■2004年 日本 121分
■2007.3.10 wowow
■監督 松浦徹
■出演
江口洋介(葉山新介) 安藤政信(野原貴史)
宮崎あおい(路木麻里) 小島聖(唐木不由子)
鳥肌実(紺野惣一郎) 小木茂光(滑川宏一)
北見敏之(柘植琢郎) 石田ゆり子(柴田亜季)
松田龍平(帆村薫)
《story》
「この世界は偽物(フェイク)だ。 」
「他人は、ぼくが見てるように世界が見えているのだろうか。
それは、誰にも理解できない絶対孤独の恐怖―― 」
ある豪邸で殺人事件が起きた。刑事の柴田は、その死体と流れ出た血を階段の上から見ると奇妙な模様を形造っていることに気づく。その家の娘は養女で、三度家を変わり、その度に家族の誰かが亡くなっていた。一方、新介と弟分の貴史はヤクザの下請けとして盗撮サイトを運営していた。新介は共感覚者で、自分が見たものや感じたものが、人とちがう感覚で脳に記憶されてしまうのだった。そのため苦しい日々を送ってきた。ある日、仕掛けたカメラの部屋の女が失そうした。新介は、そのベッドに付着した血痕が、ピカソのマーキングであることに気づいた。そして、カメラの前で自殺事件が起きるなど不可解なできごとが続いた。さらに、排水溝で倒れている女がカメラに写った。新介たちは、その女を見つけ連れ帰った。その女はニュースで報道されている、殺人事件があった豪邸の養女、麻里であることがわかった。3人の奇妙な生活が始まった。これらの事件の真相をさぐるため、新介はピカソの行方を探った。
自分の見ているもの
それがみんなと同じとは限らない。もしかしたらひとりひとり微妙にちがうかもしれない。自分は他人にはなれないから確かめようがない。色覚異常で、赤が緑に見えたり、判別できない色があったりする。色のとらえ方が全く反対であることもありうる。そんな脳がとらえる感覚というものほど不思議なものはない。五感と言われるけど、それ以外の感覚の存在もあるかもしれない。同じものを見ていても、脳がどう判断するかちがうとしたら、人との協調がうまくできない。そんな苦しみももっと描かれていて、人間lくさいストーリーになっていたら、私にしてみたらおもしろくなったのではないかと思った。事件に絡ませようとすると、無理がくる。他人とはちがう感覚の表現にしぼった展開の方が現実味を増し、恐怖感も大きくなるのではないかと思った。
京都、奈良への旅行
京都に住んでいた人に案内してもらい、京都のおいしい食べ物旅行に行ってきた。まずは嵐山の「廣川」のうなぎ、3200円だったかな。私は、テレビで紹介されているような高級なものを口にしたことがない。安くてそれなりにまずくなければ、それはおいしいのである。給食の煮込んだぶつ切れのうどんもおいしい。3200円のうなぎを食べるのだったら、生協のうなぎを家族でたらふく食べたいと思う方だ。でも、生協のうなぎとはちがう。柔らかさ、口に入れ、かみしめたときの感触がちがった。
次に、祇園の「奥村」というフレンチ料亭、10000円14品。確かにおいしい。キャビア、あわびというものを味わった。お金持ちなら何度も来たくなるだろう。最後に「菊の井」・・いわゆる日本料亭。個室に案内され、仲居さんが1品ずつ運んでくる。ここも確かにうまい。でも、自分の中で何かが変わるほどではない。むしろ、子どもの授業料のことが頭に浮かんだ。山の頂上で食べる1個のむすびの方がよほどうまいと思うのは、貧しいからなのだろう。1つの料理に時間と労力をつぎ込んでいる。これこそ心をこめるという言葉が似合っているのかもしれない。大きな感動を覚えられない自分が情けない。しかし、「近為」の漬け物はおいしかった。また食べたい味だった。