クリーニングに出すために袋に放り込んでおいたセーターを引っ張り出し、マフラーを取り出して、とすっかり冬のしたくに戻ってしまった冷え込んだ水曜の夜。中野の地元の寄り合いに呼ばれ、新大久保まで出かけた。
主催者の友人の知り合いの…、というつながりで紹介されたというスペイン料理とフラメンコの店だった。知らなければ永遠に見つからないねえ、と話しながら路地裏をたどり、薄暗い地下の店に入る。一人ではまず怖気づいてしまう氷雨に濡れたコンクリートの雑居ビル。
週末はいつも満席だという知る人ぞ知る地下要塞の突き当たりは一段高く、頑丈な木製のステージがしつらえてあり、3隅を客席が囲む。おまかせディナーコースのスペイン料理、生ハムと真っ黒なパエリアが特にうまい。赤ワイン、味の違いはわからないけれど、飲み口がよく、杯を重ねる。
本場仕込みのフラメンコギターと情熱のフラメンコをかぶりつきで堪能する。西郷輝彦の「星のフラメンコ」の振り付けとは違うのだ、と考えれば当然のことなのに、酔いがまわったふにゃふにゃの頭で感心しながら「オーレッ」なのだった。
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