アンカツを応援するブログ

アンカツこと、安藤勝己騎手を応援するブログです。

先週の反省 と アンカツ手記・特別編

2008-12-29 13:34:20 | 競馬
今週号の競馬ブックのルメールとの対談が本当に面白い。
アンカツが有馬記念を制したことだし、
ご覧になってない方は是非とも購入してじっくりご覧ください。
日本と世界の違い、フランスの競馬事情とか、かなり勉強になります。
こういう話を時間をかけてじっくりと話し合えたのは、
来年欧州へも向かうであろうアンカツにとって大きなプラスになると思う。




土曜 阪神
2R タガノブリガデイロ 7着
「スタート後から外へ逃げ気味に走っていた。
 右手前の走りは良かったが、左手前になるともたれて・・・」
横からの映像じゃあ分かりにくいんだよねえ。
全周パトロールを見れたら分かる話だけど。
何にせよ、実力は全然出せなかった感じだ。
初戦でも難しいところを見せていた馬であり、
課題を残したままなので過信はもちろん出来ないが、
次に人気を落とすようなら大きく狙ってみるのもありだろう。


3R タニノネグローニ 10着
「手応えの割に今日も弾けなかった。
 状態は良いと思うが、どうも結果が出ない。
 ジックリと後ろから行かせたほうが良いのかなあ」
先行してまったく結果がついてこない。
体質は少しずつ強化されているはずだが、
さらなる鍛錬は松国さんにお願いするしか無いとして、
アンカツとしては別作戦を立てるしかないわな。
次は差すなり、追い込んでみるのがいいだろう。
雰囲気のある馬で、何かのきっかけで爆発すると思うので、
もう人気もないだろうから次も買ってはみたい。
・・・本当は、馬券的に追いかけたらいけない馬の典型だがw


8R ウォーゲーム 3着
「最近は落ち着いているから乗りやすくなっているし、
 レースも上手く運べたけど、追ってからが思ったほどではなかった。
 手応えからするともっと伸びそうだったけどね」
これは何もない。鞍上は完璧。馬が全力を出さなかっただけ。
人間の欲望でいつも全力で走れってのも勝手な話なので、
次に頑張ってねとしか言いようがない。


11R マッハヴェロシティ 4着
「1角で不利を受けたけど、3角から歩様がぎこちなかった。
 最後も伸びているというよりバテた馬を交わしてきたという感じだった。
 初めて乗ったのでよく分からないね」
1角の不利はかなり大きなものだった。
被害者がアンカツだったから審議にすらならずに乗り切ってしまったけど、
若手だったら落ちてたんじゃないかと思える攻防。
加害者の川田も謝ってるけど、ここの不利は痛かった。

それを超えてからはスムーズに走っていたが、
アンカツの言う通り、3角からの歩様がおかしい。
言われてジックリ見て、それではっきりと分かったが、
1000mを通過して少しのところでおかしくなっている。
無理せずゆっくり流しているうちに戻ってきて、
良い加速で直線に入ったけれども、
内から寄れてきた馬の影響で外に出すロスもあって届かず。
これもアンカツの言う通り、ヴェロシティが鋭かったというより、
先行争いが苦しくなった各馬が13秒半ばまで落ちて、
それを12秒後半で差してきたから差が一気に詰まった感じだ。

まだこの馬のことは良く分からないが、
良いパワーを持っているのは間違いないと思う。
スタミナもあるんじゃないかと感じる。
歩様とかは調教と成長で体質強化をすれば良くなってくるだろう。
皐月賞よりもダービー、さらに菊花賞で面白そうな馬。
今のところ、菊花賞で一番乗ってみて欲しい馬だな。



日曜 中山
10R ダイワスカーレット 1着
「テンションの高かった天皇賞の時より落ち着きがあって
 良い雰囲気だったから、今日は安心していられた。
 逃げ馬のいないメンバー構成だったので、自分からハナに行ったけど、
 それほどペースを緩めなくても終いもうひと踏ん張りしてくれる馬だからね。
 馬の力を信じて自分のペースで運んだよ。
 4角で他馬が来たときも、まだ手応えは十分だったし、
 この馬の力を見せられたと思う。
 まだまだ先のある馬。応援してください」


アンカツ手記・特別編---------------------------------------

皆さん、温かいご声援ありがとうございました。
やりました。ダイワスカーレットで1年納めのグランプリに勝てて、
最高の形で今年を締めくくることができました。
強いとか速いというのを通り越して、本当に凄い馬です。

25日の手記で書いたように、自信はかなりありました。
とはいえ、力のある馬が順当に勝てないのもまた競馬の恐ろしさ。
いくら手応えがあり、馬の実力を信じ切っていても、
勝負は水ものと心得てレースに挑みました。

最も恐れていたのは、相手馬の存在や動向ではなく、
当日のイレ込み加減でした。
秋の天皇賞は、パドックから本馬場入場にかけて、
馬が必要以上に力み、宥めるのに少し苦労したものです。
ところが有馬記念では、程よいテンションで、リズム良く返し馬に移れました。
寂しがりなので、誘導馬の近くで馬を安心させることも忘れませんでした。
馬の雰囲気から、掛かり気味に突っ走って自滅するようなことはないと思うと、
楽な気持ちで大一番に臨むことができました。

いつものようにロケットスタート。
ものすごく利口でセンスが並外れているから、どの馬よりも速く飛び出せます。
チラッと内側を見ると、それほど行きたそうな馬がいません。
ダッシュ力を生かして自分から先頭に出て行きました。
厳しいマークを受けるのは覚悟の上の逃亡劇。
ハナに立った以上は、迷わず惑わずに限ります。
早めに追いかけてきた馬は、直線に向くときっと苦しくなるという、
自分なりの計算もありました。

スカーレットの偉大なところは、しなやかなスピードはもちろん、
最後にもうひと頑張りしてくれるところ。
傑出したところを出し切れた勝利に酔い、
しっかり調教してくれた松田国厩舎のスタッフの皆さんにお礼を言います。

来年は、いよいよ海外遠征の機会があるかもしれません。
具体的な国名、狙うレースは未定だそうですが、
スカーレットが向かうところには、どこへでも一緒したいと思っています。
世界中の名馬を向こうに回しても楽しみです。
最後にもう一度、御礼とこれからのご声援をお願いして、
今年最後の手記にします。

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何度見ても素晴らしい勝利。
直線で、2番手集団が次々と脱落していくのが気持ち良すぎw
日本のG1でここまで熱い逃げ切りをした馬はいるか?
古の名馬カブラヤオーみたいな、
追ってくるものを全て突き放す、凄い内容だった。
これがスカーレットの真の姿だということ。

これまで、アンカツが作る変幻自在のラップに他が幻惑されていたこともあり、
その実力をどうしても認められなかった人たちがいたと思う。
これは仕方のないことだ。
アンカツが上手くやってるだけだろ、って声を本当にたくさん見た。
それはそれで嬉しいことだが、そうじゃないとこの場で何度も書いてきた。
これまでは、本気を出させる必要もなかったということ。
「楽に勝てるならそれに越したことはない」のだ。
省エネをモットーとするアンカツならばなおさら。
後続を騙しつつ、少しずつ隠していた力を披露してきた感じだった。
全力ではないが、これはこれでスカーレットの力である。
スカーレットには引き出しが多く、その数が半端ないということ。


それが前走、長期休み明けによる自身の精神状態の異常と、
思わぬ敵(トーセンキャプテン、というかペリエ)の出現が重なり、
ついに裏の顔を出して戦うことになった。それが天皇賞秋。
秘めていた力を解放した以上は、もう隠す必要はない。
後はそれを推していくだけ(なんか漫画の主役のようだなw)
前走はどちらかというとスカーレットが勝手に力を出したような感じだが、
「アンカツの制御下の元でのみ出せる真の力」で挑んだのが有馬記念。
このレースの凄さは、競馬キャリアが長ければ長いほどに分かるだろう。


長いこと騙されてきた人は多いかもしれないが、
ダイワスカーレットという馬の本質は、兄のメジャーと同じであろう。
兄は「他は関係なく自身の力を出し切ることが全て」という、
決められた大きな1本の道を堂々と進む馬だった。
妹の本質もこれ。昨日の有馬記念がそう。
(気づいた人は新馬戦で気づいたはずだけど)
ただ、妹にはそれ以外に引き出しがたくさんあって、
誰よりもテンが速く、誰よりも加速が速く、誰よりも減速が速く、
「他馬にマイナスを強いながら楽に勝つ」ことも出来るセンスの持ち主。
昨年までは、アンカツがそれを利用して楽にやってきたということだ。
何でかと言えば、これはなんといっても疲れないからね。
昨年、3歳牝馬がローズSから有馬記念まで連戦できたのも、
各レースで過度な負担をかけずに楽をさせてあげたからだと思う。

4歳になって、さらなるパワーアップを果たした。
春は故障してしまったが、若駒によく発症するアクシデントであり、
むしろ成長途上ゆえの故障だったと思う。
秋天前にアンカツが2ヶ月続けてのって負荷をかけても大丈夫だったように、
故障する前よりも強靭になっているんじゃないかと感じる。
これからは、真の力で連戦を挑んでも大丈夫だ。

今後、アンカツが書いている通りに世界の競馬に挑むことになる。
ドバイか、ロンシャンか、アスコットか・・・。
世界の大レースで、世界の強豪が待っている。
日本馬が過去に成し遂げられなかった世界の主要レース制覇の夢を、
この馬とアンカツに賭けてしまって問題ないだろう。

大きな夢を語っても許される、いやむしろ語るべき。
そんな有馬記念だった。