次第と寒さが募ってきた。
冬が本番になろうとしている。
オカブは冬が好きだ。
子供の頃は冬はスキーに行けた。
子供心にスキーに行けるのはワクワクした。
そのゲレンデの粉雪の原は、きっと遠い国のスイスやオーストリアにもあるのだろう?
そんな国々に憧れた。
行きたいと思った。
大人になって実際に行った。
スキーにではない。
もう、大学生や社会人になる頃は、スキーに興味が失せていた。
ヨーロッパで名所や旧跡を廻った。そのほうが興味が湧いた。
日本国内でも、かつての木造のバラックのスキーハウスに寄って、アールベルク・スキーを想うようなことは無くなった。
民宿の炬燵で野沢菜を摘みながらシャモニーを語るということも無くなった。
斜面が貧相な以外は、本場のヨーロッパと遜色のないスキー場には、ただただ小奇麗な建物と、華やかなスキーファッションに身を包んだスキーヤーが居るだけだろう。
実物が充実していくと、想像力はどんどん枯渇していく。
山里の枯れ葉も触るる初氷 素閑