そよかぜから-映画

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王の男

2007年11月19日 | 歴史映画/時代劇

2005年 韓国 129分
■原題「The King and the Clown」
■2007.11.15 wowow
■監督 イ・ジュンイク
■出演
   カム・ウソン(チャンセン)
   イ・ジュンギ(コンギル)
   チョン・ジニョン(ヨンサングン)
   カン・ソンヨン(ノクス)
   チャン・ハンソン(チョソン)
   ユ・ヘジン(ユッカプ)

 《story》

「今、実在の宮廷揺るがした究極の愛憎劇が幕を開ける」
「それより奥は、見てはならない」


16世紀初頭、旅芸人のチャンセンと女形のコンギルは、一流の芸で聴衆を魅了していた。漢陽で、知り合った3人の芸人と、王と宮女をからかう芸を披露し人気を得る。これを聞きつけた重臣のチョソンは、王を侮辱した罪で彼らを死刑にしようとするが、チャンセンは王の前で芸を披露し王が笑えば侮辱じゃないと反論する。そして宮廷で、王を前にしての芸の披露。王を笑わせた魅了したのはコンギルだった。彼らはお抱えの芸人となり、家臣の悪事を暴く芸をする。暴君と言われた王にも暗い過去があった。その悲しみに答えるコンギル。彼を奪われるチャンセンの悲しみ。王を奪われた宮女のノスクの企みがさらに大きな悲劇を生む。

 だれもが一人
王も自分をわかってくれる人間を求めていたのだろうな。昔も今も、どこのだれでも、人は分かり合える人を求めている。王は権力はあっても孤独だった。孤独な権力者は暴力的になるのかもしれない。つながる心に飢えている。それはきっと、わかってほしい心であって、分かろうとする心ではない。だから淋しいのだ。
初めはチャンセンとコンギルを変な目で見ていたけど、男とか女とか関係なく、分かり合える心で結ばれている幸せな関係だった。それがうらやましい。「芸」を求める心が二人を強く結びつけた。共有するものがあればこそ。
権力をかざす者は嫌いだ。嫌いだといいながら、どこかでそれを求めている。自分が持っていないものに嫌悪感を感じるのは、実はそれを一番求めているからに他ならない。私が権力を持ったらどんなことをするだろうか。わがままと欲の限りを尽くすだろうか。人々のためにその力を使うことができるだろうか。理性を失い、自分のことしか見えず、好き勝手するにちがいない。

 公式サイト「王の男」