あかねさんシリーズ002 男が女de女が男 063 セクハラは意志が弱い! 「あの、茜さんは女性でごじゃりますね……。それなのに、そんなことをいうのでありんすね。向こうの世界はすばらしいのかもしれないでごじゃりますう……」 「そうかしら、男性と女性が入れ替わっただけのことよ。たいした違いはないのよ」 「そうなの……。でも、わたし、女性に生まれたかったでごじゃりまするう……」 「どうして?」 「わたしがオカネお嬢様に助けてもらわなかったら、解雇されていたでごじゃります。それは、男性ということもあるのでありんす。ここはアメリカじゃないのでごじゃります」 「あなた、アメリカに行ったらよかったのに……」 「でも、アメリカは治安が悪くって、男性にとっては恐怖でごじゃりまするうー。今はだいぶアメリカはよくなって、日本がひどくなってきているけど……。石原都知事は福島総理が悪い! と怒っているでありんす!」 「レイプ……。女性が男性に……」 「そうよ、決まっているでありんす!」 茜は手をたたいて、笑った。 「何を笑うのでありんす!、笑いごとじゃごじゃりませぬ……」 オカネスキーは真剣に怒っていた。 茜はそれに気づいて、オカネスキーはこちらの世界では、向こうの世界の女性の立場にいることを実感した。 しかし、男性が女性にレイプされているなんて、今まで考えたことも茜にはなかった。 「女性はこわいものでありんすうー!」 オカネスキーは茜を非難する大きな声をあげた。 しかし、強い女性もいれば弱い男性もいる……。逆もまた同様……。 「わたしの友達に女性恐怖症の男がいるわ、何かと言えば“オッカネー”というお笑い男よ。この世界にもいるのね」 「あなたの世界にも女性恐怖症の男がいるのでありんすね!」 「でも、ちょっと感じが違うわね。彼だけなのよ」 「そうでしょう。そうでなかったら、今までの話が嘘みたいに思えまする……。こっちの世界にも少数だけど、男性恐怖症の女性はいるわよ。でも、それは別の意味よ。でも、セクハラってことは女性が男性にすること、あっちの世界でもあるのよ」 「セクハラって、強いからするのじゃないわよ、それは意思が弱いから社会的地位を悪用するのよ」
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