな   素閑

いさかひの詫びの言葉の出ぬ端居   素閑

草の伸び垣毀ちたりただ端居   素閑



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胡瓜

2018-07-12 18:34:14 | 俳句

胡瓜というと一年中食える野菜だと思い勝ちだし、実際その通りなのだが、やはり胡瓜は夏のものである。

初胡瓜河童に二本流しけり   師竹

胡瓜の思い出というと、幼い頃、夏の北海道へ行って、畑から捥いだそのままを、一本、齧ったのが鮮やかな記憶だ。
以前、『となりのトトロ』で、メイがやはり畑の捥ぎたてのを、川で冷やして、一本丸齧りするシーンがあって懐かしく思ったものだ。
しかし、もう夏の畑で採れたみずみずしい胡瓜は都会から姿を消し、促成栽培のスーパーで売っている真っ直ぐの不自然な規格品しか見られないのは残念なことだ。
昔、幕臣は胡瓜を食わなかったという。
切り口が葵のご紋に似ていたからという。眉唾だが、成程とつい肯いてしまうエピソードだ。
夏に胡瓜がなかったら、随分寂しいものになっているだろう。
天の恵みである。

待ちそびれ胡瓜二本の露店市   素閑

夏盛り齧る胡瓜に冷えた水   素閑

大波乱夜の野球にもみ瓜や   素閑

なしつぶて胡瓜つらなる垣の蔓   素閑

ともすれば胡瓜に語る我が身かな   素閑

夏授業胡瓜に似たる若教師   素閑

紅涙をぬぐいて今日の初胡瓜   素閑

陽の高き齧る胡瓜の青苦さ   素閑

連れ添うてなじむ胡瓜の青きかな   素閑




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