良寛を聖のように言う人がいる。
一方で、あれは唯の乞食坊主だという人もいる。
確かに良寛は書、和歌、漢詩に優れることと並び、奇行の目立つ常人とは思えぬ僧であったようだ。
しかし良寛とて、一人の人間である。
その生には懊悩も嫉妬も不満もあったろう。
それは、一見、そういった煩悩を断ち切ったという宣言を現した良寛作の漢詩によく表れている。
煩悩を離れたということは、まだ煩悩にとらわれているということだ。
良寛はそういう対等の目線に立った、一個の人間として見て、初めて魅力が輝いてくる。
『きゃんどる』でかーたんと食事をした。ビールが美味かった。
ちょっと間が空いたがママさんが白内障で店を休んでいる。
マスターがホールを切り盛りして大変そうだ。
ママさんの快復を祈る。
ころろんと下駄の音たかき半夏生 素閑
庭石を動かし涼し半夏生 素閑
今たしか熱海過ぎ去り半夏生 素閑
言の葉に老ゆ叔母見舞う半夏生 素閑
喫茶店芭蕉の窓辺半夏生 素閑
半夏生つる草からむ竹の垣 素閑
から雨の乾ける都会半夏生 素閑
京橋の琳派の会や半夏生 素閑
熱き湯に虫の飛び交う半夏生 素閑
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