そよかぜから-映画

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ゆりかごを揺らす手

2008年05月06日 | サスペンス/ミステリー


1991年 アメリカ 110分
■原題「HE HAND THAT ROCKS THE CRADLE」
■2008.5.2 movie plus
■監督 カーティス・ハンソン
■出演
   アナベラ・シオラ(クレア)
   レベッカ・デモーネイ(ペイトン=医者の妻)
   マット・マッコイ(マイケル=夫)
   アーニー・ハドソン(ソロモン=黒人)
   ジュリアン・ムーア(マリーン=友人の妻)
   マデリーン・ジーマ(エマ=娘)

 《story》

「女は愛の代わりに、憎しみと手をつないだ。」

夫マイケル、娘のエマと幸せな生活を送っていたクレアは、2人目の子を身ごもり、産婦人科を訪れる。そのときのモット医師は、クレアの診察で卑猥な行動をし、それを知ったマイケルとともに、警察に訴える。マスコミは、このことを大きく取り上げ、その医師に被害にあった女性が何人も名乗りでる。その医師はピストル自殺。医師の妻は、子どもを身ごもっていたが、ショックで流産。子宮も摘出される。
クレアは無事に男の子を出産。6カ月後、身元を隠した医師の妻ベートンは、子守としてクレアの元にやってくる。ベートンは、夜中にこっそり赤ん坊に授乳したり、マイケルの論文を破り捨てたり、家庭を崩壊に導く。ある日、友人のマリーンは、偶然彼女の身元を知り、クレアの元にかけつけるが、罠にはまり殺されてしまう。そして、横たわるマリーンを見つけたクレアは、喘息で倒れる。喘息の薬の中身を抜いたのもベートンだった。一命を取り止め、退院したクレアは、マリーンの死の真相を探り、ベートンの売りに出されている家にたどり着く。

 気持ちはわかるが

ベートンの気持ちはわかるが、恨むのはクレアではなく、問題を起こした夫だろう。夫のモット医師が、きちんと診察していれば何の問題もなかった。逆恨みだと思う。しかし、自分のお腹にいた赤ん坊まで死に、訴えた女性は元気な赤ん坊を産んで育てているとなると、妬みや恨みが出てくる。それをあからさまに出してしまうことの恐怖が現代にはびこる。だから、正しいことが言えない。いわゆる逆切れだ。黙っている方がいいと思う世の中になってしまった。ベートンの気持ちがわかるというのは、逆切れしたくなる気持ちが分かると言うことなんだ。何かを言われたり、攻められたりしたら、反省するどころか、言ってきた人を恨んでしまう。怒りがこみ上げてしまう。とことん相手を陥れようとしてしまうだろう。自分もそうなるかもしれないし、そんな目に遭うかもしれない。

妬み、嫉妬、怒り、憎しみ、恨み・・・そんな心から解放されたいものだ。理想かもしれないけど、マイナスの心になることなく、人間を思えたらどんなに楽だろうか。「怒る」ということはしんどいことだ。「妬む」ということはつらいことだ。自分のこどだけで、心がいっぱいになり、人を想うことを優しさを忘れてしまう。言葉が出なくなる。事件はつらいけど、相手のつらさもわかって、相手のことを優先して接することができたら、どんなに心が晴れやかになることだろう。偽善でもいいから、前向きに歩きたいものだ。