■2004年 日本 111分
■2008.9.7 DVD
■監督 篠原哲雄
■出演
竹内結子(翔子/香夏子) 玉山鉄二(健太)
香里奈(由衣) 新井浩文(サトシ)
香川照之(瀧本) 香川京子(幸)
原田芳雄 (ヤマキ)
《story》
「願いはかなう。想いは伝わる。」
「大切な人を失ったあなたと、
大切な人を残してきたあなたへ。」
ピアニストの健太は、楽団を解雇され、自暴自棄になっているところをヤマキに天国の本屋に連れて来られた。そこでバイトをするはめになる。子どもの頃憧れていたピアニストの翔子に会う。彼女は片耳が聞こえず、ピアノを弾けないでいた。かつての恋人が花火師で、花火が暴発し片耳が聞こえなくなったのだ。その後、不治の病で入院し死んでしまった。恋人の花火「恋火」を見ることなく、二度と会うこともなかった。恋人のために作曲していた組曲はラストが未完成のままだった。健太は、彼女と一緒に曲を完成させる。一方、健太と同じく生きたまま天国に連れて来られた由衣は、自分のために交通事故で死んだ弟に会うことができた。翔子の姪である香夏子は、叔母である翔子の恋人に、もう一度「恋火」を作ってほしいと頼む。
本当に天国があったらな
もうそんな空想の世界のことを信じなくなってしまった。座敷わらし、幽霊、山の神様、秘められた超能力、異次元の世界、タイムトラベル・・・・・映画の世界では、そんな夢のような話をどんどん実現させてくれるけど、昔ほど「もしかしたら」なんて思わなくなった。そんな不思議な体験をすることができるのではないかと、胸をわくわくさせていた時代が懐かしい。天国・・・そんなものがあったら・・・
心の問題を解決するために、こうして天国の人たちが手助けしてくれたらどんなにすばらしいことだろう。みんな同じ事を思うにちがいないから、天国は大忙し。まるで心を病んだセラピーワールド。でもまあ、あんな落ち着いた自然があふれた世界だったら、現実の世界よりいいかもしれない。好きな本も読めるし。
以前読みかけてやめていた本を最初から読んだ。辻内智貴の「青空のルーレット」「多輝子ちゃん」 うん、一気に読んだ。おもしろかった。生きることがうれしくなっていくような作品だ。人と人とがつながって、夢を追いかけ、お互いに夢を大事にしあい、「生きている」実感がわく。生きるために生きているのではない。夢を追い求める自分を感じたくて生きている。年をとっても夢を持ち続けたい。ただ生活するために毎日を必死で働いているのではない。自分だって夢がある。子どもにも夢がある。その夢を持ち続けていけるように、楽しく生きていこう。よし、映画を見るぞ。